結婚式の「媒酌人」は必要?役割や意味、お礼などの基礎知識
結婚が決まると「媒酌人はどうするの?」という声がちらほら聞こえてきます。
媒酌人というと、伝統的な披露宴で新郎新婦の両脇で座っている人のイメージがありますが、そもそも何をする人なのでしょうか?
結婚式のどんなシーンで関わってくるのでしょうか?
媒酌人について、その意味や役割、だれに依頼するべきかについて紹介します。
この記事のポイント!
- 媒酌人のことを知りたいカップル向け
- 媒酌人の役割や仲人・主賓との違いがわかる
- 媒酌人の依頼の仕方がわかる
- 媒酌人へのお礼の仕方がわかる
媒酌人とは何?読み方や意味が知りたい!
媒酌人(読み方:ばいしゃくにん)とは、結婚式当日に新郎新婦の結婚を取り持つ人のこと。
「結婚式の仲立ちをする」という意味をもっています。
媒酌人は披露宴だけでなく挙式にも立ち合い、結婚そのものの証人にもなります。
ゲストではなく主催者側の位置づけになり、新郎新婦のことをよく知る夫婦に依頼するのが一般的。
媒酌人と「仲人」「立会人」との違いは何?
結婚する2人の間を取りもつ人として「仲人」「媒酌人」「立会人」の3つをよく聞きますが、違いはなんでしょうか?
媒酌人と「仲人」の違い
仲人は、お見合いや縁談話をもちかけることから始まって、婚約から結婚までのことを取り仕切り、結婚後も夫婦の相談にのる役割を担っています。
要は「挙式前から挙式後まで」、夫婦だけでなく両家の仲立ちを行う人が、仲人。
一方媒酌人とは、「結婚式当日のみ」立ち合いをしてくれる人で、当日の婚礼の杯を取り持つだけというシンプルな役割になります。
そのため「頼まれ仲人」と呼ばれることもあります。
媒酌人と「立会人」との違い
立会人とは、結婚の証人として「挙式」に立ち会う人。
結婚の証人になる点は媒酌人や仲人と同じですが、「挙式」に限定した呼び方で、教会式や人前式で多く立てられます。
立会人は、新郎新婦の後に結婚証明書へ署名したり、2人が夫婦になったことを参列者へ知らせる「結婚宣言」を行います。
媒酌人と「主賓」との違いは何?
媒酌人はあくまで主催者側の立場にあり、ゲストではありません。
一方、主賓はゲストの中で最も高い社会的地位にある人をさします。
媒酌人も社会的地位の高い人が担うことも多いのですが、主賓との違いは主催側か、ゲスト側かになります。
結婚式に媒酌人って必要?媒酌人「無し」はアリ?
結婚式当日に大事な役割を担う、媒酌人。
格式や伝統を重視した披露宴ではマストな存在ではありますが、媒酌人は必ず立てなければならないものではありません。
現在では挙式スタイルの自由度が増したこともあり、媒酌人を立てるカップルは少数派になっています。
媒酌人を立てない理由はこのとおり。
- カジュアルな結婚式にしたい
- お願いできる人がいない
- その後のお付き合いが面倒
- 費用がかかる など
とはいえ、親世代では媒酌人を立てるのが定番だったこともあるので、両親の意見を聞いておくことは必要です。
「媒酌人は立てて当たりまえ」「もうあのご夫婦にお願いすると決めてある」など、自分たちの知らない両親の考えがあるかももしれません。
もし両家の意見が分かれたら、互いの両親も交えて話し合いを。
結婚式での、媒酌人の役割
媒酌人は結婚式当日に次のような役割を担います。
1.挙式に立ち合う
媒酌人は挙式に立ちあい、披露宴で無事挙式が終わったことを報告します。
挙式スタイルによって媒酌人の役割は変わってきます
●神前式
新郎新婦に続いて入場し、二人についで玉串奉奠(ほうてん)をします。
●教会式
立会人として、結婚証書に署名したり、参列者に結婚を宣言します。
●人前式
立会人として、結婚証書に署名したり、参列者に結婚を宣言するほか、簡単なスピーチをすることも。
2.親族紹介の進行役をする
両家の親族紹介の際に、進行役を頼まれることもあります。
3.披露宴でゲストのお迎えやお見送りをする
主催者側の人間として新郎新婦や両親とともに、ゲストに挨拶をします。
終了した後は、司会者やスタッフにねぎらいの言葉をかけます。
4.披露宴でスピーチをする
開演の挨拶の後にスピーチをします。
内容は挙式の報告や新郎新婦のプロフィール、2人のなれそめなど。
媒酌人の挨拶の後には、主賓の祝辞や乾杯が控えているので、5分以内にまとめるのが一般的。
媒酌人は誰に頼むべき?頼み方のマナーは?
