結婚式の「引き出物」の数と組み合わせ。ゲストごとの贈り分けマナー
引き出物とは、結婚式・披露宴にお招きしたゲストにお渡しするもの。どうせなら喜ばれるものにしたいよね。
でも、友人、上司、親族など、お招きするゲストはさまざま。
「ご祝儀の額も違うし、同じもので良いのかな…?」「引き出物の数は何個くらいが普通?」
そんな悩みが尽きないカップルに、引き出物マナーのきほんをご紹介しましょう。
この記事のポイント!
- 引き出物を何にしたいのか悩んでいる方向け
- ゲストによって引き出物を変えた方がよいかどうかが分かる
- 引き出物のマナーやタブーについて知ることができる
結婚式の引き出物の数は「奇数」がきほん
結婚式の引き出物は、結婚する二人の仲がわれないように割り切れる偶数ではなく、3・5・7品という奇数にするのが縁起が良いとされています。
なかでも、品物を選びやすい3点が主流ですね。
一方で、対を表すとされ、引き出物と引き菓子のセットなど、2品にすることも珍しいことではないよう。
引き出物の数が少ない場合は、「ケチった?」と思われないように、ひとつの値段と見た目の高級感を意識すると良さそう。
地域によって異なる!引き出物の数
偶数だからといって縁起が悪い、非常識、という決まりはないですが、気を付けたいのは、地域によって引き出物の数の常識が若干異なること。
例えば、ご祝儀制ではなく会費制が主流の北海道では少なめで1~2品、豪華な披露宴を上げる人が多い東海地方や北陸ではちょっと多めに3~5品程度で、予算も高めなど。
もちろん、これらの地域でも人それぞれですが、地域性が心配な方はご両親に相談をしてから決めてくださいね。
プチギフトは引き出物に含まれる?
披露宴が終わり、ゲストをお見送りする際に贈るプチギフト。
「幸福・子孫繁栄・豊潤」を意味するドラジェ、「幸せのお茶(幸茶)」としての紅茶、「幸せの橋わたし(箸わたし)」から夫婦箸など、縁起の良いアイテムが人気ですが、プチギフトは引き出物としては数えません。
プチギフトを入れると偶数になるから縁起が悪いのかも…という心配はしなくて大丈夫。
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ミニコラム「引き出物」の由来は平安時代に遡る
現代では結婚式に列席してくださったゲストに、新郎新婦や両家から感謝を込めて手土産としてお渡しするものを「引き出物」といいますね。
本来は、宴席のお土産全般を引き出物と呼んでいて、その由来は古く、平安時代まで遡ります。
平安時代、馬に乗せてお客さまにお土産を贈る習慣がありました。
その際に馬を厩(うまや)から引き出すことから、引き出物と呼ばれるようになったと伝えられているんですよ。
引き出物の定番組み合わせ、3点セット
ひとまとめに引き出物と言っていますが、本引ともいわれる引き出物、引菓子、縁起物の3点セットが一般的です。
1.引き出物:メインとなるお土産
結婚式のお土産のメインとなるのが引き出物で、新郎新婦二人の結婚の記念品としての意味を持ちます。
定番アイテムはこのとおり。
- 食器類(コーヒーカップ、小鉢など)
- 高級タオル・リネン
- カタログギフト
ただし、食器などの雑貨類は個人の好みがあり、持って帰るのに重たいので、正直もらっても困るという意見も。
また、二人の名前入りの品も使いにくいので最近ではあまり見かけなくなりました。
自分たちが何を贈りたいのか、という気持ちもいいですが、「もらったら嬉しいかな?」という気持ちで、十分に吟味することが大切です。
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2.引き菓子:しあわせのおすそ分け、家族へのお土産
披露宴に招待したゲストの家族へのお土産という意味と、新郎新婦ふたりの幸せをわける、という意味が込められているのが引菓子です。
洋菓子、和菓子、お好みで選んでOK。定番の品物はこの通り。
- バウムクーヘン
- 紅白まんじゅう
- 金平糖
洋菓子で人気が高いのが、ドイツ生まれのお菓子バウムクーヘンです。
切り口が年輪のように見えることから長寿や繁栄を意味するとされ、結婚式の定番の引菓子になっています。
金平糖はじっくり時間をかけて作ることから新しい家庭を築くお二人を連想し、おめでたいといわれています。
3.縁起物:門出を祝う贈り物
お節句や長寿の祝いなど、日本には古来より人生の節目節目に縁起物を贈る習慣があり、結婚式の縁起物もその1つ。
- 鰹節:雄節・雌節があることから夫婦円満の象徴に
- 昆布:古くは広布(ひろめ)と呼ばれていたことから喜びを広め、縁起が良いとされてきた
- 紅茶:「幸茶」と表記することで、幸せのお裾分けするという意味が込めらる
また、新郎新婦の出身地にゆかりのあるものを贈るカップルもいますし、地域によっては「絶対コレ!」と習慣になっているものもあるなど、地元色が一番出るものです。
念のため、ご両親にも品物を確認してもらうと良いでしょう。
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引き出物の熨斗は「紅白結び切り」表書きは「寿」
結婚式に贈る引き出物は、熨斗の選び方、書き方にも決まりがあります。
熨斗は紅白結び切り(10本)の水引を使い、表書きは「寿」とします。
メインとなる引出物は、両家からの贈り物という意味で両家の名字を入れ、引菓子は新郎新婦からの贈り物なので、新郎新婦2人の名前を入れます。
なお、縁起物に熨斗をかける必要はありません。
引き菓子がすでにラッピングされている場合もおおいですが、その場合も無理にのしを付けなくてもマナー違反にはなりません。
引き出物はゲストごとに「贈り分ける」のが主流に
親戚、会社の上司、先輩、友人など結婚式に招待するゲストは年齢も家族構成も違いますし、お祝いの額も異なります。
「みんな同じ引き出物でいいのかな…?」と悩んでいるカップルも多いのではないでしょうか?
