寿退社後に転職したい!寿転職の時期&転職活動のポイント
少し前まで、女性は結婚したら家庭の入るのが当り前でしたが、今は結婚後も働く女性も多いですよね。
とはいっても、家事や育児の負担は、どうしても男性より女性にのしかかりがち。
この悩みを解決する方法の1つとして「寿転職」が注目されつつあります。
ここでは、寿転職とは何かについて説明します。
寿転職とは、結婚を機に働き方を変えるための転職
「結婚した後も、仕事は続けたい。子供もほしいけど今の職場じゃ大変すぎて無理…」
「彼が転勤するから、会社をやめて引っ越さなければいけない。でも仕事は続けたい」
そんな風に結婚を前に悩む働く女性がいま注目しているのが、「寿転職」です。
寿転職の理由は妊娠・出産、遠距離の引越し
寿転職とは結婚を機に、その後の妊娠・出産・育児をも視野に入れ、家庭と仕事を両立できる職場に切り替えること。
あるいは彼の転勤など、結婚にともない遠距離の引っ越しをせざるを得ないために転職することです。
ちょっと前の女性の王道は、結婚を機に仕事をきっぱりやめて家庭に入る、寿退社でした。
でも今は、結婚することでキャリアや看護師や保育士といった資格をすべてあきらめるのではなく、家庭と仕事を両立して働けるよう転職する女性が増えてきています。
寿転職がオススメの時期は「結婚前(入籍前)」!4つの理由
寿転職するなら、結婚前がオススメ。
結婚退職後に転職するより、もとの会社で在職中に転職活動して転職、その後結婚するほうがいいようです。
入籍前に転職をする、4つのメリットを紹介します。
1.結婚前に新しい仕事に慣れておける
結婚すると生活がガラリと変わり、家事という仕事も増えて、なにかと忙しくなりがち。
結婚生活スタート時期と、新しい職場に慣れない時期が重なるのは避けたほうがベターです。
理想的なのは、結婚準備が忙しくなる挙式3ヶ月前くらいには新しい職場に慣れておくこと。
2.結婚前のほうが、求人の選択肢が広がる
企業側からすれば、未婚の女性の方が、残業や出張、転勤の面でフレキシブルに対応できるので、採用しやすいという本音が。
逆にいえば、女性にとっては独身の方が、転職先の選択肢の幅が広がることになります。
3.産休・育休がとりやすい
妊娠・出産後も働くことを考えると、産休・育休の取得はマスト。
育休申請ができるのは、転職後1年を越えていて、引き続き勤務することが明らかな場合のみなので、転職後は一定期間働いておく必要があります。
産休・育休をとるまえに、転職先の業務に貢献し、周囲からの信頼を貯金しておくのも賢い方法です。
ただし当分の間子供はつくらないと決めているなら、結婚が先のほうがオススメ。
慣れた職場で結婚生活をスタートさせ、プライベート面が落ちついてから転職先を探す方法もあります。
4.社会保険や税金上の手続きが楽
退職と転職の間にブランクがあると、社会保険上の手続きを自分がやらなければなりませんが、退職後すみやかに転職すれば、会社が手続きをしてくれます。
しかも結婚前に転職したほうが、結婚後の諸手続きと退職・転職が重ならないのもメリット。
結婚が理由で転職活動するのはアリ?
結婚を機に転職するのが寿転職ですが、そもそも結婚が理由の転職ってありなのでしょうか?
転職活動ではどんな風にアピールすべきでしょうか?
履歴書の退職理由に「結婚」を書くと不利?
たいていの場合、履歴書に前職の退職理由は「一身上の都合により退職」とします。
ただ転職活動の際に、多くの場合で退職した理由をきかれるでしょう。
これは、正直に答えるべきだと思います。
結婚を機に会社を辞めた理由が、「残業が少ない会社」に移りたいということであれば、そのことを正直に言った方が良いでしょう。
結婚した女性を、結婚自体を理由に採用しない会社もあると思いますが、今は求人が多い労働市場ですので、そういう会社はやめた方が良いでしょう。
ウソをついてでも入ったもん勝ちという発想の方は、オススメはしませんが、それも生き方でしょう。
採用面接では、長く続けることをアピール
結婚退職をした人を採用面接する場合、「採用してもすぐ産休などの理由で長期休暇を取られるのでは…」と、企業側は不安を感じてしまいます。
そこで、寿退職に至った理由を明確に伝え、今後も長く続けることをアピールします。
- 結婚で引越しをして通勤が不可能になったため退職したが、○○(転職希望企業)では前職のスキルを活かせるし、通勤時間も短い
- 結婚生活も落ち着き、働く意欲があるため、パートナーと話し合い再就職することにした
- 家事に専念するため退職したが、パートナーの協力もあり、再度働くことにした
- 出産後は近くに住んでいる両親が協力してくれることになっている
結婚前に転職活動する場合、結婚することを伝える?
