結婚式に高齢者ゲストを招待する時、配慮したいこと
結婚式に大好きなおじいちゃんおばあちゃんに来てもらいたいと願う花嫁さん。
いままでずっと可愛がってくれた祖父母には、花嫁姿で感謝の思いを伝えたいですよね。
ただ高齢者にとっては、結婚式に出席したい気持ちが強くても、体力的に難しい場合もあります。
祖父母はじめ、年配のゲストに負担をかけずに楽しんでらもらえる、高齢者ファーストのウェディングアイディアを紹介します。
高齢ゲストがいる場合、式場選びで気をつけること
高齢者ゲストを招くなら、式場選びの段階から、注意が必要になります。
会場までのアクセス
まずは会場までの交通手段を確認しましょう。
高齢者ゲストにとっては、とにかく会場まで行きやすいのが理想的。地方から来てくれるなら、なおさらです。
空港や主要駅から乗換が少なく、アクセスの良い会場を選びましょう。
最寄り駅からはゆっくり歩いて5分以内、どんなにかかっても7~8分以内を目安に。
祖父母の事情を最優先するなら、地元で挙式するという選択肢もあります。
逆に海外挙式や国内リゾート地でのウェディングは、脚の悪い祖父母の参加は難しいかも。
会場内の移動距離
アクセスしやすい会場であることと同じくらい重要なのが、会場内の移動。
大きな式場やホテルだと、控室・挙式会場・披露宴会場が別フロアだったり、移動距離が長いこともあります。
エレベーターを使ったり、庭や厚い絨毯の上を歩いたり、車いすで移動したりするのは、高齢者にとって負担大。
実際に当日と同じルートで会場を歩いてみて、どのくらいの負担になるかの確認を。
車いすの貸し出しや多目的トイレはある?
会場が高齢者に優しい設備を整えているかもチェックしましょう。
- バリアフリーかどうか
- 車いすを貸し出してくれるかどうか
- 多目的トイレの有無と場所
- スロープに手すりはついているか
結婚式は半日程度時間を要する長丁場。
慣れない会場での移動が多いなら、普段は自分の足で歩いていても、車いすの使用を検討したほうがいいかもしれません。
車いすは予約が必要なこともあるので、利用方法も併せてプランナーさんに相談を。
体調が悪くなった時のために休憩スペースは確保できる?
健康な人でも結婚式に出席するのは疲れるもの。高齢者なら、なおのことです。
ずっと座っているだけでも、辛い場合もあります。
ゲストが自由に使える休憩室があれば、人目を気にせずほっと一息つくことができますよ。
挙式から披露宴まで全部参加するのが大変なら、挙式後から披露宴の前半は休憩室で休んでもらうなど、柔軟な対応もできますね。
ホテルの場合は施設が充実していますが、レストランウェディングの場合は、十分なスペースが用意できないこともあるので要注意。
結婚式の日取り選びは?季節や時間帯
高齢者にとって、真夏や真冬は外出するだけでも辛いものです。
高齢ゲストが多いなら、この時期に結婚式を行うのは避けたほうがベター。
また午前中スタートの結婚式や、終了時間が遅いナイトウェディングも負担が大きくオススメできません。
過ごしやすい気候の、春・初夏・秋などで、早い午後スタートが理想的です。
高齢者ゲストにも楽しんでもらえる、結婚式当日のおもてなし
当日、ちょっとした気配りがあると、高齢者ゲストに楽しんでもらうことができますよ。
最寄駅からの送迎を手配しておく
シャトルバスの用意がない式場や、アクセスの悪い会場を選んだ場合は、送迎の手配が必要。
アクセスが良くても、脚の悪いゲストがいるなら送迎は必須です。
タクシーを人数分手配するか、人数が多いならマイクロバスを貸し切るようにします。
介護の必要なゲストには、車いすごと乗車できる介助タクシーを手配しましょう。
料理は食べやすいものを用意
高齢者ゲストには、食べやすい婚礼料理を用意するのが基本。
かといって、別メニューにするのも寂しいので、以下のような方法にするのがベター。
- ステーキなどは、食べやすいように1口サイズにカットしてもらう
- 野菜などにも切れ目を入れてもらう
- 特に食べにくいものだけ、別メニューに変える
どのようにしたら食べやすいかは、まずは同居している家族に教えてもらうのがいいですね。
新郎新婦がよく見える位置に座ってもらう
祖父母には、席次の配慮も必要です。
通常は親族席は披露宴会場の一番後ろ(下座)に配置するのがマナーとされていますが、高齢者に配慮して柔軟に席次を変えましょう。
お手洗いに行きやすいよう、入り口近くにするのはもちろんですが、体を曲げて振り返らなくても新郎新婦が見える席にすると喜ばれますよ。
介護が必要な祖父母を結婚式に招待する時
食事をしたり、トイレに行くときなど、普段から介護が必要なおじいちゃんおばあちゃんがいる場合。
両親や他の親戚に当日の介護をお願いすると、お世話で手いっぱいで、結婚式を楽しめないかもしれません。
留袖やドレスを着たうえでの介護は、難しいこともあります。
そんな時には介護士やヘルパーに来てもらう方法を検討してみましょう。
普段お世話になっている介護士に付き添いをお願い
普段からお世話になっているヘルパーさんに付き添ってもらえば、慣れない会場でもおじいちゃんおばあちゃんが安心できます。
介護士には、その日分の介護料を支払うことになります。
結婚式付き添いサービスを利用する
結婚式の知識を持った介護士が付き添う、専門サービスを利用する方法もあります。
当日の支度から送迎まで依頼することもできますよ。
費用は付き添ってもらう時間にもよりますが、30,000円くらいから。
介護士の席や料理、引出物はどうしたらいい?
