結納品とは?関東式・関西式の違い、略式の品目など
結納をするにあたって知っておきたいのが、結納品のあれこれ!
結納品目の意味や正しい並べ方などの知識を網羅しておくと、結納の準備がとてもスムーズです。
結納品には様々なマナーやしきたりがあり覚えるのが大変ですが、その1つ1つ、作法の細かいところにまで2人の幸せへの願いや想いが込められています。
正しいハウツーを知り、いつまでも思い出に残る結納を執り行いましょう♪
結納品とは?地域による違いがある
結納とは、結婚前に両家のご両親、仲人を交えて行う儀式。
婚約はプロポーズの口約束でも成立しますが、より正式なものとするため結納を行います。
結納のスタイルは仲人が新郎新婦それぞれの家を行き来する正式結納と、新郎新婦両家が1つの場所に集まって行う略式結納との2通り。
略式結納は仲人がいなかったり、正式結納よりも結納品数が少なくなったりする場合があります。
関東式・関西式で違いがある
関東式か関西式かで、結納品はもちろん、並べ方や結納返しにも違いがあるのです。
その代表的なのが、結納返し。
関東では結納返しをするのが一般的ですが、関西では行わないのが風習。
「新郎新婦が同じ立場にある」と考える関東に対し、関西圏では「新郎側のみが贈り物をする」といった考え方が主流なのです。
結納品の内容は?品目(中身)ごとの意味
結納品の品数は「割りきれない」という縁起を担いで、奇数で用意するのが一般的です。
正式結納の場合は9品で揃え、略式の場合は7品や5品に減らすことも可能です。
関東式の場合
関東式の場合、結納目録も含め9品が正式です。
- 目録(もくろく)
結納品目を記したメニュー表のようなもの - 長熨斗(ながのし)
干しアワビを長く伸ばしたもの、長寿を意味する - 金宝包(きんぽうづつみ)
結納金を包んだもの - 末広(すえひろ)
純白の扇子、純粋無垢や末広がりを意味する - 友志良賀(ともしらが)
白い麻糸をまとめたもの。「2人が白髪になるまで仲睦むつまじく」を意味する - 子生婦(こんぶ)
昆布。「沢山の子宝に恵まれるように」を意味する - 寿留米(するめ)
するめ。保存がきくことから「幾久しく」という意味 - 勝男節(かつおぶし)
鰹節。男性のたくましさや強さを意味する - 家内喜多留(やなぎだる)
柳樽。昔は樽酒を祝いの席で披露したが、現在では酒代・お食事代を意味する
関西式の場合
関西式の場合、関東と違い目録は結納品に含めません。
また婚約指輪が結納品に入ったり、関東では酒代・食事代を意味する家内喜多留が関西では酒代のみだったりと、少し内容が変わってきます。
- 長熨斗(ながのし)
干しアワビを長く伸ばしたもの、長寿を意味する - 小袖料(こそでりょう)
関東の「金宝包」に代わるもの、結納金 - 末広(すえひろ)
純白の扇子、純粋無垢や末広がりを意味する - 高砂人形(たかさご)
関東式の友志良賀に代わるもの。
老夫婦の人形で、意味は友志良賀と同じく夫婦がいつまでも仲睦まじくいられるよう願いを込めたもの - 子生婦(こんぶ)
昆布。「沢山の子宝に恵まれるように」を意味する - 寿留米(するめ)
するめ。保存がきくことから「幾久しく」という意味 - 家内喜多留(やなぎたる)
柳樽。結納の場の酒代として - 松魚料(まつうおりょう)
結納の場の食事代を包んだもの - 結美和(ゆびわ)
婚約指輪
略式結納の場合は品目数を減らしてOK!
