結婚式にクレームを入れるなら?式場のミスやトラブルへの対処法
人生で一度きりの結婚式ですから、最後までHAPPYで幸せな気持ちいっぱいで締めくくりたいと思う事は当然です。
しかし残念なことに、会場側のミスやスタッフの対応、言い方などで不満や不信感が生まれてしまうことも事実。
式場側にクレームを言ってやりたい!と思った場合、単純に怒りの気持ちを伝えるのではなく、適切なタイミングで冷静に伝えるのが得策です。
筆者の経験談を元に、ミスの事例や対処法をご紹介していきます。
あわやクレームに発展!?結婚式場・プランナーのありがちなミス
まずは、クレームに発展しそうな「ありがちなミス」をご紹介していきます。
あらかじめ起こりがちなミスを把握しておけば、よりいっそう注意することができますよ。
1)言った・言わない問題
打ち合わせの段階で「言った・言わない、聞いた・聞いていない問題」は残念なことに生まれています。特に料金のかかる事項での「言った・言わない問題」は大きなクレームにも発展しかねません。
プランナーを援護するわけではありませんが、一日に何件も同じ事を決める打ち合わせを進めていると、「こう言ったのはAさんだった?Bさんだった?」と分からなくなることも正直あります。
この問題を回避するためには、メモをとって共有することが大切。
”●月●日に、誰が何と言い、双方が納得しましたよ”という記録を残すことができるからです。
ちなみに元プランナーである筆者の現役時代は、打ち合わせ時に私がメモした物を、打ち合わせ終了のタイミングでお客様にコピーとしてお渡ししていました。
そこで、「書いていないよ」という項目があった場合は、後日お電話を頂くようお願いしておりました。
2)担当者に「伝わっていない」
会場申込時のプランナーと打ち合わせプランナーが変更になった場合や、担当者不在の時に他のスタッフに伝言を頼んだ場合などにありがちなミスです。
衣装の持ち込みは無料でOKと言われて成約したのに、打ち合わせ時の見積もりには持ち込み料が載っている
役割の異なるウェディングプランナー同士や、伝言を受けたスタッフと担当プランナーとの間で、申し送りがしっかりできていないことが原因だと思います。
3)名字などの漢字間違い
少し気をつければ分かるような文字でも、うっかり間違ってしまうこともあります。
例えば名字の漢字が旧字である場合にありがちなミスで、以下などが代表的。
大阪→大坂
高橋→髙橋
宮崎→宮埼
一度なら怒りに触れなくても、何度も間違えられると不信感が膨らんでしまうことも当然ですね。
プランナー以外のスタッフにありがちなミス・トラブル
結婚式はプランナーのみで進めていくわけではありません。そのため、結婚式当日にプランナーの他のスタッフでもミスがあることも考えられます。
ありがちなミスをまとめてご紹介します。
写真撮影(カメラマン)のミス
対カメラマンにおいておきがちなミスは、リクエストされた写真が撮影できていないことです。
結婚式のシーンを取り戻すことはできないため、希望のカットで写真を残せていないのは致命的だといえますね…。
こういったミスを防ぐためには、撮影指示書を作り、あらかじめ撮影カットをリクエストしておくことが大切です。
ヘアメイク(髪型)のミス
ヘアメイクでおきがちなミスは、「希望通りのヘアスタイルにならなかった」ことです。
このミスの回避方法としては、ヘアメイクリハーサルを実施したり、イメージ写真で希望のヘアスタイルを伝えること。
口頭で伝えるだけでは、ヘアメイクスタッフにイメージが伝わらないだけでなく、他の花嫁様と混同してしまう恐れがあります。こだわりが強ければ強いほど、イメージ写真などで伝えるようにしましょう。
ウェディングケーキのミス
希望のケーキとデザインが違うという根本的なミスは少ないですが、新郎新婦の名前が間違っていたというトラブルはあり得ます。
アルファベット表示が違う事が多く、例えば「MASAYUKI→MASAYOKI」など。
写真が出来上がってから気付くこともあるほど、見落としがちなミスです。
料理のトラブル
料理で致命的なミスは、アレルギー対応のゲストに非対応メニューを提供してしまうことです。
かゆくなったりする程度なら命に別状はないかもしれませんが、呼吸困難などの症状が起きてしまう場合も。
本当に大変な事態をさけるために、式場側では料理に関しては細心の注意を払っていることが多いです。
介添人のミス
介添人のミスで目立つのは、最高に盛り上がるシーンで、新郎新婦のそばに立ち入ってしまうことです。
特に慣れていないスタッフだと、写真にも写り込んでしまい、せっかくのショットが台無しに。
ドレスの裾を持ち上げすぎてしまい、新婦の足元が見えてしまうことも、よくあるミスの一つだと思います。
式場やプランナーのミスは、クレームを入れてもいいの?
小さな不満も回数が重なると大きな不安になり、怒りを招いてしまう結果になりかねません。
そのため、ご自身が「これでは困る」と判断されたタイミングで、会場側や担当プランナーにクレームを言うことは問題ありません。
プランナー本人に伝えにくい場合は、他のスタッフに伝えるのでもOKです。
プランナーを経験した筆者としては、自分自身に向けて伝えて欲しいと思いますが、大きなトラブルになってしまう前に、他のスタッフにでも伝えていただける事はありがたいと感じます。
いつまでに伝えたらいいの?結婚式が終わった後でもいい?
