結婚内祝いで避けるべきタブーとは?結婚祝いのお返しで失敗しないための基礎知識
結婚祝いをもらったら、お返しとして内祝いを贈るのが日本のしきたりです。
でも結婚式や贈り物にはなにかとタブーがあるので、マナー違反をして相手に失礼な思いをさせないか、相当気を使います。
結婚内祝いを贈るときにやるべきでない、タブーについて解説します。
結婚内祝いで気を付けたい4つのタブー
結婚内祝いを贈るとき注意したいポイントは、大きく4つあります。
それぞれの項目については、のちほど詳しく解説します。
- 品物選び
- 予算
- 熨斗(のし)の付け方
- お返しの渡し方
結婚内祝いとして渡したらダメな品物
一番気をつけるべきなのが、贈り物選びです。
品物によってはプレゼントとして贈ってはいけないもの、内祝いにはふさわしくないものがあるんです。
縁起のよくないもの
おめでたい結婚の場にケチが付くような、縁起の悪い品物は選ばないようにしましょう。
- 包丁など「切るもの」…2人の縁が切れないようにするため
- 食器などの「割れるもの」…2人の仲が割れないようにするため
- 靴下など「下につけるもの」…相手を踏みつける、下に見ることに通じる
- 偶数セットのもの…割り切れる点が、2人の仲が割れることに通じる
- ハンカチ…別れの場面で使うことが多く、お祝いの場にはふさわしくない
- 櫛…音が苦(く)死(し)に通じて縁起がよくない
ハサミ(切るもの)=新しい道を切り開く、といった前向きな捉え方もありますが、人によって意見は違います。
相手の趣味や考えを熟知していない限り、これらのアイテムは選ばないのが無難です。
ただし偶数セットでも、2個のものは「ペア」ということで、結婚内祝いに選んでもOKとするのが最近の傾向です。
もらっても扱いに困るもの
縁起とは関係なく、受け取っても上手に使いこなせなくて、困る品物もあります。以下のような、もらっても扱いに悩むアイテムは贈らないでください。
- 2人の名前や顔写真が入ったもの
- 賞味期限・消費期限内に食べきれない食べ物
- 好みじゃないインテリアアイテム
家電や調理器具はライフスタイルによって、喜ばれるかどうかが変わります。もしかしたら、もらっても置き場所がない、なんてことになるかも。
内祝いには失礼?それともOK?贈るか悩みがちな品物
自分はもらったら嬉しいけど、マナー的には贈らないほうがいいかもしれない。そんな品物も案外多いです。
地域や人によってマナー違反かどうかは捉え方が違うので、迷ったら選ばないでおくのがベターですよ。
緑茶(日本茶)
お葬式や法事など弔事の場で使うことが多いため、緑茶はおめでたい事柄への贈り物にふさわしくない、とする考えがあります。
反面、お茶にまつわる縁起の良い話があるのも確かです。たとえば「茶柱が立つ」のは縁起がいいことの代名詞ですし、お茶の木は地中深くまで根を張るため、古くから不老長寿の縁起物と言われてきました。
もしも緑茶を贈るなら、金粉入りのものや茶筒デザインが華やかなものなど、おめでたさを全面に感じられるアイテムを選びましょう。
ちなみに同じお茶でも、ほうじ茶は贈り物向きではありません。番茶という質が低めの茶葉を使うので、贈答用ではなく家庭用向きです。
洗剤
「洗濯して水に洗い流す」ということから、洗剤は病気の快気祝いでよく贈られる品物です。ですから結婚祝いのお返しとして贈るのは、ちょっと違和感があるかもしれません。
また縁起とは関係なく、成分や香りにこだわりがあるから、洗剤を贈られても正直困るという人も一定数います。
結婚内祝いで洗剤を贈るなら、無香料にしておくと相手もきっと使いやすいはずです。
現金・商品券
日本では、露骨に金額の分かる現金やギフトカードを贈るのは、下品ではしたないとされています。基本的には贈らないほうがいいでしょう。
そうは言っても、趣味が合わない物品をもらうより、自分で好きなものを買える商品券のほうが喜ばれやすいのも確かです。
もしも金額のはっきり分かるものを渡すなら、お菓子やタオルなどを添えて、総額が分からないようにするのがスマートですよ。
