【プランナー直伝】結婚式のムービー持ち込みで起こりがち!トラブル事例
ウェディングアイテムのハンドメイドや、映像演出の手作りは、もはや定番。
ご自身の結婚式にも、何か手作りを取り入れたいという方も多のではないでしょうか。
そこで今回は、結婚式に自作のムービーを持ち込みたい場合のトラブルや注意点をご紹介していきます。
プロフィールムービーなどの映像演出を検討されているかたにも参考にしてくださいね!
プロフィールムービーなどの、映像の持ち込みはOKなのか
ムービーをこれから制作予定の方は、会場へ「持ち込む」ことが可能なのかどうか、しっかり確認しましょう。
式場によっては、持ち込みを禁止していることもあります。
設備使用料や持ち込み料がかかる
またスクリーンやプロジェクターの使用料を請求されたり、DVDに対し持ち込み料がかかったりすることもあるので、注意が必要です。
スクリーンやプロジェクターの使用料は、1万円〜2万円程度、DVDの持ち込み料は3,000円程度が相場です。
プロジェクターなどの設備がない会場であれば、機材のレンタルの諸費用として10万円など、高額な請求となる可能性があります。
結婚式ムービーを手作りで持ち込むときの注意点
挙式や披露宴に自作などで用意したムービーを持ち込む場合、これからご紹介する6つの注意すべき条件をクリアしているか確認してみてください。
1)DVDに正しく書き出している
ムービー持ち込みの第一条件は、プレイヤーで再生できるものを制作することです。
多くの式場では、DVDディスクの状態にして持ち込むことが条件。USBの持ち込みやクラウドでデータ共有することはできないことがほどんどです。
ムービーソフトで制作したデータ(○○○.mp4 などの拡張子のファイル)を、そのままの状態(動画データとして)でDVDディスクに保存した状態では、プレイヤーが読み込まず映像を流すことができません。
制作した映像を、DVD-Video形式(※)に変換してディスクに書きだしてから、式場に持ち込む必要があります。(なお、DVD書き出し時の解像度は「720×480」が一般的。)
当日上映できるように責任を持って作ることが、ムービー持ち込みの必須条件だと念頭においてください。
※DVDプレイヤーで流せるデータのことで、基本的にはMPEG2(○○○.mpg)というファイル形式
2)会場のスクリーンにあった縦横の比率(アスペクト比)に設定している
せっかく作った映像ですから、ゲストにしっかり見ていただきたいですよね。
そのためには式場で使用しているスクリーンの比率(画面比率=アスペクト比)を確認しましょう。
多くの場合は、「4:3」もしくは「16:9」です。これがあっていないと、余白ができてしまったり、キレイに写せません。
式場側に画面の比率を確認し、それにあったアスペクト比で制作していくことがおすすめです。
なお業者にムービー制作を依頼する場合でも、アスペクト比は確認しておく方が安心です。
アスペクト比を指定できるようなら、式場にあった比率指定で依頼するようにしましょう。
3)1つのムービーにつき、1枚のDVD
入場前のオープニングムービー、中座中のプロフィールムービー、披露宴を締めくくるエンディングムービー(エンドロール)など、披露宴内で上映できるシーンはさまざまです。
シーンによって複数のムービーを制作したい場合、1つのディスクにつき、1つの映像に分けて持ち込みましょう。
同じディスクに複数が保存されている場合、メニュー画面を上映してしまう可能性もありますが、ディスクが別ならよりスムーズな上映が可能だからです。
4)著作権を侵害するものは使用しない
「有名人の映像」や「ディズニーなどのキャラクター画像」など、肖像権や著作権に違反する可能性があるものは、ムービー内で使用しないことも必須条件です。
また動画のBGMとして使用する楽曲も、営利目的でない場合でも著作権違法に該当します。
著作権フリーのBGMを使用されることがおすすめです。
5)友人も余興で映像演出を計画していないか確認する
新郎新婦が演出として用意したもの以外で、ご友人方の余興も映像演出を予定されていることも多いです。
1つのムービーが5分程度の短いものだとしても、映像演出の数が多くなれば、会場内は暗転し続けるので、披露宴がずっと暗い状態になってしまいます。
披露宴で映像演出が飽和しないように、ご友人が余興ムービーを制作されるかどうかを確認しましょう。
ご自身が確認できない場合はプランナーに依頼してみてもOK!
