感謝の気持ちをお返し!結婚内祝いの意味や熨斗(のし)マナーを解説
挙式の日取りが決まり、列席してもらう招待客に招待状も出した。
この頃になると「おめでとう」の言葉とともに、新郎新婦の幸せな生活を願って、お祝いが届くこともありますよね。そこで気になるのは、いただいたお祝いのお返しではないでしょうか。
結婚式に列席してくれるゲストには引き出物を渡しますが、それ以外の人へはどのようにお返しすればよいのでしょうか。
内祝いってなに?引き出物とは違うの?
結婚のお祝いのお返しには、「引き出物」と「内祝い」の2種類があります。
- 引き出物…披露宴に列席してくれたゲストに、その場で渡すお土産
- 内祝い…披露宴に参加しなかった人から結婚祝いをもらった際に渡す、お返しの品。もともとは慶事の際に親族や隣近所へ配った、幸せのおすそ分け
披露宴に列席をするかしないかで、引き出物か内祝いかが決まるのです。
【結婚内祝いの基本マナー】贈る相手はどんな人?時期はいつ?
それでは、結婚内祝いの基本的なマナーをみていきましょう。
まずはお祝いしてくれたお礼を伝えよう
お祝いを渡された時点で感謝の気持ちを伝えていると思いますが、家に帰ってからもう一度お礼を言うのが丁寧です。
人によっては、もらったときと家に帰ってからの2回お礼を言うのが常識、と考えていることもあります。
一番丁寧なのは電話ですが、メールやLINEを使っても問題ありません。相手によって使い分けるといいでしょう。
結婚祝いのお返しを渡す相手
基本的に内祝いは、披露宴に列席しなかったけれどお祝いをくれた人へ贈ります。
- 披露宴に参加してくれた上、相場よりも高額なご祝儀を贈ってくれた
- ご祝儀以外にプレゼントをもらった
といった場合も、「プラスのお祝いをありがとう」という意味から内祝いを贈るのが丁寧です。
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結婚内祝いを贈る時期
結婚内祝いは、無事に結婚式を済ませたことの報告も兼ねています。ですから結婚式の後に贈るのが本来の形です。
挙式後2週間〜1ヶ月以内に渡すようにしましょう。
入籍のみの場合は、お祝いをもらってから1ヶ月以内にお返しを渡すのが一般的です。
結婚内祝いには熨斗(のし)をつけるのが正式なスタイル
正式な贈り物である結婚内祝いには、熨斗(のし)をかけるのが正しいスタイルです。
一般的には熨斗鮑(右上の飾り)と水引(中央の帯紐)が印刷された、熨斗紙を使います。
肉、魚介類を贈る場合の熨斗紙
肉や魚介類を贈り物にする場合は、例外的に熨斗鮑なし、水引のみの熨斗紙を使うのがしきたりです。
古来、お祝い事には高価で貴重な生もの、特に生アワビが贈られていました。この生アワビ(生もの)の代用品が熨斗鮑。
肉・魚介類は生鮮食品ですから、わざわざ生ものの代用品である熨斗鮑をつける必要がないんです。加工食品であるハム・鰹節などを贈る際も、水引のみの熨斗紙でOKです。
間違えやすい!水引の結び方
熨斗は贈り物の用途によって使い分けをします。大きく変わるポイントは水引で、「結び方」「色」「本数」の3箇所に気をつけてください。
結婚内祝いでは、一度結んだらほどけないという願いを込め「結びきり(ま結び)」にします。水引の先端が上を向いた、V字のようなデザインです。結び目がほどける「もろわな結び(ちょうちょ結び)」は結婚関連の贈り物では使えません。
色は慶事用の紅白を使いましょう。
本数は10本のものがふさわしいとされています。
慶事のお返しなどでは「割り切れないよう」にという意味合いから奇数である「5本で1束」の水引が一般的。ただし結婚のお祝いの場合は、新郎・新婦、両家の結びつきを表すために「5本の束を2筋」つまり10本の水引を使うんです。
熨斗紙の書き方。贈り主の名前は連名にする必要なし
熨斗(のし)の表書きには、上半分に贈り物の目的を、下半分に贈り主の名前を書きます。結婚内祝いの場合、以下のように書きましょう。
- 上半分→寿or内祝
- 下半分→贈り主の名前(新姓)
両家そろって渡す引出物と違って、内祝いはもらった本人からのお返しです。基本的には新郎新婦の新姓だけでOK。2人宛でお祝いをもらった場合は、下の名前を連名にすることもあります。
熨斗に旧姓を併記するのはマナー違反となります。「誰が贈ったか分かってもらえないかも…」と不安なら、熨斗は新姓にしつつ、旧姓を併記したメッセージカードを添えると良いでしょう。
なお手書きする場合は万年筆やボールペンではなく、真っ黒の毛筆・筆ペンを使って書きます。色が薄いと弔辞用になるので、注意してくださいね。
熨斗のかけ方
熨斗紙のかけ方は「内のし」「外のし」の2パターンがあります。
内のしでは「箱→のし→包装紙」の順番にラッピングします。元々幸せのおすそ分けといった意味のある結婚内祝いでは、熨斗が見えず控えめな印象となる内のしで贈るのが一般的。
一方の外のしでは「箱→包装紙→のし」の順番に包装します。表書きが見えるので贈り物の目的が分かりやすく、結婚祝いやお歳暮で使われます。
結婚内祝いの金額はいくら?相場ってあるの?
