バージンロードの歩き方講座。並び方・ブーケの持ち方など
教会のバージンロードを、父親にエスコートされて新郎の元まで歩くのは、女性の憧れ。
一生に一度のことだから、映画のワンシーンのようにビシッと決めたいけど、実はとっても歩きにくいんです。
転んでしまったり、裾を踏んだりしないように、キレイにあるくにはちょっとしたポイントが。
花嫁とエスコート役が美しくバージンロードを歩くコツを紹介します。
結婚式のバージンロードの意味とは?
教会の入り口から祭壇へと続く、バージンロード。
海外では、「ウェディングロード」「アイル」(通路)といいますが、日本では花嫁は純粋無垢であるべき、という考えから、「バージンロード」と名付けられました。
そのため教会だけでなく、レストランウェディングなどで行う人前式でも、新郎新婦が歩く通路はバージンロードと呼ばれます。
バージンロードの由来
昔、欧米では教会の下には悪魔がいる、と信じられていたとか。
悪魔から花嫁を守るために通路に布を敷いたり、お清めをしていたのがバージンロードの始まりと言われています。
バージンロードを花嫁が歩く意味
バージンロードは、花嫁の一生を象徴しています。
教会のドアを開いた時に、花嫁の人生が始まり、バージンロードを歩く一歩一歩は、これまでの人生の一年一年。
父親と歩くバージンロードは「過去」を、父親から新郎にバトンタッチをする瞬間は「今」、新郎と歩むバージンロードは「未来」を象徴しています。
父親以外でもOK。バージンロードは誰と歩く?
バージンロードは父親と歩くのが一般的ですが、ルールとして決められているわけではありません。
父親以外で花嫁のことを大切に守ってきた人にお願いしても大丈夫。
親族や友人、お世話になったといっしょに歩く花嫁さんもいますよ。
【こちらの記事もオススメです↓】
バージンロードは父親以外と歩きたい!エスコート役は花嫁が選ぶ
バージンロードを美しく歩くポイント
バージンロードを歩く時は、参列者の注目を浴びます。
凛とした美しい花嫁になるためのコツはこちら。
エスコートされる時の並び方
祭壇に向かって、エスコート役が右、花嫁が左側に並びます。
ウェディングドレスには広がりがあるので、花嫁さんはエスコート役の半歩程後ろに立って。
そのほうがお互い歩きやすく、「エスコートされている!」といった雰囲気がよく出ます。
花嫁と父親の手の位置
バージンロードを歩く時、父親とがっちりと腕を組むのは避けて。
父親が左腕の肘を「くの字」にまげて、花嫁がそっと右手を添えるようにするとキレイ。
花嫁の手が人差し指から小指までそろっていると、さらに美しい姿に。
母親など女性にエスコートしてもらう時は、差し出されたエスコート役の左手の上に花嫁が右手を乗せて歩くと◎。
もちろん、2人で手をつないで入場してもOKです。
ウェディングブーケの持ち方
左手でブーケをおへその前で持って、花のトップを前に向けましょう。
歩いているうちに、つい自分の胸の方へ高くブーケを持ってしまいがちですが、美しい花嫁であるためには、おへその位置を絶対キープ!
おへそより高い位置で持つと、肘が張ってしまい、あまりキレイではありません。
ドレスの美しいデザインをブーケで隠してしまうことになります。
逆におへそより下だと、だらしなく見えてしまうので要注意です。
ブーケは片手で持つと意外と重いので、腰骨に手首を乗せるようにすると持ちやすくなりますよ。
リースブーケなら、肘にかけるより、手で握って持つのがオススメ。
バージンロードの歩き方
二人でバージンロードを歩く時は、次のようなウェディングステップで進みます。
- 右足を出す
- 左足を右足にそろえる
- 左足を出す
- 右足をそろえる
父親と花嫁の、足並み(速さ)と歩幅が合うと、とても美しく見えます。
父親は、花嫁に合わせるように歩いてくださいね。
花嫁はウェディングドレスの長い裾を、軽く蹴るように歩くのがコツ。
蹴ることばかりに気が行って強くやりすぎてしまうと、蹴ったときに音が出てしまうので要注意。
「なかなか進まない!」と思ってしまいますが、ゆっくりと感じるくらいがちょうどいいスピード。
緊張するとついつい急いで足を進めてしまいがちですが、人生で一度きりのバージンロードだから、一歩一歩を大切にしてくださいね。
会場でもリハーサルを行いますが、それ以外でも2人で練習を重ねるといいでしょう。
YouTubeなどの動画サイトでは、バージンロードの歩き方をアップしているので、観ながら練習すると本番のイメージがつかめそう。
目線は正面に向けて歩く
足を2人でそろえることばかり気持ちが行ってしまうと、目線が下がってしまいがち。
そうすると背中が丸まって見えてしまいます。
胸を張って背筋を伸ばし、前を向いて歩きましょう。