クレームを会場側に申し出るタイミングは、トラブルが起きた当日から1週間程度を目安にお伝えされると良いかと思います。
日数が経過すると、他の事柄にもイライラしてしまったり、本来の怒りが増大してしまうこともあり、本来のミスや指摘がぼやけてしまいます。
また会場側のミスを伝えただけなのに、「クレーマー新郎新婦」と思われてしまっては残念です。
イライラしてしまうことの原因は会場側やプランナーにあるかもしれませんが、あら探しをしてクレームを言うようなことは避けて下さい。
結婚式場にクレームを入れたいとき。冷静に伝える方法
電話や対面で思いを伝えることが怒りの度合いも伝わりやすいですが、それでは言いにくいと感じる場合や出向く時間がない場合などは、メールでOKです。
メール連絡は、以下のようなメリットもあります。
- 怒りの感情であふれているときでも、一度冷静になれる
- 伝えた内容が記録としてしっかり残る
- 相手からの返信も記録として残せる
クレームの度合いによっては、消費者センターに相談したり、最悪の場合裁判に持ち込んでしまうことも考えられます。
こういった事態の為にも、言った言わないの証拠が残るのでメールの方が安心です。
理不尽なクレーマーだと思われないために!言い方は?
納得がいかず、悲しみや怒りが押し寄せてくることは当然ですが、伝え方によっては、クレーマーだととらえられてしまう可能性も捨てきれません。
クレーマーと言われないためのおすすめの言い方をご紹介します。
端的に不満を伝える
何がイヤだったか、どんな理由で納得がいかなかったかを端的に伝えましょう。
「思い出したらあれもイヤだった」「この時のあれもイヤだった」など、過ぎてしまったことを掘り返して複数のことを伝えると「ただ文句を言いたいだけ?」ととらえられてしまい、本当にイヤだった事がなんだったのか、伝わらない可能性があります。
なるべく早く伝える
上記でも紹介したとおりクレームを伝えるタイミングは、「トラブルが起きた当日から1週間程度」です。
ただクレームを言いたいだけのようにとらえられてしまう可能性や「マリッジブルーじゃないの?」と問題点が薄れてしまうことも。
クレーマーと思われないためには、問題点を端的に、かつ適したタイミングで主張していくことが大切です。
式場は具体的にどのような対応・お詫びをするの?
式場側の対応は、お客様からのクレームに対し、誠心誠意をもって謝罪することが第一歩です。
その次に「なぜ起きてしまったのか」の原因を追及し、「もう起きないような対策」を提案します。
クレームの内容によっては、プランナーを変更したり、値引きに応じたりと要望を受け入れてもらえることも考えられますね。
ウェディングプランナーが見た!衝撃の結婚式ミス・クレーム
では、実際どんなクレームが会場側に入ってくるのでしょうか?
実例として、筆者が現役時代に他の担当者のサポートとしてヘルプに入った披露宴で見た衝撃のクレームをご紹介します。
1)新婦の手紙がなくなった騒動
感謝のお気持ちとして、新婦がお手紙を朗読される場合、万が一読めなくなったときに備え、コピーを一部司会者に渡すことが会場のルールでした。
ここで起きたのが、後輩プランナーのミス。花嫁の手紙の原本をコピーした後、コピーのみを会場に持って行ってしまったのです。
本来手紙の原本は、会場の責任者であるキャプテンに手渡すのですが、封筒の中身を確認したところ手紙が入ってない!手が空いているスタッフ総出で探すことになりました。
コピー機に他の用紙と混ざって手紙の原本が残っていたのですが、ミスをしたプランナー本人はパニックになってしまい、「コピー機からは手紙の原本を持って出た」と主張。そのため気付くのに時間がかかってしまいました。
結局、花嫁の手紙の朗読シーンには間に合いましたが、この騒動を耳にしていた新郎様は大激怒。
後日、支配人とマネージャー、後輩プランナーで謝罪に伺っていました。
2)友人の余興がうるさすぎ!他の会場からクレーム
新郎様ご本人とご友人数名で、地元のお祭りで披露する太鼓の演舞を余興として準備していました。
大音量の演出は、周囲にも迷惑がかかるため基本的にはNGとしていましたが、どうしてもという希望だったため、会場内でのみ太鼓の演舞を許可することに。
しかし実際の音は想像以上に大きく、お酒に酔ったご友人方が会場の外でも太鼓を鳴らしてしまいました。
この音に他の会場のお父様から大クレームが!「会場規約に騒音はNG」と書かれているではないか!と結婚式が終わった後におしかりを受けました。
この件に関しては、大きな値引きをご案内して結婚式の返金措置をとり、ご納得頂く結果になりました。
まとめ
- プランナーなどスタッフへの不満は会場側に伝えてOK
- クレームを伝える手段は、メールがおすすめ
- 一呼吸置いて冷静になってから伝える方が得策
- クレームにならないためにも、イメージは写真で伝え、打ち合わせ時はメモを残すことが大切
結婚式でおきがちなミスとクレームの伝え方などをまとめてご紹介しました。
最高の結婚式になるよう、スタッフ一丸となり業務に当たっていますが、残念なことにミスが起きてしまうこともあります。不信感が強くなる前にクレームとして伝えることをおすすめします。