結婚式トラブル事例【見積もり編】値上がりの秘密をプランナーが解説
式場探し中の花嫁さんの間では、よく聞く話。
初回見積もりからの、値上がりがヤバい。
100万円以上も値上がりしてしまうカップルも少なくありません。
どうして見積もりよりも値上がりしてしまうのか、防ぐ方法はないのか、ちょっと聞きにくい裏話まで、現役ウェディングプランナーの方に解説してもらいました!
値上がりが普通?結婚式見積もりのトラブル・クレーム
まずは花嫁さんの体験談をご紹介。みなさん、どんなお悩みを抱えているんでしょうか?
(@28ppyさん)
(匿名さん)
(@hiyori_for_weddingさん)
やっぱり、初回見積もりからどんどん値上がりしていく、という声が多数。
徐々に金額が上がっていくと、結婚式費用の全体像が見えないですし、気づいたら予算オーバー!なんてトラブルもあるので困りますよね…。
見積もりの金額が上がる理由
どうして初回の式場見積もりから、値上がりしてしまうんですか?
会場見学の際に提示される、初回の見積もりには『その会場で結婚式をするために必要最低限のもの』だけを入れているからです。
もちろん、そのままでも素敵な結婚式はできます(これは本当)。
でも、打ち合わせの中で『一生に一度のことだから』『大切なゲストのために』などとオプションを紹介されたら、そうかも...と、金額の高いものを選んでいってしまいがちです...。
自分たちやゲストにとって本当に必要なものなのか、見極めが必要です。
気付いたら上がっていた!なんてことが無いように、打ち合わせが始まってからも、見積もりは何度も出してもらいましょう。
初回見積もりに、必要項目が載っていない理由
どうして初回の式場見積もりに、必要なものが載っていないんですか?
実は初回の見積もりに『結婚式をするための必要最低限のもの』は入っています。
え?だって、打ち合わせの度にどんどん金額は上がっているし、プラスしたものも必要なものだったけど...。
答えは簡単です。『必要なもの』は人によって違うからです。
初回の見積もりに入っているものは『これが入っていないと、その会場での結婚式が成立しないもの』です。
DVD撮影が必要な人もいれば、必要無い人もいます。
そういった『人によって必要かどうか分からないもの』は入っていないのです。
オプション追加することがわかってるのに、説明不足では?
ただ会場からは、全てのアイテムの紹介や、必要の有無の確認はされません。
確かに不親切だな...と感じる部分ではありますよね。
その一番の理由は、膨大な数の項目が必要かどうか、見学の時点で決まっている新郎新婦様はまずいませんので、細かく伺っても困らせてしまうから。
多くの会場は見学の時間を(試食や模擬挙式などが無ければ)90分~120分で設定しています。
これ以上時間をかけると、ふたりにとって大切なこととはいえ、確実に集中力は途切れ、疲れてしまいます。
自分たちの見積もりに不足が無いか心配なら、各項目でどの位のクオリティのアイテムが入っているのか、他にどんなアイテムがあるのか、現時点で気になる部分だけでもプランナーに遠慮なく聞いてください!
誠実に答えてくれる会場は、とてもポイント高いですよ!
初回から最終見積りまで、どのくらい結婚式費用が高くなるのか
いざ打ち合わせ時に詳しく聞くと、50万は金額が高くなってしまった。
(@714_weddingさん)
オプションで増えてしまうのは仕方ないですが、初めにもう少し説明してもらえたらなというのはあった。
(匿名さん)
ゼクシィ 結婚トレンド調査2018調べによると、見積もり金額が支払い金額よりも上がった人は、なんと79%!
値上がりした金額の平均は、109万2,000円。
項目のランクアップが原因で、大幅に金額があがってしまうひとが多いようです。
値上がりしやすい項目と、対処法
初回見積もりからどのくらい料金が上がると予想しておけばいいのでしょうか?
