結婚式での親の役割まとめ。マナーや立ち振る舞いのすべて
結婚式では新郎新婦だけでなく、両親もやることがたくさんあるのです。
緊張する結婚式の日に、親から受けるサポートはとてもありがたいものですが、それも事前の準備があってこそ。
両親にまかせっきりにしないで、きちんと打ち合わせをしておきたいですね。
結婚式の日に親がやるべきことや、求められる立ち振る舞いについて紹介します。
結婚式前日~当日、両親がやることリスト
結婚式前日から当日にかけて、親がやるべきことは以下の通り。
- 前日、親族に挨拶の電話を入れる
- 会場入り後、スタッフに挨拶(心付けを渡すことも)
- 仲人・媒酌人に挨拶
- 自分側の親族に挨拶
- 受付係に挨拶し、心付けを渡す
- 受付係に、お車代リストとゲストリストを渡す
- ご祝儀バッグを預かる親族と、受付係を引き合わせる
- 挙式リハーサルに参加
- 挙式に参列(母親はベールダウン、父親はエスコート役など)
- 親族紹介
- 親族写真撮影
- 主賓にお車代を渡す
- 主賓スピーチでは起立して礼
- サンクスバイトなどの演出に参加
- 歓談タイムにゲストへ挨拶回り
- 主賓に挨拶し、謝礼を渡す
- 花嫁の手紙・記念品贈呈
- 謝辞
- 新郎新婦と共に送賓
- 仲人・媒酌人へのお礼
次に、結婚式1日の両親の動きを紹介します。
【親の役割:挨拶】親族や受付へ挨拶・リハーサル
結婚式当日は、時間に余裕をもって会場入りしましょう。
会場入り:挙式開始1時間~3時間前
親の会場入りの目安の時間は、挙式開始の1~2時間前。
新婦側の母は、花嫁と同じ時間(2~3時間前)に会場入りして、準備を手伝うことが一般的です。
式場に到着したら、当日お世話になる会場スタッフに挨拶して、心付けを渡します(受け取らない場合は無理強いしない)。
次に新郎側(新婦側)両親と顔を合わせ、挨拶を交わしましょう。
親族への挨拶:挙式開始1時間前
自分たちの着付けが終わる頃になると、親族が控室に集まってくるので挨拶を。
この時点では、相手側の親族控室に挨拶に行かなくても大丈夫です。
媒酌人や仲人がいる場合は、挨拶に向かいます。
受付へ挨拶し、お車代や謝礼を預ける:挙式開始1時間前
受付をしてくれる人が来たら挨拶をして、めだたないよう心付けを渡します。
ゲストに渡すお車代や謝礼を、リストとともに受付係に渡します。
またご祝儀をまとめて預かってもらう親族がいれば、受付係と引き合わせておきましょう。
挙式リハーサル:挙式30分前
挙式中に果たすべき役割がある場合は、両親もリハーサルに参加します。
とくに新婦側の両親は参加して、父親は花嫁のエスコート役、母親はベールダウンの練習をすることが多い様子。
分からないことはこの時点でプランナーに確認しましょう。
【親の役割:挙式】ベールダウン、バージンロードのエスコート
どの挙式スタイルであっても、両親の出番があることが多いので、事前に内容の確認をしましょう。
- 教会式…父親:バージンロードを歩く/母親:ベールダウンをする
- 神前式…父親は玉串奉奠(ほうてん)/母親は筥迫の儀
- 人前式…宗教上の縛りはないものの、父親はバージンロードを歩く、母親はベールダウンをすることもある
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【親の役割:挙式後】親族紹介や記念撮影
この時間帯はやることがたくさん。
会場スタッフの指示にしたがって、スマートにやるべきことをこなしましょう。
親族紹介
親が司会(進行役)となり、親族を相手側に紹介します。両家の父親が務めることが多いですよ。
新郎側から始めるのが一般的で、名前と新郎(新婦)との続柄を伝えます。
これより親族の紹介をさせていただきます。
わたしは新郎の父、田中一郎と申します。隣におりますのが新郎の母、田中花子でございます。
そして新郎の祖父、田中太郎です。……
親族の名前は間違えやすいので、メモを用意してもOK。
