【ブライダルローンとは?】 結婚式の費用をローンで払う時に知っておくこと
結婚資金が足りない時に強い味方になってくれる、ブライダルローン。
ローンを組むことで夢の結婚式が実現できるのはうれしいのですが、「金利は何%?」「審査基準はどうなの?」「月々いくら返済すればいいの?」という現実的な問題もさけて通れません。
ブライダルローンの特徴や審査基準、金利や返済期間ごとの返済シミュレーションを説明します。
ブライダルローンとは「結婚資金」のためのローン
ブライダルローンとは、使い道を「結婚資金」に限定したローンのこと。
「住宅ローン」や「マイカーローン」などのような「目的ローン」の1つです。
ブライダルローンは、結婚式場への支払いはもちろん、以下のような目的で使うことができます。
- 婚約指輪購入
- 結納
- ブライダルエステ
- 新婚旅行
- 結婚後の新居のための資金
- 家具などの購入
結婚費用の調達に苦労しているカップルには救世主とも感じられるブライダルローンですが、メリットとデメリットを確認しましょう。
ブライダルローンのメリットは、金利が低いこと
ブライダルローンのメリットは、カードローンに比べて金利が低いこと。
使い道が自由なカードローンは、金利1.8〜18%台と幅広く設定されています。
一方ブライダルローンの金利は、金融機関によって差が出るものの、約3〜10%と低く設定されています。
新生活での月々の支払いを考えると、金利が低いのはうれしいですね。
ブライダルローンのデメリットは、審査が厳しいこと
ブライダルローンのデメリットは使い道が「結婚」に限定されてしまうこと。
そして、金利が低い分、審査が厳しいこと。
審査に通らなかったり、時間がかかって結婚式場への支払いに間に合わないこともあります。
また忘れてはならないのが、「返済」について。
新婚生活早々、借金の返済に追われるのが最大のデメリットともいえます。
ブライダルローンの基礎知識。審査基準や返済期間
ブライダルローンの申込みにはまず審査があります。
審査基準や、審査期間を確認しておきましょう。
ブライダルローンの審査基準は、カードローンより厳しい
カードローンに比べて金利が低い分、ブライダルローンの審査は厳しくなります。
審査基準は金融機関によって異なりますが、以下のことは大前提。
- 毎月安定した収入がある
- 年齢制限をクリアしている
ローンを組むための年齢制限は多くは20歳以上。
ただし18歳以上なら可能だったり、親の名義で借りることが可能なブライダルローンもあります。
ローン申請時に必要なもの
ローンの申込時に提出するのは、基本的に以下のものが必要です。
- 本人確認書類(運転免許証やパスポートなど)
- 収入証明書(源泉徴収票、課税証明書など)
- 結婚式の見積書など
ブライダルローンの審査期間は?
ブライダルローンの審査期間は1~2週間ほどかかります。
結婚式場の最終見積が出るのは、挙式2週間前くらいなので、前払いの場合、資金が足りないことがわかってからブライダルローンを申し込んでも間に合わないかもしれません。
前払いの資金としてローンを組むことを考えている場合、最終見積もりを急いでもらったほうがよさそうです。
ブライダルローンの審査が通らないこともある
ローンの審査については「安定した支払いができるか」が重要視されます。
次の4つにあてはまるものがある場合は、ブライダルローンがとおらないこともあるので要注意。
- 雇用形態がアルバイトなどで、不規則かつ年収が低い
- 勤続年数が短い
- 勤務先で本当に働いているのかを確認できない
- 信用情報にキズがある(滞納、未払いなど)
信用情報とは、ローンやクレジットカード払いの遅延や滞納に関するデータで、これまでの支払いが悪いと審査に通らなくなってしまいます。
ちなみに3ヶ月以上滞納した場合は、いわゆるブラックリストに掲載され、新規ローンの審査には通ることはありません。
Column
奨学金の返済中でもローンは組める?
奨学金は借金ではないので、返済の途中でもブライダルローンを組むことができます。
ただし、無断で奨学金の返済を遅らせていると審査に影響を与えることがあるので要注意。
ローン返済期間は10年以内
金融機関によってさまざまですが、ブライダルローンの返済期限は、10年以内のところが多いようです。
もちろん返済期間が長いと、毎月利息を払い続けることになるので、トータルの返済額は高額になります。
月々の支払例と、返済期間別の利息の目安は、記事の後半でご紹介します。
ブライダルローンを組んで後悔しないために考えること
ブライダルローンは、借金であることに変わりありません。
ローンが通って結婚式場への支払いを無事終えたとしても、結婚生活のスタートから月々の返済に追われることになります。
結婚しても妊娠・出産などでお金がかかることはたくさんあるので、ローンを組むことは自分たちにとって最善かどうか、まずきちんと考えてみましょう。
借金してまでやりたい?結婚式見積もりを見直す
- 憧れのウェディングドレスを着たい!
