結婚式でサムシングフォーを上手に取り入れる方法(アイテム&演出)
「サムシングフォー」(Something four)をご存じですか?
ヨーロッパで古くから伝えられているジンクスで、四つの何か(something サムシング)を身につけた花嫁は幸せになれると言われているんですよ。
四つのサムシングとそれぞれが持つ意味、結婚式でどのように取り入れるかを具体的に紹介します。
サムシングフォーとは、花嫁の幸せを願う4つのアイテム(グッズ)
サムシングフォーとは、「結婚式で花嫁が身に付けると幸せになれる」と言われている、四つのアイテムのこと。
欧米では200年以上前から、花嫁の幸せを願うジンクスとして親しまれています。
サムシングフォーの由来や意味について詳しく説明します。
サムシングフォーの由来はマザーグース
サムシングフォーは、イギリスやアメリカで古くから親しまれている童謡「マザー・グース」の一つの詩に由来していると言われています。
“Something old,
something new,
something borrowed,
something blue, and a sixpence in her shoe.”
直訳すると「何か古いもの、何か新しいもの、何か借りたもの、何か青いもの、そして靴の中に6ペンス銀貨を」になります。
一説によると、マザーグースの広まりと、親ではなく自分自身で相手を決める恋愛結婚が増えた時期が重なるので、この詩が娘の幸せを願うおまじないになったと言われています。
サムシングフォーに込められた意味
サムシングフォーの四つのアイテムには、それぞれ意味があります。
- something old(何か古いもの)…伝統や先祖から受け継がれてきたものの象徴
- something new(何か新しいもの)…二人の未来を象徴
- something borrowed(何か借りたもの)…友人などの幸運にあやかるという意味
- something blue(何か青いもの)…幸せを呼ぶ「青」い色のアイテム
サムシングフォー 結婚式での取り入れ方アイディア
サムシングフォーを具体的に結婚式に取り入れる方法を紹介します。
サムシングオールド:古いもの
結婚式で何か古いものを取り入れたいなら、祖母や母から譲り受けたアクセサリーを身につけるのが一般的です。義母にお願いしても、とても喜ばれそうですね。
譲ってもらったアイテムはそのまま使ってもいいですし、リメイクしても素敵ですね。
ドレスに身に付けるのが難しいブローチなどは、バッグの中に忍ばせてもっていくだけでもOKです。
- 祖母や母から譲り受けたネックレスやイヤリング、婚約指輪を付ける
- 自分のベビーリングがあれば、ブーケの装飾などに使う
- 花瓶やフォトフレームなど、アンティークアイテムを会場装飾に使う
- 古本をウェルカムスペースに飾る
サムシングニュー:新しいもの
何か新しいものなので、ウェディングドレスからストッキングまで、花嫁が身に付けるものならなんでもOK。
花嫁が結婚式で身につけるものを新調しましょう。ウェディング小物なら比較的価格が安いので、取り入れやすいでしょう。
サムシングニューは、「嫁入り道具をそろえる」という、日本の慣習に通じるところがありますね。
- ウェディング小物はレンタルではなく購入する
- ストッキングやブライダルハンカチを新しく購入する
- 挙式当日に、初めて結婚指輪を身に付ける
- ウェディングドレスをファーストレンタル(※)する
※オーダーメイドで作ったドレスを着用後にショップに返却するもの。買い取るより費用を抑えることができる
サムシングボロー:借りたもの
サムシングボローを結婚式で取り入れるなら、「こんな夫婦になりたいな」と、お手本に思い描く姉妹や先輩花嫁から、何かしらのアイテムを借りるのが主流。
サムシングボローには、結婚後も新郎新婦が周囲の力を借りて、上手くやっていけますようにという願いも込められています。
- 両親の婚約指輪を借りる
- ウェディンググローブやアクセサリーなどを、既婚の友人から借りる
- 結婚式の行き帰りで、母のコートやストールを借りる
サムシングブルー:青いもの
お色直しにブルーのドレスを選ぶのもアリですが、カラードレスは他の色、と決めていることも多いでしょう。
ドレスにブルーを取り入れるなら、海外では青いガーターベルトを身に付けることが多いようですね。
あまり青色を目立たせたくないなら、下着やネイルなど、ささやかにサムシングブルーを楽しむのも素敵です。
- 結婚指輪の裏側に青い石を付ける
- 青色のジュエリーを身に着ける
- ウェディングブーケに青い花を使う
- ウェディングブーケに、青色のリボンを巻く
- ブライダルネイルをブルーにする
- ブライダルシューズを青色にする
- アイメイクにブルーのシャドウやアイライナーを使う