親族記念撮影
親族写真の撮影は、親族控室から場所を移すことが多いので、会場スタッフの誘導にしたがって、速やかに移動を。
なお親族紹介と記念撮影は、挙式前に行う結婚式場もあります。
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主賓にお車代を渡す
主賓が披露宴のテーブルについたタイミングを見計らって、お車代を渡します。
渡す人を間違えないよう、席次表を親に渡しておきましょう。
【親の役割:披露宴】スピーチを聞く・挨拶回り
披露宴では、挨拶回りという大きな役割がまっています。
主賓の挨拶は立って聞く
主賓の挨拶の時には、両親も席を立って話を聞くのがマナー。
立つ必要がある時は、たいてい会場スタッフが椅子を引いてくれますので、タイミングはお任せして大丈夫。
主賓から「おかけください」と言われたら着席しても構いませんが、スピーチが終わる時には再度起立して礼をします。
歓談タイムには挨拶回りを
乾杯が終わって歓談タイムに入ったら、以下の順番でゲストへの挨拶回りをします。
- 親族以外の自分側のゲスト
- 親族以外の相手側のゲスト
- 自分側の親族
- 相手側の親族
主賓など、上席から挨拶してもらいましょう。
上司など優先して挨拶すべき人を伝えておくとスムーズ。
スピーチや余興中
スピーチや余興が始まったら、挨拶まわりはいったん中断して、自席に戻ります。
自席に戻っても、余興やスピーチをしてくれているゲストの方に体を向けて聞くのがマナー。
お色直しの中座
お色直しで新郎新婦が退場するときに、エスコート役を務めることもあります。
当日にサプライズ指名されることもあるので、式場スタッフの誘導で、新郎新婦の待つ高砂席へ向かいましょう。
新郎新婦の中座中は、さきほど回り切れなかったゲストテーブルへ、挨拶回りを再開します。
記念品贈呈&花嫁の手紙
披露宴の終盤には、新郎新婦から花束贈呈や、手紙の朗読といった演出があるのが一般的。
会場スタッフが決まった位置まで誘導してくれます。
泣いてしまった時のために、ハンカチの用意を忘れずに。
両家代表挨拶(謝辞)
新郎が謝辞を読むことも多くなっていますが、新郎父が述べるのが一般的。
メモ(カンペ)を用意しても大丈夫です。
両家代表の挨拶が終わったら、新郎新婦と両家の親全員で礼をします。
送賓(ゲストのお見送り)
両家の両親は、ゲストより早く退場し、新郎新婦とともにゲストを見送ります。
相手の目をみて、感謝の気持ちをしっかり伝えましょう。
【親の役割:披露宴後】ゲストのお見送り・媒酌人へのお礼
披露宴が無事に終わって一安心。お世話になった人たちへ挨拶するのが最後の仕事です。
仲人や媒酌人への挨拶:披露宴終了15~30分後
両家の親がそろって、仲人や媒酌人に挨拶をします。
親族控室やラウンジなど、落ち着いた場所で感謝の気持ちを伝え、「御礼」を渡しましょう。
後片付け:披露宴終了1時間後
二次会へいく花嫁さんの支度を手伝ったら、自分の身支度を整えます。
忘れ物のチェックをして、会場を後にします。
このとき会場スタッフにお礼を言うのを忘れずに。
結婚式当日は挨拶回りで大忙し!?親が言うべき言葉例文集
結婚式当日、親はたくさんの人に挨拶します。
パターンごとに挨拶の言葉をまとめました。
● 会場スタッフへの挨拶
○○(新郎または新婦の名前)でございます。
今日はお世話になります。
こちらお気持ちです、本日はどうぞよろしくお願いいたします。(心付けを渡す)
● 主賓への挨拶
○○(新郎または新婦の名前)の父(母)でございます。
本日はご列席賜り、ありがとうございます。
わずかではございますが、新郎新婦二人からのお気持ちです。
今後とも二人のことを、どうぞよろしくお願いいたします。
● 受付への挨拶
今日は面倒なことを引き受けてくださってありがとうございます。
どうぞよろしくお願いいたします。
こちら少ないですが、二人からの気持ちです。
