地味婚とは、ミニマルな結婚式スタイル。プランや注意点を解説
結婚式のリサーチを進めていくと、「地味婚」という言葉を耳にする機会もあるかと思います。
また結婚式そのものを挙げない「ナシ婚」を検討している方も少なくありません。
今回は地味婚の結婚準備について、衣装や招待状など詳しくまとめていきます。
またゲストの満足度も大切にして欲しいという視点から、地味婚ならではの注意点も紹介していくので、ぜひ参考にしてください。
地味婚とはどんな結婚式スタイルなの?
地味婚(ジミ婚)とは、「地味な結婚式」の略で、必要なものだけを用意した、シンプルな結婚式のことをいいます。
やり方や決まりに明確な定義はなく、式の進行も決まった内容があるわけではありません。
結婚の背景にはさまざまな事情があります。
再婚や授かり婚などの状況であれば、「派手な結婚式は避けたいが、式だけは挙げたい」と考えている方も多いですね。この場合は、なるべく控えめな式を行うことで、新郎新婦の希望を叶えられるでしょう。
80年代に流行した「派手婚」
1980年代にトレンドとなった、存分にお金をかけてゴージャスに開催するのが、派手婚(ハデ婚)。
中には、芸能人でなくても1,000万円を超える見積もりで結婚式を予定された方もいらっしゃったほど!地域性もありますが、結婚式を派手に開催するのが当時のトレンドでした。
しかし現在のカップルは、結婚式を派手にしたいと思っている方は減少傾向に。
「アットホーム」「カジュアル」「シンプル」と言ったキーワードが、平成・令和時代の結婚式のトレンドになりつつあります。
このような時代の流れから、「派手婚」に対して「地味婚」という言葉が広まりつつあったことと思われます。
地味婚の種類(プラン)
一般的に地味婚と呼ばれる結婚式を希望されている方は、以下のようなスタイルが多いです。
- 少人数での披露宴や食事会
- 写真だけ(フォトウェディング)
- 会費制の披露パーティー(1.5次会)
など。この他にも、挙式だけで済ます方も多いです。
少人数で行う結婚式に、どのくらいの予算が必要なのかは、こちらの記事↓↓で解説しています。
地味婚を行う新郎新婦の割合
シンプルな結婚式を検討していく中で、どのくらいの割合の方が地味婚を挙げているのかも気になると思います。
地味婚のスタイル別に、割合を調べてみました。
少人数婚の割合
ゼクシィ 結婚トレンド調査2019調べ(首都圏)によると、披露宴・披露パーティーの招待人数が10人未満(家族挙式など)の割合は、3.6%。10~20人未満(親族婚など)の割合は、5.7%でした。
つまりゲスト数20人未満の少人数婚だったカップルは、全体の1割程度を占めています。
また2013年の調査だと、20人未満の少人数婚の割合は6.7%だったのに対し、ここ3年ほどで10%にまで増えています。
最近になって、少人数でこぢんまりと行う地味婚スタイルの注目度が増してきているようですね。
結婚式は花嫁の憧れではなくなった?地味婚でもOKという考え
また同調査によると、「結婚式をしたいと思っていたかどうか」の質問に対し「どちらともいえない、あまりそう思わない、まったくそう思わない」の回答が13%。
1割を越す花嫁さまが、必ずしも結婚式をしたいとは思っていない、という結果が出ています。
「結婚式をおこなうのが当たり前だと思うかどうか」の質問へも、61%の方が「どちらともいえない、あまりそう思わない、まったくそう思わない」と回答していました。
こういった思考も地味婚がトレンドになる理由のひとつとなっているのではないでしょうか。
地味婚のやり方は?共通するポイントは「アットホーム感」
「人数が少ないから地味婚」とは言い切れません。人数が少なくても、演出やお色直しの数が多ければ通常の披露宴と変わりません。