これが無難!内祝いで定番&人気のアイテム
結婚内祝いの品物に悩んだら、定番品を選べばがっかりされにくいです。
お返しとして人気なのは「日持ちするお菓子」「高級タオル」「カタログギフト」。
普段自分では買わない、ちょっと高級なものを選ぶと、定番品でも喜んでもらいやすいです。
こちらの3アイテム以外のもので選ぶなら「食べ物のような消え物」「タオルのようないくらあっても困らない消耗品」を贈ると失敗しにくいでしょう。
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結婚祝いのお返し、品数を2個以上にしてもいいのか
内祝いは1品が基本ですが、複数個だからといってタブーになるわけではありません。
たとえば高額なお祝いをもらった場合はお返しの予算も高額になるので、1品で返そうと思うと、ちょうどいいギフトが見つからないかもしれないですね。
ただし4個になると「割り切れる」うえに「死(し)」に通じるので、多くても3品目にまとめるのがいいでしょう。
高すぎも安すぎもダメ!結婚内祝いの正しい金額
結婚内祝いは、もらった金額の半分を返す「半返し」が基本です。
極端に高すぎたり安すぎたりすると、相手に嫌な思いをさせて、人間関係が壊れる危険性があります。
ただし上司や祖父母など目上の人、年上の人からもらったお祝いには、1/3を目安にお返しを選びましょう。
目上の人がくれる高額な結婚祝いには、祝福のほかに支援の意味も含まれています。半分返すと好意を台無しにしてしまうかもしれないので、相手を立てて、相場より控えめな金額にします。
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知らないと恥ずかしい?基本の熨斗(のし)マナー
フォーマルな贈り物である結婚祝いのお返しには。熨斗をつけるのが正式な贈り方です。
上半分に「寿」か「内祝」、下半分に苗字を書いたのしを付けましょう。
のしのかけ方は、箱→のし→包装紙の順番で包む「内のし」が一般的です。間違って外熨斗にしないよう、注文前によく確認してくださいね。
結婚式関連のお祝いで、蝶結びの水引は使えない
のしにまつわるマナーは色々ありますが、一番気をつけるべきポイントは、水引のデザインです。
水引の結び方にはいくつかありますが、結婚関連のお祝いで蝶結びのデザインは使えません。結び目のほどける蝶結びは、2人の結びつきがほどける=離婚することにつながるので、避けるのがしきたりです。
結び切り(真結び)と呼ばれる、先端が上を向いたⅤ字状のデザインを選びましょう。
ちなみに色は紅白、本数は10本のものを選んでください。
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結婚内祝いの贈り方・渡し方
マナーを守って品物を用意しても、渡し方で失敗すると全てが台無しになります。準備はもちろん、渡す方法にも注意してくださいね。
結婚内祝いは本当に必要?お返ししないのはダメなのか
結婚内祝いなしは、人間関係を壊しかねない行為です。
親戚や友達間のルールとして「お互いさまでお返しはナシ」としていない限り、大人としてきちんとお返しを渡しましょう。
ちなみに結婚内祝いを贈るのは、以下のような相手です。
- 結婚式に参列していないのに結婚祝いを贈ってくれた
- 相場より高額なご祝儀をくれた
- ご祝儀とは別にお祝いを贈ってくれた
「お返しはいらない」と言われたときの対応
上司などのなかには、「お返しはいらない」と言ってくれる人もいます。
ただしこれは社交辞令の可能性もあることに注意!
もしも本当に要らないと思っているようなら、お返しを渡すほうが気を遣わせるので、プレゼントは渡さなくてOK。代わりに食事へ誘ったり、新婚旅行のお土産を奮発したりして、感謝の気持ちを伝えましょう。
社交辞令か分からなくて不安なら、相場より低めの予算、もらった金額の1/4~1/3程度を目安にお返しを渡してみては?