● 披露宴中の挨拶回り(主賓)
先ほどはご祝辞賜りまして、誠にありがとうございました。
素晴らしいお言葉、感激いたしました。今後ともご指導よろしくお願いします。
● 披露宴中の挨拶回り(上司ゲスト)
○○(新郎または新婦の名前)の父(母)です。
いつも○○がお世話になっております。
本日はお忙しい所をお越しいただきありがとうございます。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。
● 披露宴中の挨拶回り(スピーチを引き受けてくれたゲスト)
先ほどは素敵なスピーチをありがとうございました。
いいお友達に恵まれて、○○は幸せものです。
今後ともどうぞよろしくお願いしますね。
● 披露宴中の挨拶回り(余興を引き受けてくれたゲスト)
先ほどは楽しいダンスをありがとうございました。
ずいぶん練習されたのではないでしょうか?ありがとうございました。
これからも、○○と仲良くしてやってください。
● 披露宴中の挨拶回り(友人ゲスト)
□□ちゃん、遠い所今日は来てくれてありがとう。
すっかり大人になって…。
お母さんにもよろしくお伝えください。
● 披露宴終了後、仲人・媒酌人への挨拶
本日はご尽力いただき、誠にありがとうございました。
○○様のおかげでよい結婚式となりました。
わずかではございますが、両家からの気持ちでございます。
これからも末永くよろしくお願いいたします。
● 披露宴終了後、会場スタッフへの挨拶
今日はありがとうございました。
おかげ様でいい結婚式となりました。
結婚式前に、両親と打ち合わせておきたいこと
親は結婚式経験者だから、何も言わなくても全てわかってるはず、と思うのは大きな間違い。
結婚式当日に親を困らせないよう、以下のことは打ち合わせておきましょう。
1.結婚式1日の流れ
両親とは、1日の流れを共有しておきましょう。
親は親族からいろいろ聞かれる立場なので、進行表を作って渡しておくと便利。
2.ご祝儀の管理方法。ご祝儀バッグを保管する人は誰?
いただいたご祝儀をどう管理して、いつ新郎新婦に渡すのか、段取りはきっちり決めておきましょう。
管理方法は、以下のパターンから選ぶことが多いようです。
ご祝儀袋はかさばるし、大金を入れることになるので、マチ・フタ付きのご祝儀バッグを用意しておくと◎。
- 披露宴終了まで預かってくれる親族を決める(受付に引き合わせておく)
- 式場に預ける
- 式場のロッカーに保管する
披露宴中、両親は挨拶回りで離籍することも多いので、新郎新婦の兄弟姉妹にご祝儀の管理を頼むことが多いようです。
3.親族紹介の段取りについて
親族紹介のやり方は、事前に両家の親と相談を。
司会や紹介する順番を、親と共有しておきましょう。
4.お車代・謝礼の渡し方
ゲストへのお車代や謝礼を、誰からどう渡すかを確認しましょう。
受付から渡してもらう場合、お車代リストとともに、お車代を預けておきます。
- 主賓や親族のお車代…親から
- 遠方から来てくれた友人…受付から
- 媒酌人への謝礼…両家の親から
- 余興をしてくれた人への謝礼…新郎新婦から
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5.主賓・受付・余興・スピーチをする人を教えておく
結婚式でお願いごとをする人には、両親から挨拶をしてもらうことは必須。
ゲストの簡単な紹介を書いた席次表を渡しておくのがオススメです。
6.親に参加してもらう演出の説明
- 挙式のベールダウン
- バージンロードのエスコート
- 花嫁の手紙、記念品贈呈
など、結婚式で親に参加してもらう演出は多いもの。
親世代にとっては知らなくても当然のものばかりなので、演出の意味や段取りをあらかじめ伝えておいて。
バージンロードを歩く練習は、新婦と父親で一緒にしておくことをオススメします。
披露宴中の親の挨拶回り、しないのは非常識?
