遠方ゲストの宿泊費は誰がどう負担する?注意点と手配の段取り
遠方に住んでいるにもかかわらず、ゲストが結婚式に来てくれるのって本当にうれしいですよね。
挙式開始や披露宴のお開きの時間によって日帰りが難しい場合は、結婚式当日や前日にホテルに宿泊してもらうこともあります。
この時の宿泊費は、誰がどのように負担するべきなのでしょうか?ホテル手配は、新郎新婦がするべきなのでしょうか?
具体的な負担方法とゲストへの伝え方、手配の段取りを具体的に説明します。
結婚式の宿泊費(ホテル代)、新郎新婦が負担すべき?
遠方ゲストの宿泊費や飛行機・新幹線などの交通費(往復)は、感謝の気持ちとして、できるかぎり新郎新婦が負担すべきというのが一般的なマナーです。
とはいっても宿泊ゲストが多ければ、交通費と合わせて数十万単位という大きな出費になることもあるので、現実的に厳しいこともありますね。
次の3つのパターンで検討しましょう。
- 宿泊費と交通費を、新郎新婦が全額負担する
- 宿泊費と交通費の一部(半額)を、新郎新婦が負担する
- 宿泊費と交通費はゲスト負担だが、ご祝儀はいただかない
いずれの場合も、結婚式の招待状を送る際に、交通費や宿泊費をどちらが負担するかを明確に伝えたうえで、ぜひ出席してほしいとお願いすることがポイント。
お金のことはゲストからは言い出しにくいですし、負担方法が出欠席を左右する場合もあります。
負担方法についてはっきり言わないと、後々トラブルになってしまうので要注意。
ゲストへの説明の方法を含め、詳しくみていきましょう。
1.宿泊費と交通費を、新郎新婦が全額負担する
宿泊費や交通費を、すべて新郎新婦が負担する理想的なパターン。
宿泊するゲストが少ない場合は、可能になりますね。
「宿泊費や交通費はこちらで全額負担させていただきます。ぜひいらしてください」
2.宿泊費と交通費の一部(半額)を負担する
全額は無理でも、一部だけ負担するのがお招きする側のマナー。
次のいずれかで、負担する金額を検討しましょう。
- 交通費+宿泊費の、半額を負担する
- 遠方ゲスト一律で、〇万円と決める
- 宿泊費のみ、あるいは交通費のみを新郎新婦で負担
いずれの場合でも、いくらまで負担できるかをはっきりとゲストに伝えましょう。
「宿泊費や交通費は、皆様一律で3万円をお渡ししようと考えております。こういった状況ですが、ご出席いただけたらとてもうれしいです」
「お恥ずかしい話ですが、会場までの交通費はみなさまにご負担いただく形で考えております。ご宿泊費については、わたしたちでご用意いたしますので、ご都合がよろしければ、ぜひいらしてください」
交通費や宿泊費の一部負担をお願いする時は、一旦ゲストに立替てかえてもらい、結婚式当日に新郎新婦からお車代として現金を渡すのが一般的です。
お車代の渡し方は後述します。
3.宿泊費と交通費はゲスト負担だが、ご祝儀はいただかない
金銭的な余裕がなく、宿泊費も交通費も出せない場合は、ご祝儀をもらわないのがマナーです。
招待状発送前に電話やメールなどで、事情を説明することはもちろん、招待状にご祝儀辞退の付箋を付けて送るのがポイントです。
ゲストに宿泊費や交通費を負担してもらう場合、誰がホテルや交通の予約・手配をするかをはっきりさせておいて。
ゲスト自身が手配する方が多いですが、招待する側のマナーとして、新郎新婦側からも申し出た方がいいでしょう。
もしゲストから手配を依頼されたら、予算や精算方法を改めて確認し、手違いのないように段取りを。
またご祝儀をいただかない旨を伝えても、当日お金を包んで出席してくれるゲストもいます。
もしゲストから何かいただいた場合は、ありがたく受け取り、後日内祝いの品を贈ることを忘れずに。
「大変申し訳ないのですが、宿泊費や交通費はゲストの皆様に負担していただきたく…。もちろんご祝儀は辞退させていただきます。もしよろしければお越しいただけないでしょうか?」
「ホテルや新幹線の手配はいかがしましょうか?もしお忙しいようでしたら、こちらで手配だけでもさせていただきますが、ご自身で準備されるのと、どちらがご都合よろしいでしょうか」
このたびは遠方よりお越しいただくため 何卒ご祝儀等のお心遣いはなさいませんよう お願い申し上げます
宿泊費の費用負担の例外
新郎新婦は知らなくても、親族内で「お互い様なので結婚式の時は宿泊費はださない」というルールがあったりするもの。
こういった親族間の暗黙のルールは、それにしたがって。
また過去に、ゲストとして出席した結婚式で、宿泊費などを全額負担してもらった場合は、自分たちの結婚式でも全額負担するのが基本です。
