結婚式の親族紹介とは?親族の呼び方&順番の具体例
結婚式といえば、ついつい挙式と披露宴のことばかりに気がとられがちですが、結婚式は新郎新婦2人だけのことではなく、両家の結びつきのはじまりでもあります。
だからこそ、親族紹介はとても大事なのですが、実はその方法については意外に知られていないことも。
そもそも親族紹介とは何か、紹介する時の呼び方や順番などを具体的に説明します。
この記事のポイント!
- 親族紹介の流れがわかる
- 親族の呼び方と順番がわかる
結婚式で行う、親族紹介とは?
親族紹介とは、結婚式当日に新郎家と新婦家の両家が、一堂に会して親族を紹介しあうこと。
両家の両親は、顔合わせ食事会でお互いのことを認識できていますが、それ以外の家族や親戚は、相手のことを全く知らない状態です。
挙式披露宴中に「あの人は誰…?」とならないように、お互いの親族同士であらかじめ自己紹介をしておくのです。
また結婚は、新郎新婦2人だけのことではなく、家と家との結びつきでもあります。
結婚を機に両家のお付き合いが始まることから、結婚式では多くの場合で、親族紹介の時間を設けているんですよ。
親族紹介を行うタイミングと場所
親族紹介を行うタイミングは、以下のいずれかになります。
- 挙式が始まる前
- 挙式と披露宴の間
場所は親族控室で行うことが多いですが、チャペルなどの挙式会場で行う場合もあります。
親族紹介にかかる時間。早めに集合してもらう場合もある
親族紹介にかかる時間は10分から20分程度。
親族に、他のゲストより早く来てもらう必要がある場合は、招待状を送る際に付箋をつけて知らせます。
誠に恐れ入りますが
親族紹介を○時○分より行いますので
10分前迄に○○までお越しくださいますよう
よろしくお願い申し上げます
親族紹介は、誰が進行役を務めるの?
親族紹介の司会進行は、両家の父親が代表して行うことが多いです。
とはいえ、必ずしも父親である必要はありませんので、母親や兄弟姉妹が行ってもOK。
仲人や媒酌人がいる場合は、進行役を依頼します。
どうしても適任者がいない場合は、会場スタッフに頼む場合もあります。一度会場側に相談をしてみましょう。
新郎新婦不在で親族紹介を行うこともある
新郎新婦が支度や記念写真の撮影などをしている間に、親族紹介が行われるケースもあります。
新郎新婦が必ずいなければならない、という決まりはありません。
【例文】親族紹介の呼び方一覧。新郎新婦からみた続柄で呼ぼう
親族を紹介する時は、新郎(新婦)からみた続柄で呼びます。
呼び方は、「新郎の[続柄]の[名前]です」が一般的。(例:新郎の父の、スズキタロウです。)
新郎新婦から血縁が近い順に並べた親族と続柄、呼び方を紹介します。
***
1.父、母【一親等】
「新郎の父」
「新郎の母」
2.兄姉、及びその配偶者(義理の姉、義理の兄)【二親等】
「新郎の兄」
「新郎の姉」
「新郎の兄[兄の名前]と、その妻[義姉の名前]」
「新郎の姉夫婦の、[義兄の名前]と[姉の名前]」
ポイント!
義理の兄姉弟妹の呼び方(自己紹介スタイル)
「新郎兄のタナカイチロウです(自己紹介)。こちらは妻のハナコです。」
※義理の兄弟姉妹の紹介は、兄弟自身が行ったほうがスムーズな場合も。柔軟にやり方を変えてOK!
3.弟妹、及びその配偶者(義理の妹、義理の弟)【二親等】
「新郎の弟」
「新郎の妹」
「新郎の弟[弟の名前]と、その妻[義妹の名前]」
「新郎の妹夫婦の[義弟の名前]と[妹の名前]」
3.兄弟の子供(甥、姪)【三親等】
「新郎の甥(おい)」
「新郎の姪(めい)」
「新郎兄の[兄の名前]と妻[義姉の名前]、その子供の[甥姪の名前]」
ポイント!
