ウェディングベールが持つ意味。ベールアップ&ベールダウンは何のため?

ウェディングベールが持つ意味。ベールアップ&ベールダウンは何のため?

教会式の結婚式で花嫁さんが身にまとう、ウェディングベール

透明感があり、ふんわりと肩や背中に流れるベールはとてもきれいで、「自分も結婚するときはベールをつけたい!」と思う人も多いのではないでしょうか。

ウェディングベールは花嫁の象徴とも言うべき存在ですが、実は単なるファッション小物ではないことは、あまり広く知られていません。

一生に一度の結婚式ですから、正しい知識を知ってからマナーに沿った装いをしたいですね。

この記事のポイント!
  • ウェディングベールの意味や由来がわかる
  • ベールダウンとベールアップの正しい知識が学べる
  • ウェディングベールの付け方や選び方をチェックできる<

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魔除け?母の愛?ウェディングベールの意味と由来

ウエディングベールのみ

ウェディングベールは教会式では当たり前のように着けるものなので、あまり深く考えたことがない人も多いのではないでしょうか?

ところが実際にはウェディングベールにも、ちゃんとした意味や由来があるのです!

ウェディングベールの歴史は古く、古代ローマ時代にはすでに花嫁が身につけるものとして定着していたと言われていますが、意味がさまざまあるようです。

1.魔除け

ウェディングベールの意味として最もポピュラーなのは、邪悪なものから身を守る魔除けです。

当時は、邪なものを退けるという意味があったそうで、可憐な見た目とは裏腹にベールはいわば盾のような役割を担うものだったのでしょう。

なお海外では、ベール=魔除けという意味は根強く残っていて、ウエディング用以外にも、キリスト教のミサなどで着用される方もいます。

2.母親の愛情

花嫁の頭部を柔らかく包み込むウェディングベールは、母親の愛情の象徴であるという説もあります。

結婚式は親からの巣立ちを意味しますが、花嫁のベールは花婿に身を預けるその日まで、娘を守り通したという親の愛の証とも言えそうです。

3.貞操

ベールは「覆う」「隠す」という意味があります。

イスラム社会では女性が顔をすっぽり覆うベールをかぶって、肌の露出を極力避ける文化がありますね。

これには周囲の欲望の目から身を隠すという意味があり、同じベールを身につける花嫁さんも「貞操を守ってきた女性」の象徴とみなされるのだとか。

結婚式で花嫁さんはバージンロードを歩きますので、ベールが貞操を守る象徴と言われるのもうなずけますね。

ベールダウン、ベールアップ、ベールアウトとは?それぞれの意味

ベールアップ

ウェディングベールにまつわる儀式として、ベールダウン、ベールアップ、ベールアウトという言葉があります。

それぞれベールに関する儀式なのですが、意味はまったく違うので取り違えないようにしましょう。

ベールダウンの意味

ベールダウンとは、花嫁がかぶったベールのうち、顔を覆う部分である「フェイスベール」を顔の前におろす儀式のことです。

ウェディングベールはピンで頭頂部に固定されていて、自由に上げ下げできる仕組みになっています。

ベールをおろして花嫁の顔を隠すことによって「邪悪なものから身を守られて、純潔な花嫁」という意味になります。

上記でも説明しましたが、ウェディングベールは母親の愛情の象徴という意味合いもありますので、ベールダウンするのは一般的に花嫁の母親の役割と言われています。

ただ、諸事情で母親にベールダウンしてもらえないという場合もあるでしょう。

そんなときは父親や兄弟姉妹、あるいは親しい友人など、身近な人が代役を務めるケースもあります。

ベールアップの意味

ベールアップとは、花嫁の顔の前におろしたベールを持ち上げて(ベールをめくって)、花嫁の顔をあらわにさせることをいいます。

ドラマや映画の挙式シーンでは定番のシーンですね。

挙式でベールアップをするのは、新郎新婦が誓いのキスをするとき。

魔除けあるいは母親の庇護を取り去り、花婿である自分が、花嫁を代わりに守っていくのだという決意の表れとも言えますね。

また一説によると、花婿と花嫁の間を遮るベールは「壁」の見立てでもあり、それを取り払うことで晴れて二人は結ばれるという意味もあるようです。

ベールアウトとは?