新郎新婦が、遠方ゲストのホテル手配する時の段取り
宿泊が必要なゲストのホテル手配は、新郎新婦側で行うのが基本です。
とはいえ、ゲストによって日程の希望はさまざま。
- 遠方でも日帰りしたい
- 観光をかねて出席したい
- 親戚や友人宅に泊まりたい
新郎新婦で勝手に決めずに、遠方ゲストの意向を確認し、それにあわせて柔軟に対応してあげたいですね。
1.招待状を送る前に宿泊有無を確認
招待状を発送する前に、電話やメール、LINEなどで出席の打診をしますよね。
その際に宿泊費用を誰が負担するのかを伝えたうえで、ゲストの宿泊の有無を確認します。
「結婚式の場所は東京になるのですが、お越しいただく際は、ご宿泊されますよね?宿泊費と交通費はこちらで全額負担させていただきますので、ぜひいらしてください。ご宿泊場所や日数については、後日改めてご案内をさせていただきます」
「挙式の開始時間が午前11時を予定しているのですが、前泊されますか?1泊分のご宿泊費用は、わたしたちでご用意しますので、お気軽におっしゃってください」
2.返信ハガキが届いたら、ホテル手配について改めて聞く
出席のハガキが届いたら、改めてゲストに連絡をとり、宿泊について詳細を聞きます。
以下の項目を聞いておきましょう。
- 宿泊先はどちらが手配するか(新郎新婦?ゲスト自身?)
- 宿泊日は、結婚式の当日?前泊?
- 部屋のタイプ(禁煙・喫煙など)
- (例えば親戚同士、友人同士なら)相部屋でもいいか
- 精算方法(新郎新婦の事前決済が基本)
「ご宿泊のホテルについては、わたしたちで手配してしまっていいでしょうか?挙式当日の1泊分を予約しますね。」
「前泊されるとのことでしたので、式場近くの朝食付きのホテルをご用意しようかと考えています。宿泊費用についてはこちらで事前に決済いたしますので、ご安心ください。」
叔父さんと叔母さんはツインベッドのお部屋を予約しようと思ってます。禁煙でいいよね?
3.ホテルの予約と支払い
宿泊が必要なゲストを取りまとめ、部屋割りしてから、ホテルの予約と支払いを済ませます。
ホテルには、ゲストの名前で予約をいれましょう。
ホテル代の精算は、新郎新婦が予約時に済ませておき、ゲストには部屋の冷蔵庫のドリンク代等に限って支払ってもらうのが一般的です。
4.電話やメールで宿泊詳細を連絡
予約を済ませたらゲストに連絡を。
口頭だけだと行き違いの元になるので、ホテル名や住所などはメールでも連絡する方が親切です。
封書で手紙とともに、ホテルのパンフレットなどを送ってもいいですね。
遅くとも挙式の2週間くらい前までには連絡したほうがいいでしょう。
宿泊先のホテルにも予約確認の電話を入れておくと、間違いがありません。
ホテルスタッフには、ゲストに宿泊費を請求しないよう念をおしておいて。
◆メール文面
件名:結婚式当日のご宿泊の件
□□様
この度は私たちの結婚式へ出席してくださるとのこと、誠にありがとうございます。
結婚式当日に、以下のホテルを手配いたしました。
□□様のお名前でお部屋を取っていますので、披露宴が終わりましたら、フロントでお名前をお伝えください。
■宿泊日:○月○日(土)
■場所:
ホテル○○
https://○○○○.com
○○県○○市○○1-2-3
■TEL:012-345-678
■宿泊者名:□□□□様(ゲストの名前)
■チェックイン:〇月〇日(土)18時~
■チェックアウト:〇月〇日(日)11時
結婚式当日連絡先:000-1111-2222(新郎か新婦、もしくは家族の名前)
ご不明な点はお問合せください。
それでは結婚式当日、お目にかかることを楽しみにしております。
◆手紙文面
拝啓 紅葉の美しい季節となって参りましたがお元気でお過ごしでしょうか。
この度は私たちの結婚式に出席してくださるとのこと、誠にありがとうございます。
□□様のお名前で以下のとおり宿泊の手配をさせていただきましたのでご確認ください。
ホテルのパンフレットや近隣の観光マップも同封いたしましたので、よろしければご覧ください。
それでは結婚式当日、お目にかかることを楽しみにしております。敬具
■宿泊日:○月○日(土)
■場所:
ホテル○○
○○県○○市○○1-2-3
■TEL:012-345-678
■宿泊者名:□□□□様(ゲストの名前)
■チェックイン:〇月〇日(土)18時~
■チェックアウト:〇月〇日(日)11時
ご不明な点はお問合せください。
遠方ゲストの宿泊ホテル グレードはどう決める?