- ブライダルインナーに青いリボンがついたものを選ぶ
- ペーパーアイテムを青色に統一する
結婚式にぴったりなサムシングブルーといえば、ティファニー
すこし緑がかかった青色に白いリボンのティファニーのパッケージは、女の子の永遠の憧れ。
ブランドイメージを代表するこの青色は、ティファニーブルーと呼ばれています。
もともとティファニーブルーは、春の訪れを告げるコマドリの青い卵に由来しているので、ブランド側が「サムシングブルー」としての意味を込めたものではありません。
でも花嫁さんから人気の高いブランドであり、あまりにも有名なこの青色を「サムシングブルー」として、結婚式に取り入れる花嫁さんも多いんですよ。
- 引出物をティファニーで選ぶ(ティファニーの紙袋も使うことができる)
- ブライダルネイルをティファニーカラーにする。左手の薬指は白いリボンのデザインに
- ティファニーカラーのウェディングブーケにする
- ウェディングケーキをティファニーのボックスに見立てる
ティファニーブルーに込められた意味
ティファニーブルーは、春の訪れを告げるコマドリの青い卵に由来しています。
ヨーロッパでは昔から、青は「高潔さと真実」の象徴とされてきました。ティファニーが創業された19世紀、イギリスでは土地や財産を記録する大事な台帳の表紙にコマドリの卵の色がよく選ばれていたそうです。
そのためティファニー創業者のチャールズ・ルイス・ティファニーが、ブランドのシンボルカラーに決めたのだとか。
また創業当時人気だった、ターコイズジェムストーンの色にちなんだとも言われています(ジェムストーンは宝石の原石のこと)。
当時は、結婚式の引出物に鳩の形をしたターコイズブルーのブローチを用意するほど、人気があったそうですよ。
感動!サプライズ!サムシングフォーにまつわる結婚式演出アイディア
四つのアイテムを身に付けるのではなく、演出にサムシングフォーを取り入れるアイディアを紹介します。
欧米では、ゲストが「あなたの結婚式のサムシングフォーは何?」と聞いてくれるほどポピュラーな結婚式のジンクスですが、日本ではあまり知られていないのも事実。
披露宴の始めに司会者などから説明をしてもらうといいですね。
オープニングムービーでサムシングフォーの説明や、アイテムを貸してくれたゲストの紹介をした花嫁さんもいます。
サムシングオールド
- ウェルカムスペースに小さい頃からの家族写真を飾る
- 花嫁の生まれた年のワインやシャンパンで乾杯する/果樹酒ラウンドに使う
サムシングニュー
- 婚姻届にサインする演出をする(結婚式当日に入籍することで、今日から新しい家族のはじまり、という意図)
- 新郎新婦が、新生活に向けたギフトを贈り合う
サムシングボロー
- 披露宴が始まるタイミングや花嫁の手紙を読む前に、既婚者の友人に登場してもらい、ハンカチなどを貸してもらう
- 中座する時、祖母・母親や友人などから手を借りる。サプライズで指名するのも◎
サムシングブルー
- バルーンリリースに青い風船を多く使う
- テーブルコーディネートや会場装飾でブルーをメイン・差し色に使う
- リングピローに青い刺繍を施す、青いリボンを付ける
- ウェルカムドリンクや乾杯のグラスにブルーリボンを結ぶ
- 花嫁の手紙を青い便箋に書く
人前式にサムシングフォーを取り入れる方法
自由度の高い人前式なら、サムシングフォーを挙式にも取り入れることができそうです。
- 花嫁が新しい靴を身につけて入場(サムシングニュー)
- バージンロードを少し歩いたところで、母親からネックレスを付けてもらう(サムシングオールド)
- もう少し歩いたところで、友人からイヤリングやハンカチを借りる(サムシングボロウ)
- 新郎の元に着いたところで、新郎から新婦へ青い花を使ったブーケを渡してプロポーズ(サムシングブルー)
- 新婦はOKのしるしに青い花をブートニアとして新郎に付ける
和装(神前式)のサムシングフォーアイデア
サムシングフォーは洋装だけでなく、和装ウェディングでも取り入れることができますよ。
◆サムシングオールド
・七五三の時に使った髪飾りを使う
・母親が結婚式で着た着物や小物をリメイク
◆サムシングニュー
・草履や足袋、「懐剣・末広・筥迫」の3点セットなど、和装小物を新調する
・髪型は洋髪にして、新しい髪飾りを身に着ける
◆サムシングブルー
・青色を使った色打掛を選ぶ
・白無垢の場合、掛下を青系にする
・髪飾りを青系にする
◆サムシングボロー
・ハンカチや髪飾りを借りて身に着ける
・パールなどのシンプルなアクセサリーを借りて身に着ける
和装の場合、身に付けるアクセサリーは、結婚指輪・婚約指輪の他、シンプルなものだけとするのが一般的なマナーとされています。
母親や親族などからアクセサリーを借りるなら、シンプルなパールなどのジュエリーがおすすめです。
新郎もいっしょにサムシングフォーを取り入れてOK!