- お色直しは最低でも2回以上やりたい
- 演出はたっぷり、盛大にやりたい
- 友人にケチったと思われたくない
など、結婚式はこだわればこだわるほど、お金がかかっちゃいますよね。
プランナーや周りの友人には「一生に一度だから!」と言われるかもしれませんが、すこし冷静になってみて。
改めて式場見積もりを見直して、節約できそうな項目を洗い出してみましょう。
- 演出の数を減らせないか?
- お色直しの回数は1回だけ、もしくはしない
- 装花は生花を削って、造花にする
- ペーパーアイテムは手作りして節約
- 代わりの演出で安くする など
各項目でたとえ1万円~2万円程度しかやすくならなくても、塵も積もれば山となる、と考えて。
Column
結婚式か新婚生活か、どっちで節約する?
結婚式のあとに、インスタグラムや友人の結婚式をみると、「この人みたいにやりたかった」と後悔するのは、あるある。
どうしても隣の芝生は青く見えるものですよね。
- 予算オーバーでも、一生に一度の結婚式を盛大にやる!新婚生活は節約
- 結婚式はがんばって節約。その分新婚旅行に行ったり、余裕ある新婚生活を送る
どっちを選んでも、後悔してしまうものなのかもしれません。
結婚は花嫁さんだけのものじゃないので、彼ともじっくり話し合ってくださいね。
しっかりと返済計画を立てる
マイカーローンや住宅ローンの場合は最悪、車や家を売却してローンを返済することもできます。
ただしブライダルローンの場合、お金に換えるモノがありません。
ローンを返済するために親から借金する、金融機関から借りる、なんてことは避けたいもの。
夫婦でブライダルローンの返済計画を、きちんと話し合っておくことが何よりも大切です。
最低でも以下の項目は、話し合っておいて、2人の価値観をあわせておくことをオススメします。
- 妻の収入
- 夫の収入
- ローン返済額の分担方法
- 2人の生活費(負担割合や管理の仕方)
- お互いの金銭感覚(何にお金をかけたいのか、など)
結婚費用をローン払いする場合の返済方法
ブライダルローンの返済方法は、一括払いか分割払い。
結婚式後にご祝儀で一括払いならするなら、利息の負担額が少なくてすみます。
分割払いにすれば月々の返済額が低くなり、残ったご祝儀を他のことに使えます。ただし返済期間が長くなる分、利息負担額が増えます。
ローンをご祝儀で返済することは可能?
ご祝儀返済は、月々の返済額として決めた額とは別に、残りの分を返す「繰り上げ返済」にあたります。
金融機関の中には、繰り上げ返済に手数料がかかることがあるので要注意。
結婚式当日にいただいたご祝儀で、一気にブライダルローンを返済したい場合、あらかじめ金融機関に伝えておきましょう。
ご祝儀で一括払いしようと考えているなら、「繰り上げ返済手数料無料」「●日間無利息」というブライダルローンを検討してみて。
ブライダルローンでいくら借りる?ローンの組み方&返済例
ブライダルローンを組む時は借り過ぎに注意!
