結婚後の名義変更(氏名変更)、賢い手続きの順番とポイント
結婚して氏名や住所が変わったら、変更手続きが必要となります。
運転免許証やマイナンバーカード、銀行口座に生命保険、パスポート、携帯電話などなど、いくつもあって大変ですよね…。
今回は、賢い手続き行うための順番とポイントを紹介します。
この記事のポイント!
- 結婚後苗字が変わる人向け
- 名義変更の順番(ベストタイミング)がわかる
名義変更(氏名変更)の届け出はいつまでにしたらいい?
名義変更(氏名変更)の届け出は「いつまでに」という決まりはありません。
ただ、新姓となってから身分証明できない、病院にかかることになっても保険が適用されないなどあったら困りますよね。
変更手続きはできるだけ早く済ませるのがオススメです。
ちなみに住所変更(転入届)に関しては、引越しをしてから2週間以内の手続きが必要です。
入籍が先?引越しが先?名義変更の「賢い」手続きの順番
名義変更(氏名変更)の手続きの順番に大きく関係してくるのが、「婚姻届の提出(入籍)」と「引越し」のタイミング。
カップルの事情によって様々なパターンがありますが、主に次の3パターンが考えられます。
- 引越し⇒婚姻届提出(2週間以内)
- 引越し⇒婚姻届提出(2週間以上あと)
- 婚姻届提出⇒引越し
この中で一番、手続きがスムーズなのは、婚姻届と転入届を同日に役所に提出できる、1.引越し⇒婚姻届提出(2週間以内)するパターンになります。
Column
引越し後、婚姻届を出すカップルが56%
「マイナビウエディング」のアンケートによると、先輩カップルの56%が先に引っ越しを済ませてから婚姻届を提出しています。さらに、婚姻届を提出してから結婚式を挙げているカップルが68%!
このアンケートから、
引越し ⇒ 婚姻届の提出 ⇒ 結婚式
といった順番で、新生活をスタートさせているカップルが多いことがうかがえそうですね。
1.引越し後、すぐ(2週間以内)に婚姻届を提出する
- 転出届提出
- 引越し
- 婚姻届提出
- 転入届提出
- 住所変更(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
- 名義変更(運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど)
引越しをして、すぐ(2週間以内)に婚姻届を提出するカップルはこちらの順番で。
引越し後するに入籍をすると、免許証などの「住所変更」と「名義変更(氏名変更)」が一度にできるのでとってもラクチン!
最も効率的に名義変更を進められます。
役所で行う手続きはまとめて、1回で行う
ポイントは、役所での手続きをすべてまとめて行ってしまうこと!
- 婚姻届提出
- 転入届提出
- マイナンバーカード(通知カード)
- 国民健康保険・国民年金
- 新しい住民票取得
これらの手続きをまとめて行うことで、役所に行く回数が1回で済みます。
重要なのは、婚姻届→転入届の順に提出をすること。
役所の後に警察署など、上手にまわれば1日ですべての手続きを終えることもできます!
この場合で名義変更手続きを進める人のモデルコースはこちら!
2.引越し後、2週間以上経ってから婚姻届を提出する
- 転出届提出
- 引越し
- 転入届提出
- 住所変更(運転免許証やマイナンバーカードなど)
- 婚姻届提出
- 名義変更(運転免許証やパスポートなど)
先に引越しをして、一緒に暮らしてから婚姻届を提出するカップル(同棲カップルなど)はこちらの順番で。
引越し後に、婚姻届を出したい日にちが明確に決まっている!というカップルに多いパターンですね。
上の図でいうと、④と⑤の間がしばらく空く場合になります。
住所変更と名義変更で、2回の手続きが必要
この場合、同じような手続きを2度行う必要があります。
- 引越しの際の、住所変更
- 入籍後の、名義変更
例えば、転出届提出と婚姻届提出のために2度役所に行く必要がある、免許証やマイナンバーカードの書き変えも2度行うことになる、など。
ただし、彼(彼女)と一緒に住んでから、落ち着いて各種変更手続きや結婚準備を進められるというメリットも。
ちなみに引越し後、パスポートは本籍地が変わらない場合、住所変更の手続きは不要です。
婚姻届提出後も、本籍地の都道府県が結婚前と変わらなければ、名義変更(氏名変更)だけでOK。
3.婚姻届を提出してから、引っ越しをする
- 婚姻届提出
- 名義変更(運転免許証やパスポートなど)
- 転出届提出
- 引越し
- 転入届提出
- 住所変更(運転免許証やマイナンバーカードなど)
婚姻届を提出してから引越しをするカップルは、こちらの順番で。
この場合、引越し・転入届提出の前に、名義変更(氏名変更)の手続きを済ませておくのがポイント。
上の図でいうと、④までに名義変更手続きだけは、終わらせておくのがベストです。
引越してから、住所変更と一緒に名義変更をまとめてやろうと思っていると、以下のような面倒が起こることも…。
- 旧姓のままでは身分証明できない
- 会社からの給与支払いで振り込みができなくなる
など。
入籍後は名義変更、引越し後は住所変更で、2回に分けて手続きが必要
- 運転免許証
- パスポート
- 銀行口座(特に給料が振り込まれる口座!)