2人で「前方の十字架を見る」「神父さんを見る」など、目印を決めておくのもいいですね。
両親と歩く時の並び方
両親と3人で入場する時は、花嫁を中心に右側が父親、左側が母親に並びます。
両手でブーケを持った花嫁の腕に、父親と母親が両側から手を添えて。
友人や兄弟と並んで歩く時も同じです。
挙式の入場から退場までの流れと手順
チャペルに入場してから退場までの基本的な流れを説明します。
1.母親がベールダウン
チャペルの扉が開いた時が、花嫁の誕生の瞬間です。
その後すぐ行うのが、母親から娘へのベールダウンのセレモニー。
これから始まる人生の幸せを願って、母親がそっとベールを降ろします。
ウェディングベールには、邪悪なものから花嫁を守る力があると言われているんですよ。
またベールダウンは「娘にする最後の身支度」とも言われている儀式でもあります。
母親が行うことが一般的ですが、決まりがあるわけではありません。
花嫁の幸せを願う人であればOKで、兄弟・姉妹や友人が行うことも。
2.エスコート役(父親)と入場
バージンロードを父親とともに、ウェディングステップで進みます。
これまでの自分の人生を重ねながら一歩一歩踏みしめて。
3.新郎にバトンタッチ
新郎がいる場所は、バージンロードの意味で言う、花嫁の「今日」。
父親から新郎に「これからの娘をよろしく。私たちに代わって幸せにしてあげて下さい」の意味をこめてバトンタッチします。
ここから新郎新婦の「未来」が始まります。
4.退場
神父の前で永遠の愛を誓い、指輪の交換を経て夫婦となった二人が退場します。
この時のバージンロードには、新しい人生の第一歩を踏みだす道という意味が込められています。
退場する際には、ウェディングステップでという決まりはありません。
ただ2人で歩幅を合わせて、ゆっくり歩きましょう。
入場時を同様、ゆっくりすぎるくらいがちょうどいいスピード。
ゲストからの祝福に包まれながら、幸せいっぱいの時間を楽しんで。
挙式のエスコート役にふさわしい服装
エスコートの服装は、結婚式の時間帯と会場の格式に合わせて選びます。
格式ある教会やホテルで行うなら、正礼装。
人前式、屋外やレストランで行うカジュアルな雰囲気の挙式なら、準礼装でもOKです。
父親
- 正礼装:五つ紋・モーニング(昼間)・燕尾服(夕方~夜)
- 準礼装:ブラックスーツ(昼間)・タキシード(夕方~夜)
父親が洋装の正礼装でバージンロードを歩く時には、右手に白い手袋を持ちます。
これには悪者から花嫁を左腕でかばい、右腕で剣を振りかざして戦うという意味があります。
手袋は剣の代わりで、父親がこれまで娘を守ってきたことを表しているんですよ。
母親
- 正礼装:黒留袖・黒ロングドレス
- 準礼装:色ロングドレス・アンサンブルスーツ
バージンロードを和装でエスコートしてもらってもいい?
五つ紋付き羽織袴や黒留袖は、和装の正礼装。
教会式で着用して、ウェディングドレスの花嫁をエスコートしても問題ありません。
ただ会場によっては、「モーニングなどの洋装で」とすすめられる場合もあるので、あらかじめプランナーやスタッフに確認を。
感動のあまり泣いた!転んだ!バージンロードの思わぬトラブル
慣れないウェディングドレスを身にまとい、注目を浴びながら一歩一歩進めるなかで、残念な事態が発生してしまうことも。
あらかじめよくあるトラブルをチェックしておきましょう。
バージンロードで大号泣
これまでの人生とこれから彼と歩む人生を思って、花嫁が大号泣しても不思議ではありません。
もし泣いてしまっても、戻ったりせず、そのまま歩き続けて。
涙があふれて止まらなかったらいったん立ちどまり、エスコート役にハンカチでそっと拭いてもらっても大丈夫。
涙もろい花嫁さんは、泣いてしまった時のことを、エスコート役に相談おくと安心ですね。
入場から退場まで、ずっと泣いていた花嫁さんもいますよ。
転んだ(こけた)、つまづいた
慣れないドレスで転びそうになることは、実はよくあること。
完全に転倒という悲劇的なケースはレアなものの、つまづいたり、転びそうになった花嫁さんは多数。
エスコート役がうっかり、花嫁のドレスの裾を踏んだ、なんてトラブルも。
そんな時でも、照れ隠しに笑ったり、「すみません!」など、周りに謝るのはNG。
エスコート役にしっかり支えてもらった後は、何事もなかったようにゆっくりと歩いていきましょう。
まとめ
- バージンロードは花嫁の人生の象徴
- バージンロードを歩く時はウェディングステップで
- バージンロードを歩く練習は必須
- トラブルが起こっても何事もなかったかのように振る舞うのが大事
バージンロードを歩くことにはとても素敵な意味があるのですね。
エスコート役と息を合わせて、花嫁を待つ新郎のもとまでゆったりと美しく歩みを進めていってくださいね。