結婚式は二人で挙げるもの。サムシングフォーのおまじないは、花嫁だけじゃなく花婿さんも取り入れてOKです。
新郎にもサムシングフォーを身に付けてもらって、二人で幸せになりましょう。
- サムシングオールド:父親や祖父から時計や万年筆を譲り受け、当日身に着ける
- サムシングニュー:ポケットチーフや靴を新しく買う
- サムシングボロー:尊敬する先輩夫婦や親戚夫婦からタイピンやカフスを借りる
- サムシングブルー:靴下、ブートニア、ベスト、ポケットチーフ、タイなど
結婚式のサムシングフォーにまつわる素朴な疑問
日本ではなじみが薄いので、分からないこともあるサムシングフォー。ちょっとした疑問をまとめました。
4つのアイテムがそろわないとダメ?
サムシングフォーはあくまでジンクスなので、「四つのサムシングがないと幸せになれない…」なんてことはありません。
とはいうものの、せっかくサムシングフォーを取り入れるなら、四つのアイテムをそろえたいもの。
譲り受けたり(サムシングオールド)、借りたりする(サムシングボロウ)アイテムは、そろえにくいかもしれませんね。
アクセサリーやウェディングアイテムが一般的ですが、身に着ける物にこだわる必要はありません。
当日バッグに忍ばせておくだけでもOKなので、改めて考えてみてくださいね。
1つのアイテムに2つの意味を込めてもいい?
もちろん「おまじない」なので、1つのアイテムに、2つの意味を込めるのは絶対にダメ!ということはありません。
ただサムシングフォーの基本的な考え方では、一つのアイテムに一つの意味になります。
例えば、祖母から古い指輪を譲りうけたとしても、「サムシングオールド」と「サムシングボロー」の二つの意味を持たせることはしません。
同じ意味のアイテムが複数あったらダメ?
例えば結婚式で「サムシングニュー」のアイテムを見に付けようと思った場合、ブーケ、ブライダルインナー、ストッキングなど、たくさんの新しいアイテムがあると思います。
また祖母からハンカチを借りて、母からピアスを借りた場合、「サムシングボロウ」のアイテムは2つになってしまいますね。
このように、1つの意味のアイテムを複数持っていたとしても、サムシングフォーが成り立たないわけではありません。
あくまでも「ジンクス」「おまじない」なので、自由にサムシングフォーを楽しんでかまいません。
花嫁が「身につける」ものでないとダメ?
サムシングフォーのアイテムは、アクセサリーやベールなど、花嫁が身に着けるウェディングアイテムに限定する必要はありません。
例えばサムシングブルーなら、会場装飾に青を使うのはもちろろん、引出物やプチギフトを青でラッピングする方法もアリです。
サムシングフォー以外の、結婚式にまつわるおまじない・ジンクス
サムシングフォー以外にも、幸せになれるジンクスやおなじないは他にもあります。
結婚式にぜひ取り入れてみてくださいね。
シックスペンスコイン
マザーグースの詩にも登場する6ペンスコインは、別名「幻の幸せコイン」とも呼ばれています。
「花嫁の左靴の中に6ペンス銀貨を入れて結婚式を挙げると、お金に困らず幸せ結婚生活を送ることができる」いうジンクスがあるんですよ。
6ペンスを花嫁の靴に入れるほか、以下のようなアイディアも。
- ウェディングブーケにチャームとして結ぶ
- ウェルカムスペースに飾る
- アンクレットとして足に付ける
- 新郎の胸ポケットに入れておく
現在6ペンス銀貨は製造されていないため、レプリカや他のシルバーコインを代用してはいかがでしょうか?
ヤドリギの下でキス
イギリスでは、ヤドリギという寄生植物の木の下でキスをすると、幸せになれると言われています。
ヤドリギを編み込んだもの(キッシングボール)を飾り、その下でキスをすることもあるとか。
会場装花にヤドリギを使うほか、ペーパーアイテムのモチーフにするなど、工夫次第でいろいろな取り入れ方がありますよ。
結婚式に雨
結婚式当日の天気予報が雨だと気分が落ち込みますが、実は欧米では結婚式に雨が降るのはハッピーと考えられています。
結婚式に振る雨に関して、以下のようなジンクスがあります。
- 二人のこれまでの苦労や、この先に起こる苦難を洗い流してくれる
- 神様が一生分の涙を二人の代わりに流してくれている
ウッドスプーン
ヨーロッパでは、木製のスプーンをキッチンに飾っておくと、幸福な結婚生活をおくれると考えられているそう。
「幸せをすくう」という意味合いもこめて、スプーンとはとても縁起がいいアイテムとされています。
ファーストバイトをするなら、木製のスプーンを使ってみては?
リングピロー
結婚式で使ったリングピローを、二人の子どものファーストピロー(枕)として使うと、子供がすくすく育って幸せになれると言われています。
まとめ
- サムシングフォーとは、身に付けると花嫁は幸せになれるというおまじないのこと
- 身に着けることにこだわる必要はなく、カバンにしまっておくなどもOK
- 基本は、一つのアイテムに一つの意味
- 新郎がサムシングフォーを身につけてもOK
身に付けたら幸せになれるといわれるサムシングフォー。それぞれの意味を知ることで、ますます魅力的に感じますね。
周りも人にも協力してもらって、サムシングフォーを身につけ、幸せな花嫁さんになってくださいね。