余興も映像演出と判明したら、新郎新婦側で用意する映像演出を減らすなどの調整を進めることをおすすめします。
6)プランナーに指定された日程までには仕上げる
会場やプランナーにより異なりますが、ムービーの持ち込み日を指定している場合があります。
必ず、持ち込み日に間に合うように制作しましょう。
持ち込み後は、会場内で上映できるかどうかのチェックを進めていきます。可能であれば立ち会い確認がベストですね。
万が一指定日に間に合わない場合でも、上映できないというトラブル回避のために、当日持ち込みだけは避けた方が安心です。
手作りムービーが上映できない!映像トラブル解決法
時間をかけて制作したムービーが写らないことも十分に考えられます。
その時はこれからご紹介する解決法を試してみてください。
1)DVDに動画データとして書き出していないか確認
注意点でもご紹介しましたが、DVDディスクに正しくムービーを書き出せていない場合、プレイヤーがDVDを認識せず、映像は流れません。
制作したムービーを、そのままDVDに保存(=データDVD形式)していないか確認をしましょう。
ムービー制作アプリで作った動画データは、DVDプレイヤーで見られる形式(=DVD-video形式)に変換して、DVDディスクに書き出しする必要があります。
2)友人やプロに、DVDの書き出しだけ依頼する
映像が制作できたのに、自分ではDVDに焼くことができない場合、この作業ができる友人やプロに依頼しましょう。
余興などでムービー演出を制作したことがある場合や、既婚者で映像を編集した経験がある方ならできる可能性もあります。
もちろん、カメラマンとして結婚式に携わっている業者のかたなら、編集も可能でしょう。特に動画撮影として携わっているビデオカメラマンなら安心です。
3)パソコンやUSBを持ち込んで上映する
どうしても制作した映像をDVDに保存できない場合の最終手段は、パソコン自体を持ち込むことです。
しかし、セキュリティーなどの観点からパソコンなどを持ち込むことを禁止している会場も多いため、事前に確認しましょう。
安易に「USBや実機で持ち込めばいいか」などと考えるのは厳禁です。
どうしても写らない場合の最終手段であり、パソコンの持ち込みはできない場合、上映できないかもしれないと考えてください。
元プランナーが実際に経験した、結婚式ムービーの持ち込みトラブル
筆者が現役時代に経験したムービー持ち込みに関するトラブルを3例ご紹介します。
1)制作が間に合わない!
筆者が勤務していた会場では、ムービー演出を手作りされる場合、挙式の2週間前までに提出することをお約束としていました。
そのため2週間前に新郎新婦様にお声かけしましたが、まだムービーができていない状況。その後、結婚式1週間前になっても、制作は間に合いませんでした。
しかしプロフィールムービーを上映したいというご希望だったため3日前になって急遽、提携しているムービー会社に依頼することに!
急仕上げだったため、通常は5万円でご案内しているものが8万円の請求となってしまいました。
結婚式には間に合いましたが、「気持ちが落ち着かない1週間だった、初めから依頼すべきだった」と、後から感想を伺いました。
2)ムービーが上映できない!その1
制作期日に間に合わせて制作いただいた状況でしたが、会場内で上映を試みても映像が流れませんでした。DVDの書き出し方法が間違っていたためです。
その後、DVDプレイヤーで上映できる形式でディスクに書き出すことを試みていただきましたが仕上げることができず…。
当日は制作されたパソコンを持参頂き、上映することに。
セキュリティ上、会場スタッフはお客様のパソコンに触ることができなかったため、上映の操作はご新郎の弟様に依頼されました。
3)ムービーが上映できない!その2
締め切りに間に合わず、前日持ち込みとなってしまったムービー。
さらにDVDの書き出し方が間違っていた(動画データを保存しただけの状態=データDVD形式)のでプレイヤーで流すことができませんでした。
仕方がないのでパソコンの持ち込みを依頼しましたが、デスクトップのパソコンを使用されていたため、持ち込みもできないという最悪の状況。会社のノートパソコンはありましたが、使用許可が下りず、どうにもできない状態でした。
結局、手作りムービーの上映は諦めました。
その代わり、当日の動画撮影に加え、急遽、撮って出しのエンドロールを追加して頂くことになりました。(追加したエンドロールの金額は15万円!)
感動たっぷりのエンディングをゲストに味わって頂けましたが、せっかく作ったムービーを上映できないだけでなく、余計な予算がかかってしまいました。
後から振り返れば、前日依頼にもかかわらず、撮影カメラマンや編集スタッフを確保できたことは奇跡かもしれません。
まとめ
- DVDを手作りして持ち込む場合、DVDプレイヤーで流せる形式に書き出す必要がある
- プランナー指定の日までに仕上げて、可能であれば立ち会いで上映を確認する
- 余興もムービーの場合、会場内がずっと真っ暗の状態。映像演出は多すぎるとNG!
- 映像演出のトラブルで多いのは、プレイヤーで流せないこと(書き出し方法が間違っている)
ムービー演出を自作する場合の注意点をまとめました。
ムービーの持ち込みに対し、現役時代にも一番多かったトラブルが「上映できない」ことです。
この多くが動画データとしてDVDに保存されている状態でした。
編集ソフトなどを上手く使い、DVDにムービーとして保存できるよう、トライしてみてくださいね。
できない場合でも諦めず、プランナーに相談することで解決の糸口が見つかることも多いですよ。