- クレジットカード
など名義変更(氏名変更)は、婚姻届を提出したらすぐに行いましょう。
そして引越し後に、今度は各種住所の変更手続きをします。
ただし、パスポートに関してはちょっと注意が必要。
航空券を旧姓で発券している場合は、パスポートも旧姓のままにしておきます。
航空券とパスポートの名前が一致していないと渡航できなくなるので、帰国してからパスポートの名義変更(氏名変更)を行うようにしましょう。
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結婚の名義変更手続きをスムーズに進めるためのポイント
1.名義変更、住所変更が必要なものリストを作っておく
名義変更が必要なリストを作り、終わったらチェックしておきましょう。
- 健康保険証
- マイナンバーカード・通知カード
- 運転免許証
- 車(車検証)
- パスポート
- 銀行口座
- クレジットカード
- 電気・ガス・水道
- 生命保険・損害保険
- 携帯電話
- インターネット・ケーブルテレビ
- ネット通販
- 国家資格など
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2.新姓の印鑑の準備をしておく
入籍後に転入届を提出する場合、新姓の印鑑が必要になります。
その他、国民年金や国民健康保険の氏名変更でも必要になるので、入籍前に準備しておきましょう。
認印、銀行員、実印で、3種類作っておくことをオススメします。
3.戸籍謄(抄)本の準備は、婚姻届提出の2週間前に
本籍地以外の役所に婚姻届を提出する人は、戸籍謄本が必要です。
戸籍謄(抄)本の取得は、戸籍がある役所(本籍がある役所)でしか取得できません。
郵送してもらうことも可能ですが、取得には時間がかかります。
婚姻届を提出する、2週間前から戸籍謄本を準備をするようにしましょう。
4.婚姻届は不備がないように記入する
婚姻届に不備があると、このあとのすべての手続きが滞ってしまいます。
不備があった婚姻届の理由の多くは、婚姻する当人または証人の印鑑が、シャチハタなどゴム印だったというケース。
また窓口では本人確認書類(運転免許証など)の提示も必要となるので、提出の際は持参を忘れないように!
5.住民票の写しを多めに取得しておく
引越し後の新住所の住民票の写しは、国民健康保険や、運転免許証の名義変更(氏名変更)で必要となります。
また運転免許証を持っていない人にとって、住民票の写しは本人確認書類として使用できます(ただし顔写真がないので、健康保険証など2種以上の提示が必要)。
入籍後の名義変更の場面で、住民票の写しが急に必要となった場合、役所にまた行って取得するのは面倒ですよね。
住民票の写しは多めに取得しておくとよいでしょう。
なお住民票(写し)には、本籍地が載っているもの、載っていないものがあります。
運転免許証の名義変更で必要なのは、本籍地記載の住民票なので注意してください。
婚姻届提出後の、新姓・新本籍地が記載された住民票の写しは、すぐに取得できるのでしょうか?