甥姪の呼び方(自己紹介スタイル)
「新郎兄のタナカイチロウです(自己紹介)。こちらは妻のハナコ、隣が長男のタロウ、長女のアイコです。」
※きょうだいに子供がいる場合、一家をまとめて紹介するのがスムーズ!
4.祖父、祖母【二親等】
「新郎の祖父(そふ)」
「新郎の祖母(そぼ)」
「新郎の祖父と祖母の[祖父の名前]と[祖母の名前]」
5.曽祖父、曾祖母【三親等】
「新郎の曾祖父(そうそふ=ひいおじいちゃん)」
「新郎の曾祖母(そうそぼ=ひいおばあちゃん)」
「新郎の曾祖父と曾祖母の[曾祖父の名前]と[曾祖母の名前]」
6.伯父伯母(兄姉)、叔父叔母(弟妹)【三親等】
「新郎の伯父/叔父(おじ)」
「新郎の伯母/叔母(おば)」
「新郎の伯父[伯父の名前]と、その妻の[伯母の名前]」
「新郎の伯父の[伯父の名前]と、伯母の[伯母の名前]」
ポイント!
伯父伯母(叔父叔母)の呼び方(自己紹介スタイル)
「新郎の伯父のタナカトシロウです。こちらは妻のカズコです。」
※夫が代表して、妻の紹介をしてもOK!むしろ伝わりやすいのでおすすめ。
7.いとこ、及びその配偶者と子供【四親等】
「新郎のいとこ」
「新郎のいとこの[いとこの名前]と、その妻[いとこの妻の名前]」
ポイント!
いとこの呼び方
「新郎の伯父のタナカトシロウです。こちらは妻のカズコと、子供のカズヤです。」
「新郎のいとこの、タナカカズヤです。こちらは妻のモモコと、子供のヨウコです。」
※未婚のいとこや、既婚で家族連れのいとこは、一家をまとめて紹介するのがスムーズ
8.大伯父大伯母(祖父母の兄姉)、大叔父大叔母(祖父母の弟妹)【四親等】
「新郎の大伯父(おおおじ)」
「新郎の大叔母(おおおば)」
結婚式の親族紹介 順番の具体例
親族紹介の順番は、新郎家から行うのが一般的です。
血縁の濃い順に紹介し、さらに、父方→母方の順番で行います。
新郎家の紹介が一通り終わってから、新婦家の紹介に続きます。
1.新郎家の紹介
1-1.家族(父母、兄弟姉妹)
1-2.父方の親族(祖父母、伯父伯母など)
1-3.母方の親族
2.新婦家の紹介
1-1.家族(父母、兄弟姉妹)
1-2.父方の親族(祖父母、伯父伯母など)
1-3.母方の親族
具体的な紹介順
絶対にこの順番と決まっているわけではありませんが、具体的な親族紹介の順番はこのとおり。
● 家族の紹介順
父
↓
母
↓
兄弟姉妹とその配偶者(義理兄弟)
↓
兄弟姉妹のこども(甥姪)
● 親族の紹介順
祖父母
↓
伯父伯母(叔父叔母)
↓
いとこ
↓
曾祖父母
↓
大伯父大伯母(大叔父大叔母)
結婚式の親族紹介は、どこまでするもの?
基本的には、結婚式に招待した親族全員を紹介する、と考えてOKです。
ただ、あまりにも親族が多く、親族紹介に時間かかってしまいそうな場合は、「伯父伯母・いとこまでにする」などといったルールを明確に決めましょう。
いったんルールを決めたら、”父方のいとこは紹介するが、母方のいとこは紹介しない”といった、不公平なことはしないように。
両親が離婚・再婚している場合は?
両親が離婚し、離れて暮らしている親を結婚式に招待した場合や、親の再婚相手を招待した場合、親族紹介に参加してもらうべきか迷いますね。
この場合、両親と新郎新婦自身の気持ちで決めて構いません。
離婚した親や、再婚相手を親族紹介に呼んではいけない(呼ばなければならない)などの常識はありません。
- 自分の父母として紹介をしたいか?
- 離婚した当人同士(父母)の気持ちはどうか?
- 再婚相手の気持ちは?