正式結納の場合、結納品は9品用意するのが一般的ですが、略式結納なら7品または5品に減らしてもOK。
略式結納の結納品(関東式)
7品なら、「勝男武士(かつおぶし)」「家内喜多留(やなぎだる)」を除いた、以下の結納品を用意するのが一般的です。
- 目録(もくろく)
- 長熨斗(ながのし)
- 金宝包(きんぽうづつみ)
- 末広(すえひろ)
- 友志良賀(ともしらが)
- 子生婦(こんぶ)
- 寿留米(するめ)
5品ならここからさらに、「子生婦(こんぶ)」「寿留女(するめ)」を除きます。
略式結納の結納品(関西式)
関西で7品の品目にするには「子生婦(こんぶ)」と「寿留女(するめ)」を省きます。
- 長熨斗(ながのし)
- 小袖料(こそでりょう)
- 末広(すえひろ)
- 高砂人形(たかさご)
- 家内喜多留(やなぎたる)
- 松魚料(まつうおりょう)
- 結美和(ゆびわ)
5品の場合はさらに、「高砂人形(たかさご)」と「結美和(ゆびわ)」を省きます。
結納品の金額相場は?
結納品の金額はいくらくらいで揃えるのが普通なのでしょうか?
「ゼクシィ結婚トレンド調査2018調べ」では以下のような結果に。
●結納金を含めた結納品の品目数
- 7品目:26%
- 9品目:22%
- 3品目:17%
- 5品目:17%
●結納品(結納道具)にかかった金額(結納金、婚約記念品は含めない)
- 10~20万円未満:33%
- 5万円未満:30%
- 5〜10万円未満:11%
- 20〜30万円未満:11%
金額は結納金・婚約記念品(指輪など)を別にして、平均は14.4万円でした。
10~20万円と5万円で、随分金額に差があるように思えますが、大手ネット通販などをチェックすると9品の結納品セットを3万前後から販売しています。
豪華絢爛な結納品を揃えるか、金額をおさえて別のところで使うかは人それぞれ。
自分たちに見合った結納品をチョイスしましょう。
結納品はデパートやネット通販の「結納品セット」を買おう
結納品はデパート(百貨店)やネット通販で入手するのが一般的。
結納セットが便利でオススメです。
結納品一式に加え、結納目録や受書、さらに飾り方の説明などもついてくるのが多く、手間が格段に省けます。
レンタルは可能?
「レンタルもできるの?」と気にする方も多いですが、レンタルはあまりポピュラーではなく、結納品のレンタルショップ自体が希少です。
ですが、「見栄えのする豪華な結納品を低価格で準備できる」「その後の処分に困らない」というのがレンタルのメリット。
価格をおさえて華やかな結納がしたい、という人は検討をオススメします。
ちなみにレンタルの価格は、関東の9品で3〜4万程度、関西の9品で4〜5万程度。
結納品の並べ方
結納品の飾り付け方についても、知っておきましょう。
関東式と関西式では飾り付け方が全く違ってきます。
関東式
関東では、結納品はまとめて1つの白木台の上に飾ります。
左から順に、以下の順で並べます。
- 家内喜多留
- 末広
- 友志良賀
- 子生婦
- 寿留米
- 勝男節
- 金宝包
- 長熨斗
- 目録
「幸せが幾重にも重なるように」と、それぞれの品目の端を重ねて並べます。
略式結納の場合は、省いた品目を抜かし、正式結納と同じ順で並べます。
関西式
関西では、全ての結納品を1つづつ白木台に乗せます。
9つの品目を3×3列で並べていきます。
一番奥左端から右へ
松魚料・家内喜多留・小袖料
中段左端から右へ
末広・高砂・長熨斗
一番手前の左端から右へ
子生婦・結美和・寿留米
関西の略式結納7品で子生婦・寿留米を省いた場合、その空間は何も置かずそのままの並びなります。(結美和が前列に1つあるだけで、後列は3品づつ)
5品でさらに高砂と結美和を省いた場合、末広と長熨斗を中心に近づけ、前列が2品、後列が3品と変化します。
結納品の置き場所は?