そこで、地味婚に共通しているポイントをご紹介していきます。
1)派手な演出なし、余興なし
スピーチや余興など、演出を行わないことが多く、歓談メインの披露宴が主流です。
通常、演出をしている時間をすべてゲストとの交流に充てられるので、一見地味と思われますが、満足度の高い結婚式にすることはできるでしょう。
両親、親族、少数の友人を招いた、挙式+食事会のみの結婚式を予定される方もいますね。この場合披露宴は行いません。
歓談メインの披露宴は注目されていますが、ただの飲み会にならないような工夫が必要です。
こちらの記事↓↓も参考にしてくださいね。
2)ゲストは最小限の人数(少人数)
両親や兄弟姉妹は参加でも、親族や職場関係のゲストを招待しない方も多いです。
ご友人方も本当に気心の知れた方だけをご招待し、お付き合いでの招待は一切なし。
本当にお祝いをしてほしい人、お披露目したい人、日ごろの感謝を伝えたい人だけを招待することが多いです。
数十人規模のゲストを招いた通常の結婚式よりも、ゲストと距離感が近くなるので、充実した時間を過ごせるでしょう。
3)結婚式に費用をかけすぎない、こだわりすぎない
結婚式にあまり費用をかけたくない(かけられない)場合、軽い食事会のみで結婚披露パーティーとすることもあります。
「準備が大変でした!」「こんなにおもてなしを用意しました!」というグイグイ系のお披露目会ではなく、「みんなで楽しみませんか?」というホームパーティー的なスタイルとも言えますね。
結婚式といっても大げさなことはしないので、新郎新婦も家族もゲストも、肩ひじ張らずにリラックスして楽しめます。
また結婚式を開催した後、写真撮影のみを行い、食事会(披露宴)を開催しない場合もあります(挙式のみで終了)。
費用を抑えるためだけでなく、「結婚式はしたくないけど、ウェディングドレスは着たい」という目的の方も多いですね。
4)海外挙式後の帰国後パーティー
海外で結婚式を予定されている場合、国内でのパーティーを地味に済ませる場合もあります。
海外挙式で十分な満足度と達成感を得られるため、国内での開催分は簡素化していいか、と思われることが理由の1つとして上げられるでしょう。
地味婚の結婚準備はラク?シンプルでも用意すべき結婚式アイテム
地味婚を予定している場合、気になるポイントが結婚式に必要なアイテムの準備です。
節約のためや、あまり豪勢にしたくないからといって、なんでもかんでも削っていいとは限りません。
ウェディングドレスなどの衣装だけでなく、ペーパーアイテムや引出物など結婚式には準備する物がたくさんあります。
こういったアイテムは地味婚なら、準備しなくてもいいものでしょうか?
ウェディングドレス(衣装)は着よう!
ゲスト数が少数である場合や、新郎新婦二人だけの結婚式の場合でも、ウェディングドレスやタキシードなどの衣装は用意することをおすすめします。
写真撮影を予定しているならなおのこと、衣装は必要でしょう。
ドレスショップの中には、フォトウェディング用や挙式のみ用の衣装プランを設けていることがあります。
着用時間は短いため、通常より安価でレンタルできる可能性が高いです。リサーチしてみましょう。
さまざまな事情から、ウェディングドレスなどの衣装すら必要ない、と判断した場合は、挙式予定の会場に相談し、ワンピースなどの私服でも対応してもらえるのかどうか確認して下さい。
招待状、席次表、席札は必須ではない
挙式だけを開催する場合、招待状などのペーパーアイテムは用意しなくても良いでしょう。
メールや電話、SNSなどを利用しゲストに挙式時間などを伝えれば十分です。
食事会(披露宴)を開催する場合でも、席次表や席札の用意はしなくてもOK!