贈り物をもらった際のお返しは「半返し」が基本マナーです。
もらったお祝いの半分より高額でも安価でも、相手に不快に思われることが多いので、品物選びの際は価格によく注意してください。
上司や親戚から、高額なお祝いをもらったときの予算
目上の人・年上の人へ贈る結婚内祝いは、「3分の1の額」を目安に選ぶのが一般的です。
上司や親族からもらう高額なお祝いは、結婚祝いのほかに支援の意味が含まれていることも多いです。
そのため半分もお返しすると、相手の好意をムダにしてしまうかもしれません。
職場の人や友達から、連名でお祝いをもらったときの予算
「職場有志」「友人一同」など、大人数から連名でお祝いをもらうのも、ありがちなパターン。
結婚内祝いはフォーマルな贈り物ですから、基本的には一人ひとりに品物を渡します。1人あたりの金額を計算して、半返ししましょう。
なお連名の場合、半返しにすると1人あたりの予算が300円などの少額になることも。1人あたりの予算が少なすぎる場合は、お菓子の詰め合わせなどでまとめてお返しすることもあります。
郵送で結婚内祝いを贈るなら、メッセージカードやお礼状をつけると丁寧
正式なマナーでは、相手の自宅に直接訪問して結婚内祝いを手渡しします。そうは言っても時間や仕事、距離的な問題で直接渡すのが難しいこともありますよね。
手渡しが難しいときは郵送でも問題ないとされています。ただし相手に「郵送なんて失礼!」と思われないために、以下のポイントを押さえましょう。
- 事前に、郵送で結婚内祝いを贈ることを伝える
- メッセージカードやお礼状を添えて、感謝の気持ちと直接渡せない謝罪を伝える
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結婚内祝いにオススメ!定番アイテム
内祝いのマナーは理解したとして、一番悩ましいのがどんな品物を結婚内祝いにするかです。
贈り物に対しては、いろいろな捉え方があるので、保守的な選択をするのが無難ですよ。結婚内祝いで定番のアイテムを3つ紹介します。
人気の内祝いランキング上位!カタログギフト
結婚関係の贈り物といえば、やっぱりカタログギフトですよね。複数のアンケート調査※でも安定した人気を集めています。
「好みのものを選べる」と相手に喜んでもらいやすいところがポイントです。
ユニークなカタログも沢山あるので、贈る相手の好みに合わせてチョイスしてみましょう!詳しくはこちらの記事で紹介しています。
※【100人に調査】結婚祝いのお返しで本当に喜ばれるプレゼント
アンケ調査!本当にもらってうれしい内祝い人気ランキングTOP10 | 内祝いプラス
本格的な味が楽しめる食材セット・お菓子
料亭の味の詰め合わせ、生パスタとパスタソースのセット、老舗の味の詰め合わせなど、作る過程を楽しめる食材セットは、料理好きやグルメには喜ばれるお返しです。
豪華なお菓子も、定番の贈り物です。
ポイントは自分では買わないような、ちょっと良いお店のものを選ぶこと。
高級リネン類
何枚あっても困らないのがリネン類です。
たとえば今治産のタオル、オーガニック素材にこだわったシーツなど、自分ではなかなか買わないこだわりの品をチョイスしてみましょう。
内祝いで贈らないほうがいい品物
なかには贈り物にはふさわしくない、と考えられている品物もあります。「相手の趣味や価値観をよく知っている」「リクエストされた」といった場合以外は、贈らないほうが余計なトラブルを生みません。
- 刃物→「切れる」ということで縁起が良くない
- ハンカチ→死者の顔にかける布を連想させる
- 商品券→金額が露骨に分かる
- 靴下→踏みつけるイメージがある
定番の陶器やグラスも、避けておくのが無難です。「ペア」のものならOKという考えもありますが、本来は「割れ物」ということで縁起が悪いとされてきました。
また食器などは、好みやライフスタイルに合わないと、もらっても迷惑に思われてしまいます。
まとめ
- 内祝いとは、披露宴に出席していない人へ渡す、結婚祝いのお返し
- 結婚内祝いの相場は、もらった金額の半返し
- 目上の人、年上の人、高額なお祝いをくれた相手へは「3分の1」が予算目安
- 贈るタイミングは挙式後2週間〜1ヶ月以内。入籍のみの場合は、もらってから1ヶ月以内
- 熨斗をつけるのが正式なマナー
- 贈り物に悩んだら、「カタログギフト」「食材・お菓子」「高級タオル」が無難
結婚内祝いのマナーについてまとめました。
感謝の心を返しつつ、幸福のおすそわけもするのが内祝いです。
マナーをふまえつつ、真心の伝わるような品物を選んでくださいね。