媒酌人は、両家の仲を取り持ち、結婚の証人となってくれる大事な役割を担う人なので、失礼のないよう依頼をすることが大事です。
媒酌人は誰に依頼する?
媒酌人は、新郎新婦の両方、またはどちらかのことをよく知っている夫婦にお願いすることが一般的。
具体的には、職場の上司や学生時代の恩師などの目上の人、または親戚や両親とつながりのある夫婦にお願いします。
新郎側から探すことが多いのですが、新婦側の関係者でも問題ありません。
新郎新婦から1人ずつ媒酌人を立てることもまれにあります。
媒酌人の依頼方法。いつ・どうやって?
媒酌人には必ず結婚式に出席してもらわなければならないので、挙式の日程が確定する前に必ず最初の打診を。
タイミングとしては挙式の半年前頃、遅くとも3ヶ月前までで、直前に依頼するのは失礼です。
以下の段取りで依頼するといいでしょう。
- 新郎新婦から直接連絡をとる(電話or手紙or直接会う)
- 挙式日の決定
- 招待状を持参し、媒酌人宅に挨拶に行く
媒酌人宅に伺う際、結婚式の相談や打ち合わせもいっしょに済ませましょう。
媒酌人には披露宴で新郎新婦の紹介をしてもらうので、2人のプロフィールや結婚にいたるエピソードなどを紙に書いて渡しておくのがオススメ。
結婚式で媒酌人を頼んだら、きちんとお礼をする
両家の仲立ちをしてくれた媒酌人には、披露宴後にお礼をします。
以前は日を改めて挨拶に伺うのが基本でしたが、最近は披露宴当日に行うことが多くなっています。
お礼はどのタイミングで渡す?
披露宴終了後に両家の親がそろって、感謝の言葉とともに「御礼」を渡します。
忙しくても、帰り際にさっと渡したり他の人にお願いするのはマナー違反。
控室やラウンジなど、落ち着いてお礼ができる場所を選びましょう。
お礼の相場はどのくらい?
御礼の相場は、媒酌人からいただくご祝儀の2倍が目安(10~20万円程度)。
高額を包むので、ご祝儀袋も格の高いものを選んで。
- のしは結びきり
- 水引は10本
- 表書きは「御礼」
- 両家の連名
現金でのお礼のほか、往復のハイヤー代に相当する「お車代」も準備し、さらに菓子折りを添えることもあります。
なお媒酌人への御礼やお車代については、両家で折半することが一般的。
媒酌人夫婦には、挙式後も新婚旅行のお土産をもって挨拶に伺ったり、盆暮れの挨拶や年賀状なども欠かさないようにして、よいお付き合いを続けるのが理想的です。
媒酌人はどこに座る?披露宴の席順、席次表の書き方
媒酌人の披露宴での席次は、新郎新婦の両脇になります。
メインテーブル(高砂席)に向って新郎の左側が媒酌人、新婦の右側が媒酌人夫人。
席次表の肩書きと敬称は次の通りです。
媒酌人:御媒酌人 ○○○○様
媒酌人夫人:御媒酌人令夫人 ○○○○様
まとめ
- 媒酌人は、両家をとりもち結婚の立会人となる人
- 新郎新婦をよく知る職場の上司や恩師が夫婦で務める
- 仲人は結婚の前~後まで新郎新婦と両家の仲立ちをするのに対し、媒酌人は結婚式当日のみ
- 媒酌人や仲人は主催者側の立場になる
- 最近は、媒酌人を立てない結婚式スタイルが多くなっている
現在は立てるカップルが少数派になっていますが、媒酌人には両家の仲を取り持つ大事な役割があるのですね。
伝統的な結婚式にあこがれる花嫁さんは、媒酌人を立てることを検討してみてはいかがでしょうか?