披露宴で両親が挨拶周りをするのは当たり前のように思われていますが、実はやらなくてもOKです。
両親にこそ晴れ姿をしっかりと見てほしい、挨拶回りで式を楽しめないのは残念、と思うのは当然のこと。
新郎新婦本人と両家の考え方、地域の慣習によって、やる・やらないを決めましょう。
ただ、新郎側と新婦側のどちらか一方だけが挨拶回りをするのは避けたいところ。
事前に両家の考えを聞いて、統一しておくことが大事です。
挨拶回りをするのは、両親じゃなくてもOK
親の離婚や死別など片親の場合、父(もしくは母)だけがあいさつ回りをするのはもちろんOK。
新郎(新婦)の兄弟や親族が一緒に回ることもあります。
結婚式で親が心がけるべきマナーと立ち振る舞い
結婚式では、新郎新婦のサポート役をして注目される両親。
控えめながら堂々とした振る舞いが求められます。
特に親に気を付けてほしいことをまとめました。
結婚式にふさわしい服装(衣装)を選ぶ
ホテルや専門式場では正礼装、レストランなどのカジュアルな会場なら準礼装を選ぶのが一般的。
洋装にしろ和装にしろ、両家で服装の「格」をそろえることが大事。
事前にお互いの両家ですり合わせをしておきましょう。
- 正礼装(父):モーニングコート、紋付袴
- 正礼装(母):黒ロングドレス、黒留袖
- 準礼装(父):フォーマルスーツ、タキシード
- 準礼装(母):カラーロングドレス、アンサンブルスーツ
挨拶回りはとにかく笑顔で
挨拶回りの時は、とにかく笑顔で接してもらいましょう。
そうすれば、ゲストも気持ちよく過ごすことができます。
挨拶回り中にゲストにお酌をすることが多いのですが、中には飲めない人も。
無理強いするのは、もちろんNG。
新郎新婦から飲めないゲストの情報は伝えて、親からはソフトドリンクをすすめてもらうようにしましょう。
ゲストからお酌されたときは断らずに、一口くちを付ける程度にして。
終了まで酔っぱらわないように注意を。
ゲストに結婚や赤ちゃんの話題をふらない
ゲストと話す時は、相手が不快にならにないような配慮を。
独身ゲストに「○○さん、結婚はいつ?」と話題を振ったり、既婚者に「赤ちゃんはまだなの?」と聞くのは、マナー違反。
サプライズ演出への対応の仕方
披露宴では、親が参加する演出がたくさんあります。
中には当日突然、スピーチや新郎新婦へのメッセージで指名されることも。
そんな場合でも、笑顔を忘れずにスマートな対応を心がけて。
演出の目的は、親への感謝の気持ちを伝えることなので、恥ずかしいからと、かたくなに断ってしまえば、場の雰囲気を壊しかねません。
結婚式準備中、親との関係で心配なこと
結婚式では頼りになってほしい両親ですが、困ったことがある場合も。
パターン別の対処法を紹介します。
1.親が干渉してくる
結婚式に関して、ドレスの色や引出物、お金のことをあーだこーだと干渉されるのはイヤですよね?
親からすれば、状況が分からないと不安や寂しさであれこれ言いたくなるもの。
干渉を避けるには、「報告・連絡・相談」が一番。
顔合わせ食事会の時などに、親の希望や新郎新婦の考えを共有するのはもちろんですが、その後もマメに報告を入れるようにしましょう。
2.親がでしゃばる
披露宴で「自分の踊りを披露したい」など、あれをやりたい、これをやりたいと言ってくる親も困りもの。
悪気はないのでしょうが、親には主催者側として新郎新婦をサポートする役割があることを理解してもらいましょう。
3.親が何もしない
挨拶回りや親族紹介などを「したくない」という親。
何をしたらいいかわからない場合もあるので、新郎新婦から頼みたいこと明確にしたうえで改めてお願いしてみましょう。
どうしても嫌という場合は以下の代替案を参考にして。
- 親族紹介の司会をやりたくない
→新郎や会場スタッフがやる - 披露宴の挨拶回りをやりたくない
→両家の了解をとったうえで、やらないのもあり。
当日「会場の都合により挨拶回りは控えさせていただきます」というアナウンスを入れる場合も - 謝辞をいいたくない
→新郎がやる
結婚式当日、がんばってくれた両親へのお礼は翌日までに
結婚式でサポートしてくれた両親。
なれないことできっと気疲れしていることでしょう。
親に対しては、まずは翌日まで電話で感謝の気もちを伝えましょう。
その後、新婚旅行が終わったタイミングで、二人で挨拶に行くのがベスト。
お土産や結婚式の写真を持参すると喜ばれます。
まとめ
- 結婚式では親の役割をあらかじめ説明しておくことが大事
- ご祝儀の管理方法はきっちりときめておく
- お車代・謝礼の渡し方を決めておく
- 受付、スピーチ・余興をしてくれる人を教えておく
結婚式では新郎新婦だけでなく両親もやることがたくさんありますね。
当日、両親があわてないように事前の打ち合わせをしっかりすませてから、晴れの日を迎えてくださいね。