新郎謝辞の長さは3分以内に!披露宴をスマートに締める謝辞の書き方
結婚式に参加してくれたゲストや、2人を支えてくれた親族などへ向けて感謝を述べる「新郎謝辞」。
どのような内容にすればいいのか、頭を悩ませている方も多いのでは?
結婚式当日に気持ちをきちんと伝えるためにも、謝辞のポイントはしっかりと予習しておきたいもの。
そこで、ここでは、新郎謝辞の基本的な構成や適正な長さ、ユニークな謝辞にするコツなどを紹介します。
披露宴の「新郎謝辞」とは?目的は何?
結婚式や披露宴では、シーンごとにさまざまなスピーチが披露されるもの。
そのなかのひとつに「新郎謝辞」があります。
まずは、謝辞とはどのようなものなのかを見ていきましょう。
謝辞とは、披露宴の主催者の挨拶のこと
謝辞とは、披露宴の主催者からふたりの門出を祝福してくれたゲストや親族へ向けた、感謝の挨拶です。
かつては新郎父が謝辞を述べるケースが少なくありませんでした。
しかし、最近では新郎新婦自身が結婚式を主催することが増え、ふたりを代表して新郎がスピーチを行うのが一般的となっています。
ウェルカムスピーチと新郎謝辞の違いは?
「ウェルカムスピーチ」も、新郎新婦からゲストへの感謝を述べるスピーチです。
謝辞との最大の違いは、披露宴の冒頭で行われるという点。
また、ウェルカムスピーチでは、感謝とともに挙式の報告や披露宴の趣旨説明などを行いますが、謝辞では今後の抱負などを述べるのが一般的です。
謝辞の長さは何分が適正?カンペを読んでもいい?
スピーチを行う際には、長さにも注意を払う必要があります。
間延びしない適度な長さを心がけ、カンペを用意するなどして、話すときにもたつかないことが大切です。
文字数は400~1000文字・時間は1分~3分程度
謝辞の適切な長さは、時間にして1分~3分間ほどです。
分かりやすくハッキリと話すことを意識した場合、人が1分間に話す文字数は300文字前後。
3分間のスピーチだとすると、400字詰め原稿用紙2枚半ほどがちょうどいい長さだということになりますね。
謝辞を読むタイミングは、披露宴のラスト。
楽しい時間を過ごし、お酒も入ったゲストの方々の集中力は切れはじめる頃でしょう。
スピーチに耳を傾けてもらうためにも、長い時間をともにしてくれたゲストへの気配りとしても、謝辞が長くなりすぎない配慮は大切です。
暗記ができなければ、カンペを用意してもOK
考えた謝辞を覚えておく自信がない場合には、あらかじめカンペを用意しておいても問題ありません。
もちろん、何も見ずにスピーチできた方がスマートですが、内容を忘れて沈黙してしまったり、パニックになってしまったりしては台無し。
覚える努力はしておき、いざというときに焦らないための保険としてカンペを用意しておくとよいでしょう。
新郎謝辞の基本の書き方―構成とポイント―
新郎謝辞には、ある程度の決まった構成と、守るべきとされている言葉づかいのマナーが存在します。
気持ちを伝えることはもちろん大切ですが、まずは基本を押さえ、まとまりのある構成を心がけましょう。
ポイントは、
(1)前文
(2)本題
(3)結び
の3部構成にすることと、「忌み言葉」などのNGワードを使わないことです。
新郎謝辞は「前文・本題・結び」の3部構成が基本
新郎謝辞は基本的に、「前文・本題・結び」の3部で構成します。
(1)前文:ゲストや両親への感謝
ゲストや両親へ出席してくれたこと、スピーチや余興などへの協力などに対する感謝・ねぎらいの言葉を述べます。
(2)本題:結婚式当日に感じたことや今後への抱負
本題では、結婚式当日を振り返って感じたことや、今後どのような結婚生活を送っていきたいかの抱負などを述べます。
感謝の気持ちを伝えるメインとなる部分なので、あまり形式的にならず、式当日の具体的なエピソードなどを盛り込むと理想的です。
(3)結び:今後のお願い・結びの言葉
結びでは、ふたりの今後をお願いする言葉などを述べ、オーソドックスな挨拶で締めます。
謝辞で気を付けるべき「忌み言葉」「重ね言葉」
結婚にまつわる事がらでは使用を避けるべきだとされている言葉が「忌み言葉」「重ね言葉」です。
スピーチを添削する際には、注意しましょう。
忌み言葉:別離や不幸を連想させる言葉
【例】
別れる・割れる・切る・流れる・戻る・返す・帰る・死・四・苦・九・終わる・枯れる・閉じる・落ちる・最後・おしまい など
重ね言葉:同じ言葉や同じ意味の言葉を重ねたもの
「繰り返し」を連想させるため、結婚式にはふさわしくないとされます。
【例】
皆々様・重ね重ね・いろいろ・たびたび・別々 など。
一般的なスピーチでよく用いられる「最後になりましたが」「重ね重ね御礼申し上げます」などのフレーズには、とくに注意が必要です。
結婚式では、次のように言い換えるとよいでしょう。
- 最後になりましたが→結びとなりましたが
- 重ね重ね御礼申し上げます→深く御礼申し上げます
考えた謝辞が短い・長い場合の対処法は?