「ゲストに喜ばれる引き出物を贈りたい。」「会社の上司は甘いものよりもお酒がいいかな…」など、ゲストに合わせて引き出物を贈り分けるカップルも多いんです。
引き出物の贈り分けは、内容のランクアップ(金額)のほか、品数を3点の人と5点の人に分ける、などの方法があります。
贈り分けは、グループごとに
理想は招待客全員の好みにあった引き出物を贈ることですが、なかなかそれも大変。
一定の法則でゲストのグループ分けして、グループごとに引き出物を選ぶのがオススメです。
引き出物の贈り分けグループの一例です。
- 上司や叔父・叔母など、年齢の高いゲスト
- 友人や同僚など、新郎新婦と年齢の近いゲスト
- 親族や兄弟など
そのほかにも、既婚or未婚、夫婦or子供がいる家庭、お酒好き…など、ゲストの暮らしの環境や嗜好に合わせて品目をえらぶのも、ステキなおもてなしになりますよ。
引き出物の贈り分けマナー
引き出物をゲストにあわせて贈り分けることによって、ご祝儀を多く包んでくださったゲストには手厚い贈り物ができる、などのメリットはありますが種類が増えるだけに気を付けたいこともあります。
1. なるべく同じ大きさのものを選ぶ
引き出物の内容はもちろん大切ですが、金額が同じでも選ぶものが違えば大きさが違ってきます。
その場であけるものではないですが、見た目で不満がもたれないような配慮をすることが大切です。
2. 同じ引き出物袋に入れる
引き出物によっては、結婚式場で用意するのではなく外部のお店に発注して持ち込みをする場合もありますね。
もし、ゲストによって引き出物袋が違ったら「なぜ?」と思う方もいるかもしれません。
同じ袋に入れてお配りする心遣いが大切です。
なお、式場によっては引き出物の持ち込み料がかかりますので、確認をしておきましょう。
引き出物の持ち込み料は1人当たり300~400円、引き菓子の持ち込み料も別で300円程度かかることが多いようです。
3. 同じ品物のゲストは1つのテーブルにする
披露宴会場では、ゲストが着席する前に椅子の上に引き出物がセットされていることが多く、隣の席の方の引き出物が見えてしまう可能性もあります。
知人や友人など近しい人が同じテーブルになることも多いので、引出物の内容はテーブルごとに揃えておくことをオススメします。
結婚式の引出物・引菓子 金額相場は1人いくら?
一般的に引き出物の相場は、披露宴のお料理の値段の3分の1~半額が目安だとされています。
1人分の料理の金額が15,000円だとすると、5,000円~7,500円を引き出物の予算と考えましょう。
このうち、引き菓子は1,300~1,500円くらいのものを選ぶのが一般的。
この金額を参考に、招待客に合わせた引き出物の贈り分けも検討してみてくださいね。
ちなみに、プチギフトは1人300円ほどが相場です。
まとめ
- 結婚式の引き出物は「引き出物」「引菓子」「縁起物」の3点が基本
- プチギフトは引き出物に含まないのが一般的
- 引き出物の「贈り分け」が一般的に
- 贈り分ける場合は、3~4グループくらいに分けるのがオススメ
- 引き出物の金額相場は、一人当たりの披露宴料理の3分の1~半額(5,000円程度)が目安
ゲストのことを考えた引出物選びはなかなか大変。新郎新婦のセンスももろにでてしまうので、失敗できないですよね。
でも、きちんと考えられた引き出物はゲストの印象に残り、良い式だったとおもってもらえるはず。
ゲストの喜ぶ顔を思い浮かべながら、引き出物選びも楽しめたら良いですね。