料金が上がりやすい項目としては、これらのものです。
①お料理
②衣装
③演出(映像)
特にお料理は「×ゲスト」の人数なので、2,000円ランクアップ×60名でもうプラス12万円です。
衣装もふたり合わせて20万円位アップする方も。
エンドロールなどの演出をプラスすることでプラス約25万円。
これだけで60万円近くに...。その他にもドリンクや花など、金額アップする要素は満載です。
でも、初回の見積もりに入っている項目のクオリティと、自分たちとゲストに必要なものをしっかり把握出来ていれば、
①お料理のグレードアップは必要ないかもしれませんし、
②衣装も5万円アップの範囲内で満足できるかもしれません。
その分③エンドロールにはお金をかけよう!
と、『お金のかけどころ』を決めて準備を進めれば、最終の金額予想も無理なくできます!
本当にお得?「当日成約」「パックプラン」大幅値引きの裏話
(@momool_kakeiboさん)
オプションの写真・アルバム関連について、フェアの担当者からは、「どれでもいいからとりあえず今日申し込めば、割引がききます。あとでキャンセルや変更もできます」と言われたので、内容はあとで考えるとして、とりあえずアルバムを申し込んだ。
式場と契約を結んで、担当プランナーさんと打ち合わせ開始後、アルバムのランクを下げる変更をしたら、割引がなくなると言われた。
フェア担当者からこう聞いたと訴えたが、申し訳ありませんと一点張りで受け入れるしかなかった。(匿名さん)
ブライダルフェアや式場見学で、気分も高揚しているときに、成約を迫られるのはよくあること。
なんだかありえないような金額を割引してくれる、というけど、本当にお得なんでしょうか?
結婚式費用の値引きが可能な理由
どうして大幅値引きが可能なんですか?実は上乗せした金額を見せてるとか…。
例えばお料理には、食材の料金だけではなく、人件費や光熱費がプラスされていることはお分かりかと思いますが、更に上乗せをしている訳ではありません。
ではなぜ値引きが可能なのか。
結婚式の度に、仕入れ値がかからないものがあるからです。
- 会場費
- 控室料
- プロジェクター代
- スクリーン代
- プロデュース代
などです。
もちろん、会場を建てた時、プロジェクターを購入した時、プランナーを採用するまでなど、最初は莫大な金額がかかるので回収していかなければいけません。
現状回収し切れていなかったとしても、今後永遠にかかるものではないので、そこからの値引きが可能です。
また、日柄などによってバランスを取っているのも理由のひとつです。
例えば人気の大安は値引きをしない分、仏滅でもやっていただける方に還元しています。
当日成約しなくても、値引きする方法
その場で成約しないで、比較したいです!
早めに成約することで、準備に時間をたっぷり取れる、周りに早く伝えることでゲストにも喜ばれるなど、メリットがあることは確かです。
ただ、最近は見学のその日にご成約をおすすめする式場も多く、迫られたら怖い...と警戒されている方の気持ち、よく分かります。
比較して決めたい、両親に確認しないと、などと伝えても敏腕プランナーはめげません。
なので、最初にお伝えしてしまいましょう!
タイミングはプランナーからの挨拶が終わったらスグ、またもっと効果的なのは、見学予約の時点です。
『最初にお伝えしたいことがあります。他の会場で契約を迫られて本当に怖かったし嫌な思いをしたので、こちらではそんなこと無いと思いますが、しないでいただきたいです。』
こんな感じでしょうか。
もし初めての見学であれば、友人から話を聞いたなどとお伝えください。
誠実な式場であれば、そんなことで態度を変えたりしませんのでご安心を!
当日成約割引も意外と、後日適応してくれたりします。
式場見積もりが予算オーバー。見直し&値引き交渉術
8月というあまり人気のないシーズンだったので、おまけで納得して契約したが、もう少し粘ればよかった。
(匿名さん)
(@wedding_20190501さん)
結婚式費用は、じつは値引き交渉が可能なことが多いとか。
値下げ交渉をしないで後悔するより、ダメもとでも聞いてみる価値はありますよ。
見落としがちな、見積もり項目
かならずチェックすべき項目を教えてください。実は減らしてもいいオプションは?
