国際結婚するときの手続き、何をどんな順番でやればいい?【書類・注意点・方法まとめ】
最近では国際結婚をするカップルもたくさんいます。
でも国際結婚には色々なハードルがありますよね…。
今回は国際結婚するための手続き方法と、それにまつわる疑問点について解説します。
国際結婚に必要な書類リスト
日本で手続きをする場合、基本的にはこちらの5点を用意します。
- 婚姻届(一般的なものでOK)
- 戸籍謄本
- 婚姻要件具備証明書と、その和訳文
- 国籍証明書と、その和訳文(パスポート原本でも可)
- 本人確認書類(運転免許証など)
自治体によって出生証明書も必須としています。
また結婚相手の出身国によっては、これ以外の書類を揃えないといけないことも。書類提出の前に在日大使館などへ問い合わせておくと安心です。
婚姻要件具備証明書とは
婚姻要件具備証明書は、外国人配偶者に準備してもらう書類です。
「その者の本国の法律が定める婚姻の成立要件を充足していること(出典:東京法務局)」、つまり日本人と結婚して問題ないと証明する意味があります。
基本的には、結婚相手の国の在日大使館や領事館に申請して、婚姻要件具備証明書を発行してもらいます。
なお韓国など一部の国では、婚姻要件具備証明書を発行していません。その場合は、代わりに宣誓書などをもらって日本での手続きをしましょう。
本籍地に婚姻届を出すなら、戸籍謄本は不要
これは日本人同士が結婚する場合も同じですが、本籍地へ婚姻届を提出するなら、戸籍謄本はいりません。
本籍地と婚姻届提出先が違う人のみ、戸籍謄本を用意しましょう。
まずは日本で婚姻届を出したい!手続きの流れ
国際結婚の手続きには様々なパターンがあります。ここでは「最初に日本の役所へ届け出る場合」の手続きの順番を紹介します。
1:日本の役所に必要書類を確認する
まずは日本の役所へ問い合わせて、必要書類を確認しましょう。戸籍の管理は戸籍課や市民課などで行っています。
自治体によっては公式ホームページに、国際結婚の手続きに関する案内があります。しかし結婚相手の出身国によって必要書類が変わりますし、婚姻届の書き方なども質問できるので、念のため問い合わせするのがベターです。
2:結婚相手の国の在日大使館や領事館へ問い合わせる
相手の出身国の在日大使館へも問い合わせて、「日本に提出する書類」「本国へ提出する書類」とそれぞれの入手方法を確認しておきましょう。
国際結婚の際に用意する書類は、国によってバラバラです。
書類の準備にかかる時間なども確認できるので、「入籍したい日に書類がそろわない」なんてトラブルを避けられます。
各国の駐日外国公館ホームページは、外務省のホームページから確認できます。
3:日本の役所に婚姻届を提出する
書類をそろえたら、日本の役所へ婚姻届を提出しましょう。
このあとの手続きに必要なので、婚姻届受理証明書をもらっておいてください。
もらっておく枚数は、その後の手続き内容によって違います。事前に「相手国の手続きに必要か」「在留資格申請に必要か」を確認しておきましょう。
なお婚姻届受理証明書は、発行に手数料350円ほどが必要です。
4:相手国の大使館や領事館へ結婚を報告する
日本での手続きが終わったら、配偶者の出身国の在日大使館、領事館でも婚姻の手続きをします。
在日大使館や領事館でも手続きをしないと、配偶者は相手国の法律上、独身のままになります。このあとの在留資格申請でトラブルになるので、面倒でも両国での手続きを済ませてくださいね。
ちなみにアメリカなど一部の国では、相手国の法律で結婚が成立しているなら本国への報告は不要、としています。
5:出入国在留管理局で在留資格をもらう
外国人が日本で暮らすためには在留資格が必要です。在留資格には様々な種類がありますが、一般的には「配偶者ビザ」「結婚ビザ」と呼ばれるものを取得します。
結婚ビザの取得は、新規申請か既に持っている在留資格を変更するのかによって、手続き内容や提出書類が違います。まずは出入国在留管理局のホームページを確認しましょう。
国際結婚の手続き、どれくらいの期間が必要?
全部の手続きが終わるまで、数ヶ月かかるのが一般的です。
まず必要書類を確かめる問い合わせへの返答に、数日かかります。場合によっては、結婚相手の本国から書類を取り寄せないといけません。
提出した婚姻届も、すぐに受理されるとは限らないんです。
配偶者の出身国によっては、提出された書類を受理していいか、自治体では判断できないこともあります。この場合、法務局に受理していいか確認(受理照会)するので2~3ヶ月待つことになるかも。
配偶者ビザの手続きにも時間がかかります。新規申請の場合、結果が通知されるまで2ヶ月ほど待ちます。
国際結婚の手続きについて、よくある質問
国際結婚の手続きは複雑なので、色々なポイントで悩みますよね。国際結婚の手続きにまつわる疑問点について、まとめました。
Q1.再婚の場合、どんな書類や手続きが必要?