などを確認して、家族内で誰も嫌な気持ちにならないようにしましょう。
紹介する際は、通常通り「父母」などの続柄でもいいですし、「親戚」としてあえて明言せずとも構いません。
家族の婚約者は参加する?
結婚式に、例えば兄弟姉妹の婚約者を招待することもあるでしょう。
近い将来、親族になることから、新郎新婦の兄弟姉妹の婚約者が、親族紹介に出席するケースもあります。
婚約者に親族紹介に出席してもらうかどうかは、家族や本人と相談して決めましょう。
親族紹介のやり方には、2つのタイプがある
親族紹介は代表者による紹介と、自己紹介の2つのタイプがあります。
1.代表者が親族を紹介するタイプ
新郎側と新婦側のそれぞれの代表者が、まとめて親族紹介をするタイプ。
代表者は、新郎新婦それぞれの父親が務めることが多いです。
代表者に決まりはないので、母親や兄、伯父などが行ってもまったく構いません。
2.それぞれが自己紹介するタイプ
代表者を立てずに、参加者がそれぞれ自己紹介するタイプ。
親族ゲストの数が少ない時や、親族自身で自己紹介できるのなら、この方法がおすすめです。
また例えば、新郎兄が妻(新郎から見て義理姉)や子供(甥姪)をまとめて紹介するなど、いちいち続柄を説明する必要がない、という点ではスムーズな方法ともいえます。
それぞれが自己紹介するスタイルでも、始まりと終わりを締める、進行役は決めておくといいでしょう。
どのタイプで行うかは事前に決めておく
当日あわてないためにも、どのタイプで行うかを事前に両親と相談しておきましょう。
代表者がまとめて行うタイプが、比較的多いようです。
その際は、紹介する順番に「親族の名前」と「続柄」を書いたメモを用意することをオススメします。
両家の親族が顔を合わせる場では緊張したり、名前をど忘れする可能性もありますよ!
文例付き!結婚式の親族紹介の流れ
ここでは、代表者が行うタイプの親族紹介の流れを、例文付きで紹介します。
1.進行役の挨拶
進行役(式場スタッフ)
「ただいまより、ご両家の皆様のご紹介を行いたいと思います。それでは新郎様のお父様、ご親族の紹介をお願い致します」
2.新郎側の紹介
● 新郎父
「□□家(新婦親族)の皆様、〇〇家の親族をご紹介いたします。
私は新郎の父の〇〇と申します。この度は2人のためにお集まりいただき、誠にありがとうございます。」
「それでは〇〇家親族を紹介させていただきます。こちらは新郎の母親の、〇〇でございます。」
● 新郎母
「新郎の母○○です。よろしくお願いいたします。」
ポイント!
※紹介された人は一言挨拶をし、立っていれば一歩前に出てお辞儀、座っていれば立って一礼します。
時間に余裕がある場合は、新郎(新婦)との簡単なエピソードを添えてもいいでしょう。
● 新郎父
「続いて、新郎の兄夫婦○○と○○、兄夫婦の子の○○でございます。」
「新郎の伯父で、わたしの兄にあたる○○と、その妻の○○です。その隣が、新郎のいとこにあたる○○です。」
ポイント!
単なる「おじ」や「いとこ」だけでは分かりづらいので、新郎の両親との続柄(兄弟姉妹)や、誰のこどもなのかを添えるといいでしょう。
~~中略~~
● 新郎父
「以上でございます。幾久しくよろしくお願い申し上げます。」
● 新郎親族一同 一礼
3.新婦側の紹介
● 進行役
「それでは新婦様のお父様より、ご親族の紹介をお願いいたします」
● 新婦父
「〇〇家(新郎の親族)の皆様、□□家親族をご紹介いたします。私は新婦の父の〇〇と申します。」
~~中略~~
● 新婦父
「以上でございます。幾久しくよろしくお願い申し上げます」
5.結びの挨拶
● 進行役
「以上をもちまして、親族紹介とさせていただきます。本日より、末長いお付き合いのほどを、何卒よろしくお願い申し上げます。」
● 新郎新婦親族一同
「よろしくお願いいたします」
結婚式の親族紹介のマナー
どんなスタイルで結婚式を行うとしても、親族紹介にはおさえておきたいマナーがあります。
親族を紹介する順番
親族紹介で抑えておきたいマナーの1つが、紹介する順番です。
新郎家→新婦家、父方→母方 の順ということはすでに解説しましたが、ほかにも注意する点があるのでチェックしておきましょう。
- 新郎側親族→新婦側親族
- 父方親族→母方親族
- 血縁の濃い順に紹介する(一親等から)
- 男性から紹介する(夫婦など場合)
- 同じ親等の場合は、年齢順でOK
親族紹介では、敬称はつけない
相手の親族に対して身内を紹介するものなので、親族紹介では敬称はつけません。
○「新郎の伯父の○○でございます」
×「新郎の伯父の○○さんです」
忌み言葉は使わない
結婚式なので、忌み言葉は使うのはタブー。
親族紹介が終了する時でも「終わります」とは言わず、「以上です」などと表現して!