しかし招待人数が、40名を超えるくらいの人数の規模によっては、席次表がある方がゲストにわかりやすくなるかと思います。
また食事にこだわりを持っていらっしゃるのであれば、メニュー表を準備することをおすすめします。
ご祝儀を貰うなら、引出物を準備する
地味婚とはいえ、結婚式でゲストからご祝儀を頂戴する場合は、引出物を準備した方が良いです。
会費制の場合でも、ティーセットや引き菓子のみなど、簡単なお土産程度を準備されると良いかと思います。
挙式だけを開催予定の場合は、引出物は不要ですが、ご友人方も参列されるのであればプチギフトなどを用意されると良いですね。
また結婚式スタイルに限らず、ご祝儀としてお祝いを頂く機会があれば、内祝いとして後からお返しされることをおすすめします。
地味婚の会場は、レストランがおすすめ
地味婚だけでなく、シンプルな結婚式を希望されている場合はレストランでの開催がおすすめです。
ホテルや結婚式場は、大きめの会場が多いだけでなく、外観などの装飾も豪華で煌びやかなことも多く、シンプルなイメージではありません。
大きなホテルや専門式場での結婚式なのに、装花など会場装飾をしなかったり、カジュアルな衣装・服装だったりすると、場所との釣り合いがとれずちぐはぐに…。
場所からゴージャスな披露宴を期待されてしまうと、演出なし・余興無しなどのシンプルな内容だと「つまらなかった」とゲストに思われてしまう可能性も。
結婚式をなるべくシンプルに行いたいなら、それに合うような会場のサイズ・雰囲気で選ぶようにも注意しましょう。
地味婚・ナシ婚は後悔する?結婚後の後悔あるある
地味婚でもこだわりをつめこんだ結婚式でも、後悔は残るものです。
「もっとこうしたらよかった」と思う事もあるかもしれません。
結婚式後の後悔を少しでも減らすために、入念な準備を進めて行く事が大切です。
地味婚の後悔として考えられる3つのワードをご紹介します。
1)親の意見もしっかり聞いておけばよかった
自分たちは地味婚を希望していても、ご両親は「盛大な披露宴」を希望しているかもしれません。
特に派手婚が主流となっている地域であれば、ご両親の意向も強い可能性があります。
その場合、周囲から「なんでそんなに地味な結婚式にしたの?」と意見されることも少なくなく、ご両親が寂しい思いをしてしまう可能性も捨てきれません。
他にも「長男だから派手にしたい」という志向の地域も、まだ残っています。
「親の顔を立てたら良かった」と後悔しても、時間は戻せないのです。
「費用は自分たちが出すのだから、自分たちの好きにしたい」と思うかもしれませんが、一呼吸置き、ご両親と相談してみましょう。
おふたりの幸せを一番にお祝いしたいと願うのはきっとご両親ではないでしょうか。
2)演出なしの食事会ウェディングが、飲み会状態になってしまった
「ウェディングドレスやタキシードも省き、カジュアルな装いで披露宴を開催したい」
「食事は立食ビュッフェにしたい」
「演出や決まった式次第は無し。ゲストには自由に楽しんでほしい」
シンプルさを追求しすぎてしまうのは考えものです。
いきすぎてしまうと、披露宴ではなく忘年会や飲み会のような雰囲気になってしまう可能性が捨てきれません。
余興や演出なしの進行でもかまわないので、披露宴やお披露目食事会を開催するという思いは忘れないようにしましょう。
具体的には、以下のような工夫がオススメです。
- ウェルカムスピーチと新郎謝辞だけは行い、ゲストへの感謝をきちんと伝える
- 司会者はプロに依頼して、開式と閉式のメリハリを付ける
- 会場装花を用意し、パーティーの雰囲気を盛り上げる
3)ゲストに「退屈」と思われてしまった
結婚式や披露宴にご招待しているゲストの皆さまは、お二人にとっても大切な方々ばかりですね。
予定を開けて出席して頂いているという気持ちを忘れ、「自由にしてね」とほったらかし状態だと、「つまらなかった、退屈だった」と思われる可能性もあります。
ゲストがゆっくりと時間を過ごすことをを大切にするなら、食事を楽しみながら思い出話をしたり、新郎新婦が積極的にコミュニケーションをとるなど、おもてなしの気持ちを大切にしていきましょう。
まとめ
- 地味婚とは地味な結婚式の略。こぢんまりとしたアットホームなパーティーが多い
- 挙式だけ、1.5次会、フォトウェディングなどがその代表
- 開催場所はレストランがおすすめ。豪勢なホテルでは、雰囲気が合わない
- 地味婚とはいえ、ゲストへのおもてなしの気持ちは忘れずに
地味婚は、コストを抑えられることはもちろん、ゲストとの時間をゆったり楽しめるというメリットもあります。
しかし、豪華さに欠けてしまうため「つまらなかった」と思われてしまう可能性も捨てきれず、「息子・娘の結婚をしっかり祝いたい」と願うご両親の意向を叶えられないこともあります。
自分たちの結婚式だからと独りよがりに進めず、ご両親や周囲の意見にも耳を傾けながら準備を進めていくことが望ましいですね。
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