結婚式の時間は当日延長できる?元プランナーが解説
披露宴に招待しているゲストの人数や、取り入れたい希望演出の内容は新郎新婦さまによってもさまざま。
内容によっては予定以上の時間がかかり、披露宴が長引く場合もあります。
この場合、気になるポイントが「延長料金がかかるのか」ということ。
当日に延長できるかどうかはもちろん、延長料金について筆者の体験を元に延長料金についてご紹介していきます。
しっかり確認しておかないと予定外の出費となってしまう可能性もあるため、延長料金についても把握しておきましょう。
結婚式・披露宴の当日延長はできる?
1日1件しか結婚式を開催しない会場であれば、当日の時間延長に応じてもらえる可能性もあります。
一方で自分たちが使用する会場を、その後も他のカップルの披露宴会場として使用する予定が入っている場合は、披露宴の延長に応じてもらえない可能性が高いです。
そのため結婚式の時間を当日に延長できるかどうかは、会場により異なるだけでなく、その日に他の結婚式があるかどうかによっても異なるといえます。
また、もともとプラン内の時間より延長したいというご希望がある場合、打ち合わせの段階でウェディングプランナーに相談しておくことが必須です。
(2時間の披露宴プランを、3時間に延ばしたい!など。)
この場合も、次の披露宴に予約が入っている場合は了承してもらえない可能性もあります。
披露宴の時間を延長するなら、何時間まで?
披露宴として予定する時間は、2時間~2時間半ほど。
3時間以上の披露宴はゲストにとっても「まだ終わらないの?」という印象にもなりかねません。そのため延長時間は30分を目安にされると良いかと思います。
30分を越す時間を延長したい希望の場合、会場側としっかり相談しましょう。
実際に筆者の現役時代は、もともと時間延長を希望される方は30分延長が主で、それ以上の延長希望は聞いた事がありませんでした。(やむを得ず1時間などの延長になった事例はありますが…)
結婚式の延長料金はいくら?目安の金額
まず披露宴の延長料金は、次の2項目に分かれることが多いです。
- 会場使用料
- ドリンク代
会場使用料は30分単位で区切ることが多く、延長料金は5万円から10万円程度が目安です。
しかし会場の中には30万円以上を請求されることも!事前に確認しておきましょう。
ドリンク料金については、予定しているプラン価格の10%や、延長料金500円などと決まっている事が多いです。
3,000円コースの10%×70名であれば、それだけで2万円を超す出費になります。こちらも確認しておきましょう。
延長料金の支払い方法は、当日清算?請求書払い?
当日延長になった場合は、延長料金を追加で請求されます。当日までに支払いを済ませているのであれば、当日か後日精算する必要があります。
この精算方法は会場によっても異なります。考えられる方法は以下のふたつです。
- その日に請求され、当日に支払う
- 後日請求書が届き、期日までに支払う
ちなみに筆者の勤務先は、後日精算としていました。
結婚式料金自体を後日精算としている会場では、見積もりが修正され、延長料金が追加された料金での請求を受けることになります。
トラブルなど、式場都合で披露宴が延長した場合
式場側事情で披露宴を延長せざるを得なかった理由として、前に開催している(他の人の)披露宴が延びてしまったことがあげられます。
この場合、スタート時間から計算してお開きの時間を伸ばすことになるため、結果として延長した事になってしまう場合もあるでしょう。この時の延長料はかからないことが多いです。
また会場側の責任で披露宴が延びてしまい、二次会に間に合わなかったなどのトラブルが起きる場合もあるでしょう。
タクシー代を会場側が負担したり、二次会会場までの移動手段を会場側で手配してくれる可能性もあります。自己都合でない時間延長については、交渉をしましょう。
要注意!こんな披露宴は時間延長しがち
筆者がプランナーとして予定立てていた披露宴でも、急遽延長になってしまった披露宴ももちろんあります。
その内容で共通する点をまとめてご紹介していきます。
ゲスト数が多い
ゲストが100名以上など、大人数で開催する披露宴は、時間が長引きがちです。ゲストの人数が多いとその分移動に時間がかかってしまうためです。
ゲストを会場内からガーデンなどに移動していただくような演出を考えているのであれば、余計に注意しましょう。
フォトラウンドを行う
お色直し後の再入場時などに、ゲストと一緒に写真をとる「フォトラウンド」を希望されている場合も、時間がかかるため要注意。
1テーブル2分の計算としても10テーブルで20分、15テーブルで30分と、それだけで披露宴時間の2割を使ってしまうような計算になります。
フォトラウンドを希望されるのであれば、ゲストの人数はもちろんテーブルの数に注意しておきましょう。
お色直しの回数が多い
お色直しにかかる時間は、20分〜30分が目安です。
2回以上のお色直しを予定する場合、それだけで1時間程度の時間が必要にるため、こちらも要注意。