食事介助が必要な場合は、祖父母のとなりに介護士の席を設け、トイレだけの場合は会場内外で待機してもらうことが多いようです。
介護士自身の食事は、式場内のレストランでとってもらったり、介護しながらでも食べやすい軽食を用意することも。
いずれにしても、介護する内容によって変わってくるので、事前に介護士側やプランナーさんに相談しておきましょう。
介護士やヘルパーさんは、仕事として結婚式会場に来てもらうためゲストではありません。ご祝儀をいただくことはありません。
ただ特別な日にお世話になったお礼として、ヘルパーとしての料金を支払うのとは別に、引出物を渡すカップルもいますよ。
祖父母に喜んでもらえる、披露宴の演出アイディア
おじいちゃんおばあちゃんに喜んでもらいたいという思いはあっても、披露宴はその他のゲストへのおもてなしも考えることが必要。
ゲスト全体が楽しめる演出にしつつ、いくつかのシーンで祖父母への感謝を盛り込むといいでしょう。
お色直しの中座でエスコートをお願い!
花嫁がお色直しで中座する時に、祖父母にエスコートをお願いしてみては?
花嫁とおじいちゃんおばあちゃんの姿に、会場もほっこりしそうですね。
当日サプライズでエスコートを指名すると、キョトンとしてしまうおじいちゃんおばあちゃんもいるので、事前に両親に話しておくといいでしょう。
プロフィールムービーに祖父母とも思い出を盛り込む
新郎新婦の生い立ちから結婚までを紹介するプロフィールムービー。
ここに両親や兄弟だけでなく、祖父母と一緒の写真をぜひ盛り込んで。
「おばあちゃんの家で過ごした夏休み、楽しかったよ」「いつもいつも可愛がってくれたおじいちゃんおばあちゃん」といったエピソードを添えると、さらに感動的に。
おじいちゃんおばあちゃんが、紹介される瞬間を見逃さないよう、近くに座っている両親から「写真出てるよ!」と声かけしてもらうといいですね。
新郎新婦から積極的に動いて!一緒に写真撮影
ゲストが高砂席に来てくれて一緒に写真をとったり、おしゃべりするのは結婚式でよくある風景ですね。
でも祖父母の場合、自分からは積極的に新郎新婦に近づいていきにくいもの。
中座やテーブルラウンドのタイミングで、2人のほうから積極的に動いて、一緒に写真をとる機会を設けましょう。
花嫁の手紙で祖父母への思いに触れる
結婚式のクライマックスともいえる花嫁の手紙は、両親への感謝の気持ちを伝えるものですが、ここで祖父母への思いも触れてみては?
「大好きなおじいちゃんおばあちゃん、いつまでも長生きしてね」といったシンプルな一言があるだけで、とても喜んでくれるはず。
サプライズで花束プレゼント!
披露宴の最後にある両親への花束贈呈は、定番演出ですね。
この後にサプライズで、祖父母に花束をプレゼントしてみては?
急にスポットライトを浴びてびっくりしてしまうかもしれませんが、きっと喜んでくれるでしょう。
花束のほかに、新郎新婦の写真やメッセージを添えたボードをプレゼントするのも素敵。
残念だけど欠席…結婚式に来れない祖父母に晴れ姿を披露するアイディア
体調が悪いなどで、出席がかなわなくても、晴れ姿を祖父母に見てもらいたい時はこんな工夫を。
花嫁衣装を着てサプライズ訪問
二次会用に購入したドレスなどの花嫁衣装を身に着けて、サプライズで祖父母宅を訪問。一緒に写真を撮ってはいかがでしょうか?
その場でおじいちゃんおばあちゃんに宛てた手紙を読むのも素敵ですね。
祖父母宅ではなく、入院中の病室を訪ねるのなら、あらかじめ病院側にも相談してくださいね。
ハネムーン後にお土産持って結婚報告
結婚式やハネムーンがひと段落したら、彼と二人で祖父母宅を訪問し、結婚の報告を。
結婚式の写真やビデオ映像を用意すると喜ばれますよ。
何より、可愛い孫とゆっくり話せるのが最大の喜びかもしれませんね。
結婚式当日、ビデオ通話で感動を共有
リアルタイムで結婚式の様子を祖父母と共有したい人は、LINEやスカイプなどのビデオ通話を使ってみては?
以下のような条件付きになりますが、大好きなおじいちゃんおばあちゃんに結婚式を実況中継できるメリットは大!
- 会場側と祖父母側、それぞれにスマホやPCの操作をしてくれる人がいる
- Wi-Fi環境が整備されている(Wi-Fiが使えないとデータ容量が大変なことに!)
- バッテリーがある、もしくは会場で充電することができる
まとめ
- 高齢者ゲストにとってはアクセスがよく、会場内の移動が少ない式場が理想的
- 車椅子の貸し出しや控室の確保ができるかは事前に確認
- 高齢者ゲストの料理は、食べやすいよう小さくカットしてもらう
- 結婚式に介護士につきそってもらうこともできる
大好きなおじいちゃんおばあちゃんにも楽しんでもらうアイディアを紹介してきましたが、もちろん無理に出席をお願いするのはNG。本人の体調を優先しましょう。
高齢者ゲストを招く時は家族や介護士、プランナーの力を借りながら、結婚式の準備を進めていってくださいね。