宿泊先はシティホテルがオススメですが、立地がよく、ゆったりとした作りのビジネスホテルなら問題ないでしょう。
費用ばかり考えて、立地が悪く質素なホテルを選ぶとゲストに失礼ですし、「ケチったな」と思われてしまうかも。
結婚式場によっては、提携するホテルを割引料金で予約することができます。
またそもそも、ホテルウェディングの場合は、ゲストの宿泊を前提としたお得な列席者宿泊プランを設定しているところもあるので、プランナーに確認しましょう。
提携ホテルや会場宿泊の費用が高いなら、自分たちでリーズナブルなホテルを探してもOK。
プランは朝食つき?素泊まりでもOK?
ゲストの宿泊先を手配する時は、基本的に朝食付きにしましょう。
特に高齢者ゲストのホテルや、飲食店がない場合は、朝食付きプランが喜ばれますよ。
ただし中には、観光をかね「地元の朝市に行きたい」といった理由で、素泊まりを希望するゲストもいるかもしれません。
ゲストに連絡を取る時に「朝食付きで用意させていただきますが、よろしいでしょうか」とひと言聞いておくのがいいでしょう。
ホテルの部屋割りとベッドのサイズ例
ゲストの属性によっては、部屋の割り振りが必要です。
特に赤ちゃん連れの場合は、どんな部屋がいいかを詳しく聞いたほうがいいでしょう。以下を参考にしてくださいね。
- 友人の場合 → 友人同士でツイン
- 夫婦の場合 → ツイン、ダブル
- 単独ゲスト → シングル
- 子連れで出席するゲスト(家族連れ) → 大部屋か、和室、ツインを複数
- 乳児がいる夫婦 → ツイン(ダブル)+ベビーベッドやエクストラベッド、和室
ゲスト自身が宿泊先を手配する場合
宿泊の確認をした時「自分で手配するよ」と言われた場合、手配はゲストにお任せにして、お車代として現金を渡すことになります。
このときゲストに、予算を伝えておくのを忘れずに。
「ホテルと新幹線の手配、お任せしてしまってすみません。ありがとうございます。宿泊費と交通費を合わせて〇万円ほど、こちらでご用意させていただこうかと思います。結婚式当日にお渡ししますね。」
宿泊費の相場はどのくらい?
宿泊費は、結婚式場周辺のホテル1泊分の料金を支払うのが一般的。
地域にもよりますが、だいたい1万円程度を用意しましょう。
結婚式当日のお車代(交通費+宿泊費)の渡し方
宿泊費や交通費を新郎新婦の一部負担にしたり、ゲストに宿泊先を手配してもらった場合は、挙式当日にお車代として現金を渡します。
お車代は、のし付きの祝儀袋に新札(ピン札)を入れて渡すのがマナー。
お車代を入れる封筒については、中身の金額に応じてグレードを変えましょう。
たとえば金額が5,000円以下なら、ご祝儀袋ではなくポチ袋でもかまいません。
主賓や乾杯の発声をお願いするゲスト、親族ゲストには、披露宴が始まる前に両親から目立たないように渡してもらいます。
友人ゲストには受付から渡してもらいましょう。
まとめ
- 結婚式の遠方ゲストの宿泊費は、新郎新婦が全額負担するのが理想的
- 新郎新婦が一部負担、負担できないかわりにご祝儀はいただかない方法もあり
- ゲストの宿泊先手配は新郎新婦が行うのが基本
- ゲストが自分で手配する場合は、挙式当日にお車代として現金を手渡す
宿泊費を新郎新婦が出すのは、遠くから来てくれるゲストへのお礼の気持ちともいえます。
全額負担できなくても「来てくれてありがとう」という感謝の気持ちをきちんと伝えられるといいですね。