考えた謝辞が、目安よりも短いor長いからといって、焦る必要はありません。
ちょうどいい長さを意識することは確かに大切ですが、気持ちを込めて考えた結果、長くなったり短くなったりするのは仕方がないこと。
無理に内容を削ったり足したりせず、話すときの間の取り方で時間を調整したり、メリハリをつけて演出するのも、ひとつの方法です。
時間を気にしすぎず、まごころを大切にしたスピーチにしましょう。
【フォーマル・カジュアル別】新郎謝辞の例文集
適度な長さで基本の構成を踏まえた謝辞をいきなり作るのは、意外と難しいもの。
謝辞の文例をパート・シーン別に紹介するので、謝辞を書くときの参考にしてくださいね。
新郎謝辞の文例:前文
【フォーマル】
本日はご多用のなか、私どもの結婚披露宴にお集まりいただきありがとうございます。
本日このような場を持つことができましたのも、皆様よりお力添えいただいたおかげです。
心より御礼申し上げます。
また、温かい余興やスピーチで披露宴を盛り上げてくださった皆様にも、深く感謝申し上げます。
【カジュアル】
本日はお忙しいなか、私たちの結婚披露宴にお越しいただきありがとうございます。
皆さんから、たくさんのお祝いの言葉をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
また、余興で歌や躍りを疲労してくれた皆さん。心がこもった温かい余興に感激しました。本当にありがとうございます。"
新郎謝辞の文例:本題
【フォーマル】
今日の日を迎えるにあたり、ふたりで協力し、準備を進めてまいりました。ときには意見が合わない場面もありましたが、これからともに歩んでいくのだと実感できる、貴重な時間でもありました。
なにぶん若輩者ではございますが、皆様より頂戴したたくさんのお言葉を胸に、本日より、ふたりで力を合わせて、幸せな家庭を築いていきたいと存じます。
【カジュアル】
今日一日を皆さんと過ごし、私たちがどれほど皆さんに支えられてきたかを、改めて感じることができました。
◯◯さんからの悪友ならではの励ましや、◯◯くんや◯◯さんからいただいた経験者ならではの貴重なアドバイスを心に刻み、あたたかさい家庭をともに築いていきたいと思います。"
新郎謝辞の文例:結び
【フォーマル】
今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。
結びになりましたが、皆様のご多幸とご繁栄をお祈りいたしまして、私たちからのお礼の挨拶と代えさせていただきます。
本日は誠にありがとうございました。
【カジュアル】
未熟なふたりですので、これからも皆様にお助けいただく場面があるかと思います。
そのときには、どうぞ、アドバイスやお力添えをいただけるよう、お願いいたします。
本日は本当にありがとうございました。
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よりユニークで感動的な新郎謝辞を書く3つのポイント
例文を参考にするだけではなく、自分らしい言葉で感謝を伝えたいという方も多いでしょう。
ユニークで感動的な謝辞にするためのポイントは、この3つ。
- 伝えたいことを絞る
- 具体的なエピソードを盛り込む
- 当日の感情を伝える
1.謝辞で伝えたいことを絞る
数分という短い時間で感動を与えるためには、スピーチの内容が散漫にならないことが大切です。
エピソードを盛り込むのも大事ですが、あれこれ詰め込むのはNG!
- お互いの両親への感謝
- 馴れ初め
- 当日の気持ち
などから1~2つ、簡潔に盛り込みましょう。
「また~」
「ところで~ですが……」
など、延々と続くスピーチはゲストから「長すぎ…」と思われかねないので要注意!
また、身内だけにウケるエピソード(身内ネタ)や、自分たちのことだけを話し続けるスピーチも、ゲストにとって気持ちがいいものではありません。
ゲストへの感謝や伝えたいことを絞って、狭く、深く掘り下げた方が、より感情が伝わる内容になります。
2.具体的なエピソードを盛り込む
型にはまった文章に終止せず、具体的なエピソードを盛り込むと、新郎新婦の人柄が伝わるユニークな謝辞になります。
【謝辞のエピソード例】
- 新婦との紆余曲折や面白い話
- 両親との思い出、感動的なエピソード
- 婚姻届提出の報告 など
ことさら爆笑を取りにいく必要はありませんが、ほっこりとするようなエピソードが加わることで、堅苦しいだけのスピーチよりもぐっと好印象になりますよ。
3.カンペだけに頼らず当日の気持ちをプラスする
あらかじめ考えておいた内容に、披露宴当日のエピソードや感情もプラスしてみましょう。
【謝辞の当日の思い出エピソード例】
- 余興やスピーチへの感想
- 式や披露宴で交わした会話で感動したもの
- 当日改めて感じた愛情や友情 など
ゲストに、リアルな感謝を伝えることができる、あたたかみある謝辞になりますよ。
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まとめ:長さと構成を意識して気持ちが伝わる新郎謝辞に
- 謝辞は披露宴の主催者からゲストへの感謝の挨拶
- 「前文」「本題」「結び」の3段構成が基本
- 長さは1~3分間、400~1000字程度が目安
- 具体的なエピソードや当日の気持ちを盛り込むとユニークな謝辞に
新郎謝辞では、ゲストにしっかりと感謝を受け取ってもらいたいもの。
長さや構成に気を配って素敵な謝辞に仕上げてくださいね。