前述した書類のほかに、前の結婚の解消日(離婚した日)を証明する書類の提出が必要です。
なお再婚する場合は、婚姻届提出のタイミングに注意しましょう。
日本では民法733条で、女性は離婚後100日経たないと再婚できない、と決められています。女性が100日以内に再婚する場合は、離婚時妊娠していなかったことを証明しないといけません。
Q2.日本人姓から外国人姓へ苗字変更はできるのか
はい、できます。結婚後6ヶ月以内なら、自治体の役所に届け出るだけで外国人姓を名乗れますよ。
結婚した日から6ヶ月以上経っている場合は、まず家庭裁判所から氏名を変更する許可をもらってください。
Q3.婚姻届提出時、結婚相手は外国に住んでいる。1人で手続きしてもOK?
日本の役所へ婚姻届を出すときは、1人で提出しても問題ありません。
その場合、国籍証明書を取り寄せる必要があるので、準備は早めに始めておきましょう。
なお相手国での手続きが1人でできるかどうかは、各国で対応が違います。
Q4.書類の翻訳をする人は、自分たちでも大丈夫?
はい、書類の日本語訳は誰がやっても問題ありません。翻訳者の住所・署名を書いて、書類を提出してください。
なお書類のフォーマットについては、日本の役所に問い合わせておくのが一番確実ですよ。
Q5.国際結婚したら、自分の国籍はどうなるの?
外国人と結婚したからといって、日本国籍を失うことはありません。
ただし結婚相手の国によっては、自動的に相手国の国籍を取得するので二重国籍者となってしまいます。
2021年6月現在の日本では二重国籍が認められていないので、結婚後2年以内にどちらかの国籍を選ばないといけません。
参考:国際結婚(ムラタ事務所)
国際結婚の手続きを進めるとき、注意すること
国際結婚の手続きをするときならではの注意点について、解説します。
証明書には有効期限がある
各証明書には有効期限があります。書類にもよりますが、基本的には3ヶ月ないし6ヶ月を期限としています。
国際結婚は何かと時間がかかるもの。事前の準備を入念にやっておかないと、証明書の有効期限が切れて二度手間になるかもしれません。
結婚相手によっては、大使館・領事館以外の機関との手続きが必要
結婚相手によっては、大使館や領事館以外の機関とのやり取りが必要になります。
例えばアメリカ軍人と結婚するなら、アメリカ大使館(領事館)ではなく米軍の法務部と手続きをします。
ほかにもイスラム教徒は異教徒との結婚が禁止されているので、基本的に改宗が必要。ムスリムになるためにはマスジド(モスク)で儀式を受けます。
2人の状況によって、手続きの順番や期間が全く違う
国際結婚の場合、2人の住んでいる場所や経歴などによって、手続き内容や順番がガラッと変わります。
- 外国人配偶者の出身国
- 現在2人が住んでいる場所(日本か海外か)
- 日本と相手国、どちらの手続きから始めるか
- 結婚後に住む場所(日本に住むか、海外移住するか)
- その他、結婚歴や子供の有無など
を踏まえる必要があるので、経験者や大使館職員、行政書士などに確認しておくと、あとあとの手続きをスムーズにできますよ。
面倒な結婚手続き&ビザ申請、行政書士に代行してもらうのもアリ
国際結婚の手続き、特にビザ申請を個人でやるのはとても大変です。人によってそろえる書類が違ったりするので、専門知識のない人が自力でやるのは、かなり手間がかかります。
自分たちだけで手続きするのが難しいと思ったら、専門家である行政書士に相談したり、代行してもらうことも検討しましょう。
代行費用はいくらかかるのか
代行を頼む内容にもよりますが、3万円~15万円ほどのお金がかかります。たとえばビザ申請代行の場合、10万円前後かかるのが一般的です。
依頼内容によってはもっと高額な予算が必要になるので、まずは行政書士事務所へ問い合わせるのがおすすめです。
まとめ
- 国際結婚は両国での手続きが必要
- 外国人配偶者に婚姻要件具備証明書を用意してもらう
- 日本での手続きから始めるなら、日本の役所→大使館→出入国在留管理局の順番で巡る
- 国際結婚の手続きには数ヶ月かかりがち
- 行政書士に代行してもらうのもアリ
国際結婚の手続きについて、まとめました。
結婚にまつわる手続きは、なにかと分かりにくくて面倒です。
スムーズに手続きが終わるよう、事前の準備を入念に行ってくださいね!