渋谷区役所と世田谷区役所に電話で聞いてみたところ、どちらも、婚姻届提出・転入届提出した当日に、新姓・新本籍地が記載された、住民票の写しを取得できることが確認できました。
ただし自治体によっては、多少時間がかかることもあるそうなので、事前に確認をしておくのがオススメです。
ここで注意したいのは、婚姻届の提出先と、引越し(転入)先が異なる場合です。
A県A市に引っ越して、転入届を出した。後日、B県B市役所で婚姻届を提出した。
A県A市に引っ越した。A市役所で婚姻届と転入届を提出した。
①の場合、住民登録をした場所と、婚姻届を提出した場所が異なるので、新しい住民票を取得するまでに、1週間ほど時間がかかります。
理由は住民票に記載する、新しい戸籍情報が手元にないから。
住民登録する場所(転入先)とは別の役所に、婚姻届を提出しい場合は、婚姻届をだした役所で「婚姻届受理証明書」をもらっておきましょう。
婚姻届受理証明書を提出すれば、入籍日(転入日)当日に、新しい住民票を取得することができます。
6.婚姻届提出時に、婚姻届受理証明書をもらっておく
婚姻届受理証明書とは「婚姻を正式に認めますよ」という公文書です。
入籍後(婚姻届の提出後)すぐ、あたらしい戸籍ができるわけではありません。
新しい戸籍ができるまで1週間前後かかることもあり、すぐには新姓の戸籍謄本を入手できません。
パスポートの名義変更(氏名変更)には戸籍謄本が必要なので、代わりに「婚姻届受理証明書(有料)」※1)を取得しておくと便利です。
パスポートの名義変更時に戸籍謄本の代わりに使えます。
婚姻届を提出する際に、一緒に取得しておきましょう。
※婚姻届受理証明書が使える場面
- 本籍地と住民票の住所が異なる場合の、住民票の取得
- パスポートの新規発給・変更手続きで必要となる戸籍謄(抄)本の代理書類として(申請時のみ)
- 失業保険の受給手続き
- 結婚したことを会社に届けることが必要な場合
7.携帯電話、銀行口座、クレジットカードなど変更書類を取り寄せておく
携帯電話や銀行口座、クレジットカードなど、名義変更に必要な書類を、あらかじめ取り寄せておくことをオススメします。
携帯電話は、家族割など新たなプラン加入も検討もしたいですね。
入籍後の名義変更(氏名変更)手続きは1日で済ませる!モデルコース
結婚後の名義変更手続きは、平日にまとめて行うことをオススメします。
まずは役所での届出や変更手続きを済ませ、婚姻届受理証明書や新しい住民票など、その後の手続きに必要な書類を取得するようにしましょう。
役所は混んでいると届出の受理、住民票の写しなどの発行に時間がかかることもあります。
その後の手続きのスケジュールを考えると、開庁してすぐ~10時ぐらいまでに役所に出かけることをオススメします。
運転免許証を持っている人は、役所の手続きのあと、その足で最寄りの警察署へ行くこと。
ただし、昼休みのある警察署もあるので、受付時間を確認しておきましょう。
次に、【1.引越しをして、スグ(2週間以内)に婚姻届を提出する】パターンで、1日のモデルコースを紹介します。
9:00 新居の最寄りの役所へ
- 婚姻届を提出
- (必要な場合のみ)婚姻届受理証明書を取得
- 転入届を提出
- 婚姻届受理証明書を使って、住民票の写しを多めに取得
- (本籍地の場合のみ)戸籍謄(抄)本を取得
- マイナンバーカード(通知カード)の住所・氏名変更手続き
- (必要な人のみ)国民健康保険・国民年金の住所・氏名の変更手続き
- 印鑑登録(必要な人のみ。手続きは後日でもOK)
11:00 運転免許証の書き変えのため警察署へ
(または、運転免許試験場、運転免許センター)
- 運転免許証、新しい本籍地記載の住民票を持参
- 運転免許証記載事項変更届(現地で入手・記入)を提出
12:00 ランチタイム
13:00 銀行窓口で口座の変更手続き住所・氏名変更手続き(※15:00までに)
- キャッシュカード、通帳を持参
- 旧姓と新姓の印鑑を持参
- 名義変更済の本人確認書類を持参
14:00 パスポートの名義変更はパスポートセンターへ(※19:00までに)
- 戸籍謄本(戸籍抄本)もしくは、婚姻届受理証明書を持参
- パスポート、写真、新姓の免許証が必要
移動時間や待ち時間
スマートフォンで、以下の変更手続きや資料請求を行いましょう。
- 電気
- ガス
- 水道
- クレジットカード
- 生命保険など
後日、会社で手続き(氏名・住所・銀行口座など)
まとめ
- 名義変更の手続きは、引越しと入籍のタイミングで順番が変わる
- 名義変更は、引越し⇒婚姻届提出(2週間以内)というパターンが一番効率がいい
- 名義変更手続きは、平日の1日で終えられる!
- 名義変更の手続きに必要なもの(印鑑)や書類の準備をしておく
結婚に伴い苗字が変わる人は、名義変更手続きが大変です。
でも効率よく行えば、1日で完結することも可能!
仕事の関係で、平日にあまり休みが取れない人は、効率重視で順番通りに進めましょう!