どれも大切な項目なのですが、意外と見落としがちなのが『お花(装花)』です。
お料理は会場を決める前に試食ができたり、ドレスもドレスショップで試着もできます。
映像もスナップアルバムもサンプルを見ることができますが、実物を見ることができないのが『お花』です。
見積もりに入っているお花のクオリティと、そのお花で実際に結婚式をしている様子を、写真や映像を見せてもらいましょう。
特に高砂席やゲストテーブルのお花は、大きければ良いものではないので、意外と追加しなくても良い項目だったりします。
大き過ぎてふたりが見えない、向かいの席の人と話しにくいなどの声があるのも事実です。
結婚式費用を、効果的に値切る方法
式場選びに迷ってるときの、値引き交渉の方法を教えてください。
一番気に入っているA会場の金額が、B会場の金額だったら手が届くのに...。
いくつか会場を見学すると、そんな考えも出てきますよね。
値引き交渉というとハードルが上がりますが、ちょっとしたコツとしては、「B会場と迷っている」とA会場のプランナーに素直に伝えること。
これまた素直に、B会場の見積もり金額と、「B会場もこの見積もり金額より、もう少し頑張ってくれると言ってくれている」ことをプランナーに伝えましょう。
ただここで注意していただきたいのは、AとBの会場の見積もりの項目が同じであること。
B会場の項目がA会場よりも少ない場合、安いのは当たり前ですし、A会場にとって非現実的な金額になってしまう場合、値引きに応じてもらえないこともあります。
項目は自分たちでもしっかり見比べて、上記のコツをしっかり使うことがポイントです。
式場見積もりの値上げは不要!安くても結婚式を成功させるコツ
安いプランでも、満足度の高い結婚式にするアイディアはありますか?
どんな結婚式でも、『ゲストが喜んでくれた』ことが、いわゆる『満足度の高い結婚式』なのではないでしょうか。
その中でも最も喜んでいただけて、最もお金のかからないものがあるんです!
それは、『歓談の時間をたっぷり取る』ことです。
結婚式は「みんながやっているから」と色々と演出を決めてしまいがちですが、余興やスピーチを無理に頼む必要は全くありません。
何か演出が無いと間が持たないのでは、と不安になるふたりも多いのですが、披露宴の2~2時間30分は本当にあっというまです。
最初の入場から乾杯までで10~15分、お色直しに20分~30分、最後のお手紙や花束贈呈などに15分と考えると、残りは1時間。
もし10テーブルあったら、1テーブル約6分しかお話する時間がありません。
ゲストはふたりとの会話や写真タイムが、何よりの楽しみです。ぜひ取り入れてください!
まとめ
- 初回見積もりには、必要最低限の項目しか載っていない
- 必要なオプションは人によって異なるので、値上がりしてしまう
- 式場見学の時間は限られるので、オプションの紹介は省かれがち。どんどん質問しよう!
- 仕入れ値がかからないものが、当日成約特典などで値下げされる
- 比較して契約したいなら、正直にプランナーに伝えよう!
- 値引き交渉も正直に。迷っていることと、他会場の見積もりを見せるのがコツ!
- オプション追加しなくても、歓談の時間を多めにとって、ゲストを満足させる
式場見積もりが値上がりする仕組みや、大幅値引き事情など、プランナーだからこそ知る裏話がわかりましたね。
オプション追加で値上がりするのは仕方のないことですが、あまりに金額が大きくなると不満に思うのも仕方のないこと。
まったくのノープランで見積もりを出してもらう前に、お金のかけどころや譲れないこだわりを決めておくのがよさそうですね。
取材協力 |
Tさん(プランナー歴15年) 関東、東海、九州、東北など、日本各地での経験を活かし、全国の新郎新婦様の悩みに真摯にお答えしていきたいと思います! |