喪中には結婚式を控えるべき?挙げる場合&中止(延期)の場合の注意点
結婚式を控えたタイミングで身内に不幸が…。
悲しいのはもちろん、結婚式をどうするか戸惑ってしまう状況でもありますね。
喪中に結婚式をするのは、非常識なことなのでしょうか?
ここでは喪中の年に結婚式をやってもいいのか、中止(延期)すべきなのか、考え方を解説。
また中止・延期した場合のゲストへの通知方法についても解説します。
喪中に結婚式を挙げるのは非常識?
喪中には、正月をはじめとする祝い事は行わないというのが伝統的な考え方。
そのため喪中の結婚式をタブーだと考える人も少なくありません。
そのため結婚式準備中に身内に不幸があった場合は、次の方法をとるのが一般的です。
- 結婚式を中止し、一周忌が過ぎるのを待つ
- 忌明け後(四十九日を終えた後)ならOKとして日程を組み直す
不幸があった時点で式場の申し込みなどを行っていない場合には、一周忌を待つ方がいいといえます。
自分の気持ちも落ち着き、周囲に余計な気遣いをさせる必要がないでしょう。
故人の遺志を尊重したり、小規模で行うこともある
喪中にもかかわらず結婚式を予定どおりに行っても、「絶対に非常識!」とまではいえません。
また故人が、予定どおりに結婚式が行われることを強く望んでいた、というようなケースも。
故人の遺志など、どうしても日程にこだわりがある場合には、結婚式の規模を縮小して近親者のみで行うといった対処法もあります。
そもそも喪中とは?忌中との違いや期間
喪中とは親近者の死を悼み、身をつつしむ期間のこと。
喪中に対して忌中とは、喪中期間のなかでもとくに四十九日までの間をいいます。
喪中の対象者は、一般的に2親等までの親族や姻族(両親・子ども・兄弟姉妹・兄弟の配偶者・祖父母)。
一般的に喪中の期間は、次のようになります。
- 両親:12~13ヶ月
- 子ども:3~12ヶ月
- 祖父母:3~6ヶ月
- 兄弟:1~6ヶ月
ただし死を悼む対象の範囲や、気持ちが落ち着くまでの時間は人それぞれ。
上の範囲や期間はあくまでも目安で、人により喪中の対象範囲や期間は異なるものです。
喪中のゲストを結婚式に招待するのは非常識?
喪中には、結婚式への出席もNGだとされていますが、招待すること自体が非常識というわけではありません。
ただし身内に不幸があったばかりというのは、心身が弱ってしまうもの。
お祝いモード全開で結婚を報告するのは、思いやりに欠けます。
もしも結婚式に招待したい友人が喪中だと分かったら、まずはきちんとお悔やみの気持ちを伝えたうえで、「できれば結婚式に来て欲しいと思っているのだけれど…」と打診するなど配慮を。
絶対に無理強いはせず、出欠の判断は友人自身の気持ちに任せましょう。
喪中に結婚式を挙げる場合の注意点
喪中に結婚式をする場合は、次のようなことに注意しましょう。
神前式は事前の確認を
会場となる神社などにもよりますが、喪中の人が神前式を挙げる場合、事前にお祓いなどが必要なことがあります。
必ず前もって確認を。
新郎新婦の心身の状態に配慮が必要
親近者を亡くすと、どうしても気持ちが沈んでしまったり、体調を崩してしまったりしがち。
心身のコンディションが低下した状態で結婚式の準備や本番をこなすのは大きな負担です。
自分自身の心身の状態に気をつけて、無理をしないことが大切。
非常識と感じる人もいる
信心深い方や慣習を重んじる年配の方など、喪中のお祝い事を非常識だと感じる方は少なからずいます。
周囲から大反対されてまで無理に押し切ると、関係がこじれる原因に。
「故人の供養を兼ねて…」など自分の考えをしっかりと説明して理解を求めたうえで、落としどころを検討しましょう。
親族の心情にも配慮が必要
新郎または新婦が喪中ということは、親族のなかにも同じように、近しい人を亡くした人がいるということ。
悲しみのなかにいる方のことを思いやり、演出の内容などが無神経にならないようにしましょう。
喪中を理由に、結婚式を中止・延期する場合の注意点
喪中で結婚式を延期または中止する場合には、次のようなことに注意しましょう。