お祝い不要という言葉を無下にしませんし、自分のお返しをしたい気持ちにも折り合いを付けられるでしょう。
結婚祝いのお返しは、いつまでに渡せばいい?
挙式後、1ヶ月以内にお返しを渡しましょう。
もしも挙式よりずっと前にお祝いをもらったなら、結婚祝いを受け取ってから1ヶ月以内にお返しを渡してください。もしくはお礼状を送って、贈り物をくれたお礼と挙式後正式にお返しすることを伝えましょう。
郵送してもマナー違反にならない?
結婚内祝いは手渡しが基本ですが、事情があるなら郵送しても失礼にはなりません。
- 相手が遠方に住んでいて、手渡しに行くと余計な気を遣わせる
- 仕事や子育てなどで相手が忙しく、都合がつかない
- 新型コロナウイルスの影響で、外出や手渡しが難しい
直接手渡しできない分、メッセージカードやお礼状などを添えるのが丁寧です。
メッセージ内で結婚内祝いを直接渡さなかった理由を説明できるので、「結婚内祝いを郵送するなんて失礼だ!」と相手を怒らせるリスクも減らせます。
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結婚内祝いのマナーを守れなかったときの対処方法
内祝いを贈るのは、結婚祝いをもらったタイミングが初めて、という人が大半です。うっかりマナー違反してしまうこともあるでしょう。
万が一結婚内祝いのしきたりを破ってしまったときの対象方法について、紹介します。
相場に合わない品物を贈ってしまった
特に焦るのが、安すぎるお祝いを贈ってしまったとき。
まだ新婚旅行のお土産を渡していないなら、お土産を奮発してください。
もしもお土産を渡した後に気付いたならば、別の機会にプレゼントを渡したりするのが無難です。
結婚内祝いの金額が安すぎることに気付いても、足りない金額分の品物を追加で贈ることはしないのが一般的です。理由は、追加でお返しを贈るとかえっておかしくて、相手に余計な気を遣わせるかもしれないから。
熨斗を間違えた(外のしにしてしまったなど)
目上の人に贈ったお返しののしを間違えてしまった場合は、そのまま放置するよりきちんとお詫びしたほうが、印象を悪くしません。
友達に贈った結婚内祝いでミスをしてしまった場合も、お詫びをした方が丁寧です。ただし熨斗マナーに詳しくない人や、のしをよく見ないまま開封する人もいるので、神経質になりすぎる必要はないでしょう。
ちなみに内祝いには「結婚内祝い」「出産内祝い」「新築内祝い」など色々な種類があり、それぞれ付けるべき熨斗のデザインが違います。
百貨店などで注文する場合は、間違いのないよう「結婚内祝いだから結び切りの熨斗をかけてください」と詳しくオーダーするのが安心です。
そもそも内祝いを渡さなかった
まずは両親や義両親に相談してみてください。アドバイスをもらうのはもちろん、親戚といった相手には、新郎新婦だけでなく両親からの謝罪も必要とする可能性があります。
基本的には、遅れたことを謝罪するお詫び状を添えて、内祝いを渡します。
豪華なお中元・お歳暮を渡す方法もありますが、結婚内祝いとは贈り物の目的が違うので、別々に渡したほうが余計な波風を立てないでしょう。
挙式が数年前のことなら、今更感が強くなってしまうので渡さない、という選択肢もあり。
まとめ
- 結婚内祝いに「縁起の悪い品物」「もらっても困る品物」は贈らない
- お返しの予算は、もらった金額の半分が目安(半返し)
- 結婚内祝いはフォーマルな贈り物だから、のしを付けないのはタブー
- 結婚祝いをもらったら、挙式後1ヶ月以内にお返しを渡す
結婚内祝いにまつわるタブーについて、まとめました。
結婚内祝いをはじめとした贈り物は、人間関係を円滑にするためのお付き合い。
「相手に嫌な思いをさせないこと」を第一に考えて、お返しを用意してくださいね。