本来なら床の間の前、畳の上に赤い毛せんを敷いて、その上に並べます。
部屋にスペースがない場合は、床の間にそのまま置いてもOK。
略式で結納返しを同時に行う場合は、結納品を床の間の前、結納返しはその隣に並べておきます。
床の間のない和室・洋室の場合
床の間がない和室なら、部屋の奥(上座)に台を置き、その上に毛せんを敷いたスタイルでも大丈夫です。
洋室の場合も、テーブルの上に毛せんを敷き結納品を飾りましょう。
結納返しも結納品の横に並べます。
結納品の飾り付けは誰がする?
豪華絢爛な結納品は飾り付けも重要ですが、その飾り付けをする人物にも決まりが。
正式結納の場合、女性宅に赴いた仲人が結納品とそれを飾り付ける台(白木台)を風呂敷から取り出します。
結納品を新婦家族と仲人の間に飾り付け、その後、口上を述べます。
結納品と目録を新婦側で確認したら、飾り付けられた結納品は女性の母親が上座へ移動させ、準備していた結納返しと受書を仲人に渡すのが流れです。
略式なら、男性側の母親が飾る
略式結納の場合は、結納品を用意した男性側の母親が飾るもの。
しかし略式でも仲人がいれば、仲人が結納品を飾り付け、そのまま女性側に渡します。
結納返しの飾り付けは誰がする?
正式結納であれば、男性宅に結納返しを持参するのは仲人夫人。
結納の時と同じように、仲人夫人が目前に飾り付け→母親が上座へ、というのが一般的です。
略式の場合は、結納返しを準備した女性側の母親が飾り付けをしてそのまま男性側へ渡します。
こちらも仲人がいる場合は、仲人夫人におまかせしてOK。
略式結納の場合飾り付けシーンは相手家族に見せない
女性側の自宅で略式結納を行う場合、結納返しの品々は男性側が到着する前に飾り付けを終えておきましょう。
男性側は到着後に結納品を飾り付けます。
この時、女性側は席を外すのがマナー。
飾り付けが終わったのを確認してから、入室するようにします。
結納品の渡し方
正式結納では、仲人が風呂敷に包んで結納品を女性宅に持参します。
その後、結納品を並べてから口上を述べ、父親か新婦本人が返礼の口上を述べるのが流れ。
略式結納の場合は結納品をその場に並べてからスタートするので、挨拶・口上を述べ、目録だけを渡します。
目録は中身を出して渡してもそのままでも、どちらでもかまいません。
結納品が結納金のみの渡し方
略式結納で結納品は準備せず「結納金のみ」というカップルも増えています。
その際、結納金は水引の金封(ご祝儀袋)に入れ、さらに風呂敷に包み、白木台か黒塗盆などに載せて渡すのがマナー。
男性の父親から、女性の父親に渡すようにします。
結納が終わったら、結納品は処分するの?
結納が終わったら、いただいた結納品は結婚式まで飾っておくのがしきたり。
ですが結婚式まで期間があくようなら、一度しまって結婚式1ヶ月ほど前に取り出して飾ります。
しかし、いよいよ結婚式も終わったとなると結納品をどうするべきか悩みますよね。
処分をする場合、神社でお焚き上げをしてもらうのがベスト。
寿留米(するめ)、長熨斗(ながのし)、子生婦(こんぶ)は料理に使って構いません。
結納品の飾り付けに使われた水引きで羽子板・リースを作ることも可能です。
相手家族からの真心のこもった贈り物ですので、間違ってもまとめてゴミ箱にポイ!なんて事はしないようにしましょう。
まとめ:結納は大事な記念日!間違いのないようにしよう
- 結納には正式結納と略式結納がある
- 関東と関西で結納品が違う
- 結納品の品数は7・9品が最もポピュラー
- 飾り付け方、渡し方、飾る人物にも細かいルールが存在する
- 終わった結納品は捨てずに再利用、または適切な処分を!
地域によって内容が違ったり、ルールが細かかったりと何かと覚えることの多い結納ですが、ポイントさえおさえておけば大丈夫!
結納時の結納品の扱い方について、家族みんなで確認しておいてくださいね。