あくまでも、足りない分だけ借りるようにしましょう。
■ ブライダルローンの組み方の例
1)親の援助あり、式場前払い
400万円=[親の援助200万円] + [2人の結婚資金100万円] + [ブライダルローン100万円]
2)親の援助なし、ローン返済をご祝儀払いで行う
400万円=[2人の結婚資金50万円] + [ご祝儀(予想額)200万円]+[ブライダルローン50万円]
※ご祝儀が予想よりも少ないと足りなくなる可能性がある
ブライダルローンの返済スケジュール(1年~5年)
実際に100万円のブライダルローンを組んだ時に月々の返済はどうなるのか、気になりますよね。
ゆうちょ銀行とスルガ銀行の「パーソナルローン夢航路のハッピープラン(※)」でシミュレーションしました。※無担保・最高1,000万円・最長10年・固定金利7%
● 返済期間1年
毎月の返済額:86,526円
1年間の返済額:1,038,312円
返済総額:1,038,312円
● 返済期間2年
毎月の返済額:44,772円
1年間の返済額:537,264円
返済総額:1,074,528円
● 返済期間3年
毎月の返済額:30,877円
1年間の返済額:37,0524円
返済総額:1,111,572円
● 返済期間5年
毎月の返済額:19,801円
1年間の返済額:237,612円
返済総額:1,188,060円
「金利○%」と言われてもピンときませんが、シミュレーションしてみると返済額が一目瞭然。
1年返済の場合、月々の返済額は86,526円と高額で、新婚生活には大きな打撃となることが予想されます。
5年返済の場合、月々の返済額は19,801円と低く済みますが、結局188,060円も利息を支払うことになります。
月々の返済額とトータルの利息を考えて、何年で支払いを終えるのかというスケジュールをかしこく組みたいですね。
結婚資金が足りない!ブライダルローンは、こんなときに使おう
結婚式の費用は、2人の貯金がベースになりますが、足りない分はご祝儀や親からの援助を受けてやりくりするのが一般的ですね。
結婚式場への支払い方法は大きく分けて、前払い・結婚式当日払い・後払い(翌日以降払い) の3つ。
挙式予定の結婚式場が、結婚式当日払いや後払いならご祝儀を支払いに充てる(ご祝儀払い)ことができますが、前払いのみの場合は結婚資金が足りず困ってしまいますね。
また「結婚式にはこだわりたいから」と費用がかさむのはよくあること。
「すぐに結婚したい」「貯金は崩したくない」「親には頼りたくない」など、カップルによってさまざまな事情もあります。
そんな風に、どうしても結婚費用が準備できない時に強い味方になってくれるのが、ブライダルローンなのです。
結婚費用のブライダルローンが組める金融機関を比較
ブライダルローンの申し込みは金融機関に直接行くほか、郵送やインターネットでも手続きできます。
代表的な結婚式用ローンをご紹介します。
なおブライダルローンはすべての銀行で取り扱っているわけではありません。
給料振込口座のある銀行なら返済に便利ですが、ブライダルローンの扱いがない場合もあるので注意しましょう。
ゼクシィ結婚式費用立替えプラン(スルガ銀行)
リクルート(ゼクシィ)とスルガ銀行が提携した「ゼクシィ結婚式費用立替えプラン」。
最大3ヶ月間、無利息&無返済期間なのがポイントです。
つまり結婚式前にローンを組み、ご祝儀などを使って返済日までにすべて返せば利息はゼロ。
金融機関に結婚費用を立て替えてもらうのとまったく同じです。
口座自動引き落としによる返済の他、ゆうちょ銀行ATMやコンビニATMなどから手数料無料で随時入金できるのもうれしいポイント。
ブライダルローン(楽天銀行)
ネットバンク楽天銀行の、プライダルローンプランです。
金利は固定金利で7.0%、最高300万円まで借りることができます。
残金の一部もしくは全額の繰り上げ返済も可能なので、ご祝儀返済を希望している方は相談をしてみましょう。
楽天カード同様に、スマホやパソコンで簡単に申し込みができるので、忙しいカップルにはよさそう。
ライフエンジェル
ブライダルローン専門会社の「ライフエンジェル」。
結婚式場が提携しているブライダルローンなので、式場で申し込むこともできます。
提携式場なら、ローンで借りられる最高額は、見積額総額というのもポイント。
極端に言えば、結婚式費用のほとんどをローンで支払うこともできるということですね。
分割の場合、金利は8.70%~。ご祝儀一括払いなら、14.6%~。
プレシャンテ(ジャックス)
クレジットカードで有名な、ジャックスが手掛けるブライダルローン「プレシャンテ」。
全国400以上の結婚式場と提携している、というのが安心感がありますね。
あらかじめローンを組むことを決めているなら、サイトから提携式場を検索し、ローン払いで申し込むこともできます。
金利は固定金利で6.50%、最高500万円までかりることができます。
その他フリーローン(ゆうちょ、みずほ銀行など)
ブライダルローン専用のプランがなくても、大手都市銀行などでは「フリーローン」として結婚資金を借り入れできます。
ゆうちょ銀行×スルガ銀行「パーソナルローン ハッピープラン」
金利7.000 %/最高1,000万円/最長10年
ろうきん(中央労働金庫)「フリーローン」
金利年6.105%~/最高500万/最長10年
みずほ銀行「多目的ローン」
金利年5.875%~/最高300万/最長7年
三井住友銀行「フリーローン(無担保型)」
金利年5.975%~/最高300万/最長7年
まとめ
- ブライダルローンとは、使い道目的を「結婚」に限定した目的ローンのひとつ
- ブライダルローンは金利が比較的低い
- 結婚式場への支払いが前払いのみの時、ブライダルローンを組むのも選択肢の1つ
- 最大3ヶ月無利息になるブライダルローンもある
結婚費用が足りない時に助けてくれる便利なブライダルローンですが、結婚生活のスタートから返済に追われる生活は大変です。
本当にローンを組むかどうか、組むと決めたら金利、返済方法返済期間などをよく比較検討することをオススメします。