結婚前に就職活動する時、履歴書には結婚の予定について触れる必要はありません。
転職活動している時点のことを書けばよいのです。
結婚の予定については、入社後に伝えればOK。
ただし面接で「結婚する予定はありますか」「当社で長く働いていただきたいと考えていますが、その点は問題ありがませんか?」と聞かれた時には、正直に答える必要があります。
その際は、結婚後も仕事を続けたいという意志をはっきりと伝えて。
- 入社してすぐに子供を生む予定は無く、まずはしっかりと仕事を覚えて会社に貢献したい
- 結婚後、もし子供を生んでも、育児と家庭を両立できる女性のロールモデルになりたい
- パートナーは仕事を続けることにとても理解があるので、長くこの会社で働きたい
もし転職先に入社してから、1週間後に結婚するという予定なら、自分から伝えたほうがいいでしょう。
【年金・健康保険・雇用保険(失業保険)】寿退社・転職タイミング別手続き
在職中、社会保険料や雇用保険料は給与から天引きされていましたが、退職・転職する時は、それを切り替える必要があります。
退職と転職のタイミング別に、社会保険(年金・健康保険・雇用保険)で必要な手続きを説明します。
退職と転職の間に入籍をはさむと自分で氏名変更の手続きが必要な場合も。
1.退職→転職→入籍
- 退職手続きをする
- 転職先で入社手続きを行い、雇用保険被保険者証を提出する
- 入籍後は転職先で結婚届(会社の文書)を提出する
2.入籍→退職→転職
- 入籍時に勤務先に結婚届(会社の文書)を出す
- 退職手続きをする
- 転職先で入社手続きを行い、雇用保険被保険者証を提出する
以上、2つの場合は、会社が社会保険や雇用保険に関する手続きをしてくれます。
3.退職→入籍→転職
退職と転職までの間に入籍する場合は、自分で国民年金や国民健康保険に加入する手続きが発生します。
- 退職後、国民年金・国民健康保険に加入し、入籍後、氏名変更手続きをする
- 転職後、退職時にもらった雇用保険被保険者証を転職先企業に提出する(旧姓が記載されていても転職先企業が氏名変更の手続きをしてくれる)
4.退職→ハローワークで職探し→再就職
退職後に失業保険の給付を受けながら再就職先を探す方法です。
- 退職後、ハローワークで失業保険の給付手続きをする
- 失業保険受給中に入籍した場合、雇用保険受給資格者証の氏名変更の手続きをハローワークでする
- 失業保険を受給中は、原則夫の扶養には入れないので、自分で国民年金に加入する(国民健康保険に加入中に入籍したら、自分で氏名変更の手続きする)
- 健康保険は国民健康保険に加入するか、勤めていた会社の健康保険の任意継続手続きをする(入籍したら自分で氏名変更の手続きをする)
結婚後、寿転職する以外の働き方
寿転職する以外の結婚後の女性の働き方は、以下のような選択肢があります。
それぞれのメリット、デメリットをまとめました。
1.夫の扶養に入り、専業主婦となる
◆メリット
- 家事・育児に専念できる
- 時間に余裕ができる
- 妻が保険料を払わなくても保険が適用される
- 夫が配偶者(特別)控除を受ける場合も
◆デメリット
- 働かない分、家計の収入は減る
- 厚生年金に加入しないので、正社員と比べ、将来受け取る年金が少なくなる
2.夫の扶養に入り、正社員ではなくパート(アルバイト・派遣社員)で働く
◆メリット
- 正社員して働くよりは、時間的に余裕ができる
- 扶養の範囲内で収入が増える
- 保険料を払わなくても保険が適用される
- 夫が配偶者(特別)控除を受けられる場合も
◆デメリット
- 正社員と比べ収入が少ない
- 仕事の内容が制限される
- 厚生年金に加入しないので、正社員と比べ、将来受け取る年金が少なくなる
3.いまの職場で働き続ける
◆メリット
- 慣れた職場で働き続けることができる
- 家計の収入が増える
- 厚生年金に加入すれば、専業主婦より将来受け取る年金が増える
◆デメリット
- 家庭と仕事の両立が求められる
- 社会保険料が発生する
転職後、すぐに寿退社するって会社に迷惑?
転職活動して会社に採用されるということは、会社にやるべき業務があり、それをまかされたということ。
それなのに、転職して半年程度で辞めたら、会社にとっては完全に迷惑です。
転職する前には結婚のほか、妊娠・出産を含めて、その後の生活設計をパートナーともよく話し合っておくことが必要です。
転職したら結婚式に招待するのは、元職場と今の職場どっちの人?
転職直後に結婚式を挙げるなら、招待状の準備の関係もあり、前の職場の関係を呼ぶのが一般的。
転職後1年ほど時間がたっているなら、転職後の関係者がメインになるでしょう。
前の職場関係者であっても、個人的な付き合いが続いていれば招待するのは◎。
どちらにせよ、「自分たちの結婚を祝福してほしい人」「お世話になった人にお披露目したい人」を呼ぶ、と考えれば、職場にこだわる必要はありません。
まとめ
- 結婚を機に、その後の出産・育児までみすえた働き方に変える寿転職が増えている
- 転職するのは「結婚前」がオススメ
- 結婚予定について、あえて履歴書で触れる必要はない
結婚によって仕事そのものをきっぱりやめるのではなく、その後の出産や育児を見据えて柔軟に働ける職場を探す寿転職。
結婚後のライフプランを彼とよく話し合ったうえで、結婚後どう働くのか、転職するのかを決めてくださいね。