キャンセル費用がかかる
結婚式を中止にすると、キャンセル費用がかかります。
キャンセルするタイミングが結婚式当日に近くなればなるほど、キャンセル料が割高になるのが一般的。
日程変更の場合も、当日までの日数に応じたキャンセル料が発生する場合があります。
新たな日程の確保が難しい可能性がある
結婚式の予約は、数ヶ月前までには完了するのが通常。
そのため、「忌明けを待ってから…」と思っても、日程が埋まっていて、結婚式の日取りがかなり先になる可能性があります。
また結婚式の予約は、人気がある時期や日にちほど早々に埋まってしまうもの。
新たな日取りを決めるときに希望どおりの時期や、大安、友引などの善い日に予約が取れない可能性も。
ゲストに負担がかかる可能性がある
急に結婚式の中止や日程変更をすると、招待されたゲストは、改めて休みの調整や交通機関の確保が必要。
出席に向けて準備してくれていたゲストには、休暇の取り直しや交通機関の再予約の手間、交通機関のキャンセル料などの負担が発生してしまいます。
喪中で結婚式を中止・延期する場合の通知方法は?
喪中で結婚式を中止または延期することが決まったらすぐに、招待しているゲストに通知しましょう。
通知の方法は、メールやSNS、電話では失礼なのでダメ。
郵便でおわび状を送り、通知するのがマナーです。
おわび状は、内容が家族にも読めるハガキではなく、封書で作成します。
緊急のものなので、文面は印刷でOK。
どんな関係のゲストに出しても問題ない、丁寧な文面を心がけましょう。
【例文】結婚式を中止する場合のお詫び状
謹啓
○○の候(時候のあいさつ) 皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
このたび
(新郎氏名)
(新婦氏名)
の婚礼に際しまして ご祝福とご臨席のお返事を賜り ありがとうございます
突然のことで恐縮ですが やむなき事情により
○月○日に予定しておりました挙式を 中止致しますことに相成りました
日時が迫ってのご連絡となり 皆様にはご迷惑をおかけいたしますこと お詫び申し上げます
今後とも変わらぬご厚情を賜りますよう 何卒宜しくお願い申し上げます
謹白
ポイント!
【例文】結婚式を延期する場合のお詫び状(日程が決まっている場合)
拝啓
○○の候(時候のあいさつ)皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
さて 先般
(新郎指名)
(新婦指名)
の結婚式を○年○月○日○時の予定でご案内申し上げましたが
都合により○年○月○日○時に変更と相成りました
皆様にはご迷惑をおかけ致しますが 是非ともご出席くださいますようお願い申し上げます
敬具
ポイント!
【例文】結婚式を延期する場合のお詫び状(日程が決まっていない場合)
拝啓
○○の候(時候のあいさつ)皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます
このたび
(新郎指名)
(新婦指名)
の婚礼に際しまして ご祝福とご臨席のお返事を賜り ありがとうございます
突然のことでございますが やむなき事情により
○年○月○日予定の挙式の日時を延期することとなりました
新たな日取りが決まりましたら改めてご連絡いたしますので
その時はぜひともご臨席賜りますよう お願い申し上げます
取り急ぎ お詫びまで
敬具
ポイント!
まとめ:喪中の結婚式は自分・周りの気持ちをよく考えて
- 喪中の結婚式は一般的によくないと考えられている
- 中止・延期するべきかどうかは事情次第
- 喪中のゲストを招待する際にも、無神経にならない配慮が必要
- 予定どおり決行、中止・延期のいずれにもデメリットがあるのでよく考えて
- 中止・延期する場合は速やかに封書で通知するのがマナー
結婚式を予定しているタイミングで喪中になってしまったら、周りや自分自身の気持ちやケースごとのデメリットをよく考えて、どうするか決めましょう。