こんな時はどうする?親族紹介のよくある質問集
親族紹介について、気になる点をまとめてみました。
親族紹介をする時の立ち位置(並び方)は?
基本的に挙式や披露宴と一緒で、中央が新郎新婦、中央に向かって左側が新郎、右側が新婦の親族が座ります。
新郎新婦に近い方から、紹介する順番に並んでもらった方がいいでしょう。
より分かりやすくするために、親族紹介の一覧表や席次表を用意するしっかりものの花嫁さんもいます。
欠席者がいる場合
欠席となる親族がいる場合は、その親族の順番か親族紹介の最後に、欠席であることと、その理由を簡単に伝えます。
理由が伝えにくい場合は「体調不良」「都合により」など、あれこれ勘繰られないようにスマートな対応を。
「新郎姉の○○は本日、出産直後のため欠席しております」
家族・親族が他界している場合
父母などの家族・親族がすでに亡くなっている場合、新郎新婦や家族の気持ちを優先して、紹介するしないを自由に決めて構いません。
とはいえ、例えば父母など、亡くなった家族を紹介をしないことで、不在であることを不審に思う人もいるかもしれません。
あれこれ詮索されると嫌、という場合は、一言だけ、他界していることを言いましょう。死因やいつ亡くなった、などの詳しい理由を話す必要はありません。
「新郎母の○○です。新郎の父△△は、5年前に他界しております。」
婿養子に入る場合
婿養子の場合は、新婦側から先に親族紹介をすることもありますが、あまりこだわらず新郎側から行って構いません。
親族の中には形式にこだわる人がいるかもしれないので、心配な時は親族紹介を始める前にとひと言入れておくといいでしょう。
「慣例にならって、新郎側から紹介を始めたいと思います。」
結婚式で親族紹介をしないのは非常識?代わりの方法は?
親族紹介は基本的には行うものですが、会場は式次第の関係で、時間や場所が十分とれないこともあります。
また両家のどちらかで、親族が非常に少ないなどの事情もあるでしょう。
両家で「親族紹介は行わなくてもいい」と考えが一致すれば、無理に行うことはありません。
その際は、披露宴中や結婚式の合間をぬって、両家の親が挨拶をして回るなどの気配りがあるといいですね。
プロフィールブックやムービーで親族紹介をする
家族挙式や親族婚であれば、無理して親族紹介の時間を別にとる必要はありません。
- プロフィールブック(パンフレット)に、家系図などを入れる
- 披露宴中のムービーで、親族紹介のスライドを入れる
- 披露宴中(食事会中)に、親族紹介を行う
など、結婚披露宴の最中に、プログラム(演出)の一つとして親族紹介を組み込むのもおすすめです。
まとめ
- 親族紹介はこれからのお付き合いにつながる大事な機会
- 親族紹介をする時は、新郎(新婦)側からみた続柄で呼ぶ
- 親族紹介は敬称はつけず、忌み言葉はタブー
- 親族紹介の順番は新郎→新婦、父方→母方で年齢順ではなく血縁の濃い順番で
挙式や披露宴のことばかりに目がいってしまいがちですが、両家の親族を紹介し合うのも大事なセレモニー。
滞りなくすませ、今後のよいお付き合いにつなげていきたいですね。