ベールアウトとは、ウェディングベールを完全に取り外してしまうことです。

挙式の最中に必ず行うベールダウンやベールアップとは異なり、ベールアウトという言葉は見聞きしたことがないという人も多いのではないでしょうか。

それもそのはずで、ベールアウトはそもそも儀式の一環ではなく、単なる動作(作業)。特別な由来や意味はありません。

一般的にベールアウトは、挙式の後、披露宴が始まる前に控室などのバックヤードで行われます。

披露宴ではたくさんのゲストと写真を撮ったり交流をするので、「顔が見えにくいから」「ベールが引っかかって動きにくいから」といった理由で、ベールアウトが行われます。

ベールを外すときにヘアセットが崩れるなどの理由から、ベールアウト代がオプションで請求されることもあるので、要注意。

なおウェディングベールは披露宴ではつけてはならない、という決まりはないので、着用したままでもOKです。

マリアベールとは?カトリック教会だけ?

ウエディングベール

ひと言にウェディングベールといってもバリエーションはとても豊富で、丈の長さやデザインによって複数の種類にわかれています。

このうち特に注目を集めているのがマリアベール

初めて挙式する人にとって、マリアベールはあこがれであると同時に、疑問の多い装飾品のひとつ。

マリアベールにまつわる疑問を、詳しく調べてみました。

1.マリアベールとは?NGな教会があるって本当?

マリアベールとは通常のベールとは異なり、顔を覆わずに後頭部のみを包み込むような形のウェディングベールのことを言います。

その名の通り、聖母マリアがかぶっていることが名前の由来とされています。

ベールの縁には繊細なレースの装飾が施されていることが多く、顔回りにその装飾部分が来るように取り付けるので、とても華やかな印象になります。

非常に清楚なイメージで女性からの人気が高いベールですが、デザインの関係上、ベールダウンやベールアップができません。

厳粛なカトリック教会では、マリアベールの着用をNGとしているところもあります。

もちろんそこまでこだわらないという教会もありますが、トラブルのもとにならないよう、事前に確かめておくことが大切です。

2.マリアベールでもベールダウンしたい!どうすればいい?

ベールダウンの儀式にあこがれるけれど、清楚なマリアベールも捨てがたい…という場合、どちらを選ぶべきか迷ってしまうところですよね。

でも実はマリアベールでも、一工夫すればベールダウンの儀式を行うことが可能なのです。

つけ方はシンプルで、ベールを折って頭頂部にピンで留めれば完成。

マリアベールでありながら、フェイスアップベール風にアレンジすることができるので、ヘアメイクさんに頼んでみましょう。

ベールダウンやベールアップの儀式の時だけアレンジして、それ以外の時は通常のマリアベールに戻せば1回で2つのベールを楽しめて一石二鳥ですよ。

披露宴や2次会でも、ウェディングベールをつけてていい?

ファーストバイト

花嫁を守る意味をもつベールダウン。

その壁を取り払い、新郎新婦を結びつけるベールアップ。

これらの儀式の意味を考えると、挙式でベールアップされた後は、取り外すのが正式な流れと言われています。

ただベールを取り外してしまうと、ヘアスタイルが乱れてしまう可能性がありますし、取り外しに別途料金が加算されてしまうこともあります。(=ベールアウト費用)

そのため実際には、披露宴や2次会でもベールをつけたまま、という花嫁さんは実は少なくありません。

ロングベールは披露宴や二次会では移動の邪魔になりますし、マリアベールは顔が見えにくくなってしまうという欠点があります。

ベールをつけたままでいることのメリットとデメリットを比較して、どちらが自分にとってベストかしっかり考えるようにしましょう。

ウェディングベールの選び方(長さ・デザイン)

ウェディングベールの長さ

ウェディングベールには、長さやデザインなどいろいろな種類があります。

長さは、ショート丈・ミドル丈・ロング丈の3種類。

丈が長いほどエレガントな印象で、短いほどカジュアルでかわいらしいイメージになります。

デザインは、さきほどのマリアベールやバルーンベールなど、時代や流行によって新しいものも出てきています。ドレスの色と合わせるのが基本です。

ウェディングベールは、以下のポイントで選びましょう。

  • ドレスデザインとの相性
  • 式場の広さ
  • バージンロードの長さ

単純に気に入ったものを身に着けたい!と思っても、ドレスの装飾を隠してしまわないか?式場の雰囲気に合っているか?などを考えて。

単純にカワイイ!という印象だけで選ぶと、トータルコーディネートがガチャガチャになってしまうので注意してくださいね!

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まとめ

  • ウェディングベールの意味は、魔除けや母の愛の象徴など諸説あり
  • ベールダウンは母親にやってもらうのが一般的
  • ベールアップは壁を取り払い、二人を結びつける大事な儀式
  • マリアベールは教会によってはNGなので要注意
  • 披露宴・2次会ではベールを外すのが基本だが、髪型が崩れるなどの事情からつけっぱなしの花嫁もいる

ウェディングベールの正しい知識を知って、感謝と厳かな気分で一生一度の晴れ舞台にのぞみましょう。