延長になってしまう可能性も十分にありますが、ゲストと過ごす時間が減ってしまうことも念頭に置きましょう。
挨拶(スピーチ)が長い
忘れがちなポイントが「ゲストの挨拶時間」です。
披露宴冒頭には主賓からのご挨拶を頂戴することが一般的。
新郎側・新婦側に各1名の主賓挨拶を頂戴した後、乾杯の発声でもご挨拶を頂戴すると、思っている以上に時間がかかることも。
特に人前でお話されることに慣れている方や、お話好きの方にご挨拶をお願いするのであれば、余裕をもった時間配分が必要です。
人柄を考慮し、打ち合わせの段階でプランナーに相談しておきましょう。
延長できない・したくないときの挙式・披露宴の見直し方
会場によって延長をうけてもらえない場合や、二次会などの都合で絶対に延長したくないとお考えの場合は、挙式や披露宴の内容を少し見直す必要があります。
ではどのように見直すのかをご紹介していきましょう。
お色直しの数を減らす
お色直しが多いと延長になってしまう可能性がある、とご紹介しました。しかし気に入った衣装は着用したいですよね。
そこでおすすめの方法が「挙式と披露宴の間に、1着お色直しをする」ことです。
例えば挙式は白のウェディングドレス、披露宴入場時にはピンクの色打掛、披露宴中盤でのお色直しでブルーのカラードレスで入場といった内容です。
披露宴入場時にお色直しをすることで披露宴内でのお色直しが1回カットできます。
演出内容を見直す
披露宴が長引いてしまう原因に、演出・余興が多いこともあげられます。
例えば30分間のフォトラウンドを行う代わりに、「フォトタイム」として自由に写真撮影できる時間を15分予定することに変更すれば、15分カットできますね。
プレゼントを贈呈したいとゲストがいるのであれば、テーブルラウンド中に渡すことで時間短縮も可能です。
ご挨拶を頂戴したい方が多い場合は、司会者にマイクを持って「突撃インタビュー(テーブルインタビュー)」としてお席にまわってもらいましょう。
これで司会者がゲストを呼んで紹介し、前に出てきてもらう、という動作をカットできます。
料理内容にも注意が必要
時間延長しそうだからと、料理の品数を減らすことは避けた方が無難です。ゲストの満足度を下げてしまう可能性があります。
しかし、デザートビュッフェを予定しているなら、時間短縮のポイント!
人気のあるデザートビュッフェですが、ゲストの移動時間を考慮して時間を長めに確保する必要があります。
これを新郎新婦からのケーキサーブにかえるだけで、十分に時間の節約が可能!ゲストも喜ぶ演出になり、一石二鳥ですね。
元プランナーの体験談!結婚式の延長エピソード
実際に筆者が、延長をせざるを得なかった披露宴を少しご紹介いたします。
親族が盛り上がって、カラオケ大会が始まってしまった
お酒が好きと伺っていた新郎のご親族。久々にお顔を合わされた方も多く、お話も弾み気味でした。
お色直しで新郎新婦が退席されている間に「わたしが盛り上げよう!」と伯父さまがマイクをとられたことを筆頭に、親族の皆さまでカラオケ大会が始まってしまいました。
「新郎新婦さまがもうすぐ戻られるので…」と何度もお伝えしましたが、酔っている皆さまに受け入れてもらえず…。新郎のお父様も「歌わせてやって欲しい」と延長の了解を得て、20分押しでの再入場となってしまいました。
中座中に上映する予定のプロフィールムービーも上映できていなかったため、お二人が入場後上映することに。
披露宴はトータル45分の延長でお開きとなりましたが、この予定変更に激怒した新郎様とご親族が口論するトラブルにまで発展してしまいました。
新婦のマリッジブルーでお色直しに45分も!
新婦さまのお色直しは、美容師である新郎さまが行う予定でいました。しかし少しマリッジブルー気味だった新婦さまは、結婚式当日も少しブルーな様子。
「なんで希望通りのヘアスタイルにしてくれないの?」とお色直しのヘアメイク中に泣いてしまいました。
髪型だけではなくメイクも直す事になってしまい、20分予定だったお色直しが45分に。
お手紙朗読前も新婦様の気持ちを立て直すのに時間がかかり、結果1時間の延長となってしまいました。
まとめ
- 披露宴時間の当日延長は、できる場合とできない場合がある
- 延長をあらかじめ予定する場合、30分を目安にする
- 延長したくない場合は、演出内容を工夫すると良い
- 延長料金は会場により異なるので、要確認・要注意!
披露宴時間を延長する場合についてご紹介しました。ご友人の余興が盛り上がり、予定の時間を押してしまうことは、正直多いです。
プランナーは延長にならないよう時間を調整し、ゆとりを持って進行を組んでいきますが、中にはどうしようもない事柄で延長になってしまう可能性も。
次の披露宴がある場合は、なんとか時間内に終わらせるよう、急ぎ足になってしまうことも多く、ゲストに「急かされた!」という印象を抱かしてしまう可能性もあります。
延長しないためのポイントは、演出を盛り混みすぎないことにつきるので、プランナーと相談しゆったりした時間を予定することも視野に入れてみてくださいね。